「何かの基準なんて、ホントない」
と痛感します。
それはTシャツの詰まり具合の短い歴史を見れば一目瞭然です。何がおしゃれで何がダサいかという基準。そうした概念でさえ、誰かの意見に従うばかりでは疲れてしまうのは当たり前なのです。
おしゃれに振り回されないで暮らそう
結局、おしゃれとかダサイというのは相対的なものですらないということがよくわかりました。
どこかの誰かが、おしゃれといえばおしゃれであり、ダサイと言えばダサイのです。それを決めるのは業界の人なのでしょう。結局は振り回されている感はいなめません。
おしゃれ自体は良い事です。問題なのはおしゃれと評する反対にある価値観です。「ダサイ」と評する空気が良くないのです。
たかが服を通してその人となりまでもを否定してしまう「ダサイ」という評価がまずいのです。さらにそこには明確な理由もありません。
同じものでも基準は変わる
同じものででも基準は変わります。今流行している首が詰まったTシャツも、もうしばらくすると「ダサイ」と言われることでしょう。それは短い歴史が証明しています。
相当前、Tシャツと言えば首が詰まっていて当たり前でした。(私が20代くらいまでの頃)ところが、次第に「首元が詰まっているTシャツはダサイ」という空気がまん延しはじめたのです。
誰もが(女性)首元が広く開いているTシャツを着るのが普通になりました。その状態は結構長く続きました。(私が20代前半~つい最近)
当時「首が詰まっているTシャツはダサイ」という価値観が急に増えました。そして首が詰まっているTシャツを女性が着ると、こう表現された物です。「体操服みたい」と。
ところが昨年あたりからでしょうか。ユニクロあたりで首の詰まったTシャツが出て目を疑いました。
「首が詰まっているTシャツってダサいんじゃなかったの?」
胸の開きが広いTシャツと女性の努力
現在、20代~30代前半くらいの方は首が詰まったレディースもののTシャツの存在を知らないのかもしれません。
確かに首元が開いているTシャツは、鎖骨が見えたりもするので女性らしさを出すには良かったのかもしれません。
ところが世の中では首の詰まったTシャツが大流行しています。確かにこういうTシャツが中心になってくれた方が助かります。「デコルテの開き」とはすなわち、ブラなどが見えてしまう危険があると同意義ですから。
世の多くの女性は胸元が開いたTシャツを着こなすために涙ぐましい努力をしてきました。見えてもいいインナーを合わせるなどです。
今年はたまたま女性に都合のよいTシャツが人気
それに加えて今年は「肉厚の生地」が人気です。これも助かるんです。透けにくいし、身体の線を拾いませんから。ただし猛暑の今年は暑そうですが。
いろいろと腑に落ちないことはありますが、着るのが幅広い面で楽になったTシャツが流行しています。いつまで続くかわかりませんが、当面は女性が着やすいTシャツが増えていいですね。
服は、流行に適当に乗ったフリをするくらいでちょうどよいのです。いわば「いいとこ取り」をすればいいんです。服のおしゃれ基準に明確な理由はないからです。時代の空気と業界の都合、こうした関係でおしゃれの基準らしきものが決まります。
というわけで流行は乗ったふりをしつつも、意識しすぎてはダメです。新たに服を買い足すときには流行を見極めてどのくらい投資していいものかを考えて買う必要があります。