物の多さとお金の使い方は連動しています。周囲の人を見渡してみると、次のようなシンプルな傾向があると気付きます。
お金の使い方を見直し、無駄遣いを減らせば自然と物も増えなくなります。反対に、物が多いのは無駄遣いが多い表れです。そのため、物を減らしたいのであれば同時にお金の無駄遣いの習慣をなくすことが不可欠です。
金銭管理がきちんとしている人の傾向
- 時間厳守が徹底している(約束の時間に遅れない)
- 断り上手
- 話題の中心が現象、物
- 家計簿をつけている
- 家の中がごちゃごちゃしていない
- 流行に簡単に乗らない
- ケチではない
- 話の切り上げ方がうまい
- 見栄を張らない
金銭管理が曖昧な人の傾向
- 時間にルーズ(約束の時間に遅れる)
- 断れない
- 話題の中心が人
- 家計簿をつけていない
- 家の中にものが多い
- 流行に敏感ですぐ取り入れる
- 意外にケチな人もいる
- 話が長い
- 小さな見栄が多い
ここに挙げたことが全員にあてはまるわけではありません。ですが、傾向はあります。
はじめに、金銭管理という視点で見れば、当然、「管理がきちんとしている人」の方が優れています。ですが、「何事も白黒はっきりさせないと気が済まない」などの欠点となる側面があります。反対に「金銭管理が曖昧な人」は、金銭管理においては短所ですが「許容の幅が広く度量が大きい」などの長所となる面を持ち合わせています。つまり、その人の傾向の長所と短所はあくまである一面での判断に過ぎません、
たとえば、「時間にルーズ」という点ですが、待ち合わせに現れないと相手は困ります。けれども、裏を返せば「細かい事にこだわらない柔軟性のある人」ということです。
その場がキチキチキッチリばかりでは、場の雰囲気がギスギスすることもあります。けれども柔軟性のある人の存在が、その場をなごませるという良さもあります。
現代は、貨幣を中心に世の中が回っています。だからこそ、「金銭管理のできる人」が評価されます。けれどもそれはひとつの「たまたま現状には合っている」だけです。ですから「お金の扱いに関しては短所である」ということであり、その人の個性を否定する意図のものではありません。
今回のお話は、あくまでそのような前提を踏まえてのものとなります。どちらのタイプも良い良くない面を兼ねているとはいえ、現状の「お金」に視点をあてた場合は「金銭管理がきちんとできる」ことは必要です。
無駄な支出をしなくなる方法
「金銭管理が曖昧な人」の特徴として「外部の影響を受けやすい」と言えます。これは裏を返せば長所です。周囲の変化に応じて自分を合わせられるというのは、人間関係などを円滑に進めるにおいては必要なことでメリットになります。
けれども、金銭的な分野に及ぶとこれがデメリットになりやすいでしょう。
外部の状況を受け入れる器が大きいので、テレビなどで「これがいいですよ」という情報を見てしまうと、素直に買ってしまうのです。それは店頭などでも同じです。
買い物を不便にする
この場合、どうした対策をとればよいのでしょうか?それは「お金を使いにくくすること」につきます。つまり、買い物を不便にするのです。ところが現在は、便利にお金を使う方法がたくさんあります。
便利に素早く買い物できることは、金銭管理が出来ていればメリットしかありません。けれども、出来ていない場合はこれが散在するきっかけになります。
では、何が買い物を便利にしているのでしょうか?
買い物を便利にしているもの
- 通販
- ネットスーパー
- 自家用車の所有
- ショッピングモールの買い物
- クレジットカード
- 電子マネー
買い物を便利にしている物を「やめてみる」
買い物を便利にしている物です。「つい買い過ぎてしまう」方は、これらの全て、もしくはいずれかの使用を「やめてみる」ことが効果的です。
通販をやめてみる
めんどうでも、実店舗に直接買いに行くようにします。ただし、買い物メモを持ち、予算のお金だけを財布に入れます。それ以外は買わないようにします。
ネットスーパーの利用をやめてみる
「予算を決めて買うから節約になる」という人もいますが、反対に「せっかくだから、ついでにこれも注文しておこう」ということになりやすいのです。
また、実店舗の方が、安い食材が売られています。ネットスーパーには広告の品と定番品は出ています。こうしたものは店舗と同じです。ですが、単発的に仕入れられた数の少ない安い野菜などはネットスーパーで買えません。結果として割高になる事が多いのです。
自家用車の所有、使用をやめてみる
ムリにとは言いません。立地や家族の年齢によって必要不可欠な場合があるからです。けれども、自家用車で買い物に行くといくらでも持って帰れるので、買い物点数が増える傾向にあります。近所なら徒歩、自転車で行ってみると持ち帰るのに限度があるので必然的に買う数が減ります。
ショッピングモールの買い物をやめてみる
大きい店に行くと、いろんなものが目に入ります。ショッピングモールまでいかずとも、大型店舗は歩く距離に比例して買い物点数が増えると言われています。
ですから、余計な物を買わなくするコツは出来るだけ小さい店に買いに行くことです。
クレジットカードの利用をやめてみる
便利でポイントがつきますが、散在しやすい人には一番不向きな物です。うまく扱いきれず、かえって散財の原因になっているのであれば、現金で買うようにします。
クレジットカードはその典型です。通販で買い物をするとき、振込にすると
- 注文確認メールが来る
- 支払方法と振込先案内のメールが来る
- 振り込む
- 入金確認メールが来る
- 商品発送
というように、注文から決済まで何段階かのステップがあります。面倒で時間がかかります。けれども「面倒で時間がかかっても買いに値する」物しか買う気になれない、というのがポイントです。
あえて面倒な支払方法に限定することで、散財を予防できます。
電子マネーの使用をやめてみる
クレジットカードと同じく、買い物しやすいので「使っている」感覚が希薄になります。うまく使えば予算を決めて便利に使えますが、わずかのポイントより現金払いにして、支出を減らした方が結果としてお得です。
もちろん、うまく使う分には問題ありません。
さいごに
世の中には、魅力的なものがたくさんあります。販売する側は「これを手に入れると幸せになりますよ」というコンセプトのもとに「買ってください」という発信をします。
けれども、本当にそれが自分に必要なものなのかを、冷静に見極めなくてはいけません。ところが、お金を使いやすい状態にあると、自分の意志に関係なく、安易に受け入れてしまいます。
ですから、あえて便利なシステムを封印すれば、無駄遣いを予防できるということです。不便は「冷静に考え直す時間」を産みます。
不便はこのように役立つ一面もあるのです。後悔しないお金の使い方をしたいところです。