最近、私が手放したものは「お気に入り」の追求です。もちろん、何か買い物の必要があるときにはある程度のところまでは探しますよ。
けれども、それでも目的にぴったり合うものが見つからないことはあります。そんなとき、以前は「それでも妥協しないで探し続ける」ことに徹した時期があります。当時はそうすることで衝動買いや無駄買いを予防する効果があったというわけです。
ですがそうした手法も、度を超えると別の負担が増すんですよね。例えば、たかだか水を飲むためのグラスなのに、散々探して疲れました。
そのときは気に入った物が見つかったのですが、「買おう」と思ってから、リアル店舗を見たり、通販をチェックしたり、いつしかその行動は楽しいというより負担になっていることに気付きました。
それからです。何か買い物をするときには探す期間を決めることにしました。同時に労力を使わないことにしました。それで100%満足するものが見つからないことはあります。
結果として70点くらいということはよくあります。けれども例えば探す期間を1週間と決めて予算を決めたら後はその範囲で探す時間とそれ以上追求することは終わりにすることにしたのです。
そして同時に、これが結構肝心なことなのですがマイナスポイントをいつまでも根に持たないということです。
例えば70点のマグカップしか見つからなかったとします。そして決めた期間で買ったものがあったら、マイナス30点を気にするのをやめるんです。そのあとは70点の方にだけ意識を向けるようにするのです。
こういう流れでの物選びは、例えば「芸術家が最高の仕上がりを追及して妥協しない・・。」なんて状況ではありでしょう。
でもそれは、芸術家の場合、それにかける情熱とエネルギーがその人の在り方そのものだからこそ、なのですね。
一方で、私たちがついやってしまいがちな「お気に入り探し」と同時にマイナスポイントに目を向けてしまう行為でもあります。
せっかく手元にやってきたものなのに、マイナスポイントにばかり目を向けたらもったいないんですよね。
それって物を買うときだけではないんですよね。普段、私たちが認識する周りの事全てが同じと言えるかも。
最近読んだ本によれば、何かを探す時、どの時点で決定を下せば良いか、という事も実は数学のある法則で最適値を出せる方法があるんですね。
もっと効率よく決断のタイミングを計るのであれば、そうした手法を取り入れることもできるんですね。ところがその本にも書いてあるように、人は選択にセラピストが必要だと考えてしまうのです。
一見、「お気に入り探しはどのタイミングで決定すれば良いか。」という事ですら、実は正確な最適値があるんですね。
つまりは「お気に入り探し」という一見、人の感情に左右されているような行動も実は論理的な決定を出せるということです。
さらにはいったん「探す期間と予算の範囲で決定を下す」手法をとることで感情だけにたよらないで淡々と決定を下すことが可能だという事です。
だったら、なおのこと、お気に入り探しはある程度のところでストップをかけた方が良いし、延々と追求し続けるものでもないということです。
第一どれが自分にとっての100%なのかということ自体が実は曖昧です。だからこそお気に入りを追及すること、言い換えればこだわりは適度なところでストップをかけた方が良いという事ですね。