通販で買った洋服が駅ビルなどで試着できる試みが都心でスタートします。このサービスを始めたのは三陽商会やワールドなど大手4社とヤマトシステム開発です。
試着できる場所は、大丸東京店、東京メトロの表参道駅構内に立地する洋服リフォーム店の18箇所で、通販配送先として指定できるようになるそうです。
(参考:日経新聞)
という事で現状はまだ限られた人しか利用できなさそうです。とはいえ、評判が良ければ全国展開する可能性がありますよね。
買った人は、商品を取り寄せて試着してから買うかどうかを決められるそう。この取り組みはヤマトホールディングスと組んではじめたサービスだそうです。
今回のサービスは、ヤマトなどの宅配業者にとってメリットが大きいのだそうです。洋服関連の通販は返品が多いからだそうです。そのため、配送現場で負担になっているんだそう。そこで配達先が駅ビルなどにまとまることで、返品分もまとめて配達できるわけです。
今回のサービスのイメージは次の通りです
ネット通販で注文
↓
出荷
↓
サービス提携の駅ビルなどで試着
↓
(消費者はその場で・・)
- 持ち帰り
- サイズ直しを依頼
- 返品
試着室には洋服リフォーム店があることで、それぞれの業者のメリットにもなるというわけです。
今回のサービスで個人的に気になった点を挙げてみます。
洋服の青山あたりでは通販扱いの服を店舗で試着して買うかどうかを決められるサービスは既にあります。
今回のサービスはそれと似ていますね。
違いは複数の企業が協力体制のサービスだということです。
そもそも、自宅外での試着が面倒だから通販を利用するのに、結局自宅外での試着ってどの程度ニーズがあるのかな?」という点が気になります。ただ、「店員さんに気を使う買い物じゃない」という点は大きいかも。
(洋服の青山の場合は、スーツという特性上、試着だけで完結しないことが多い。お直し必須が多いから店頭試着は「効率が良い」という違いがあると思われます。)
また、洋服はかさばるので、荷物の持ち帰り自体が大変そうという点も気になります。
今回の取り組みは、都心の駅近辺でのサービスです。なので結局、「本当に通販が必要な人、つまり交通の便が悪いところに住んでいる人や、大きな荷物や重い荷物を自力で持ち帰るのが大変な人」の根本解決にはなっていない気はします。
ただ、今回のサービス目的は消費者の不便解消ではありません。あくまで・・
- 事業者の負担を減らす
- サービスをきっかけに利益を増やす
なのです。それでお互いにメリットがあり、業績アップにつながれば良いな、という点が中心なんですね。おそらく。
ただし都心での反響が良ければ、地方にもサービスが広がると言う試験的取組の段階だと思うので他の地域に広がるかどうかは「様子を見てから」ということなのでしょうね。
新しい取り組みは「やってみないと見えない事」もあるに違いありません。
また、利用できるアパレルが4社だけというのも、ちょっと心もとないかなという気はします。試着室や対応するスタッフの人員も必要になるでしょうから、いきなり多数のアパレルが参入するにも難しい点があるのでしょうね。