老後は年金だけでは不足します。つい最近は金融庁の「2000万不足」が話題になっていました。
今回は「では、どうすればいいのか?」の不安と疑問に対策の目安をお話します。
もくじ
- もくじ
- 「老後に2000万足りない」ってどういうこと?
- 夫婦で5万円稼げればいい(ただし現状の場合)
- リタイヤは現実ない
- 「働く」に並行して資産運用をする
- つみたてNISAは投資初心者向き
- まずは、つみたてNISAの口座を開設しよう
- 積立額は少額からでもOK
- まとめ
「老後に2000万足りない」ってどういうこと?
長期、分散型の資産運用が大事
改めてこの話題を、もう一度整理してみましょう。
- 金融庁が報告書を示しました。
- その報告書とは、「人生100年時代を見据えた資産形成を促す」趣旨のものです。
- それによると「定年後に必要な金融資産は夫婦で2000万必要だ。」と試算を出しました。
- つまり公的年金だけでは足りないということです。
だから長期、分散型の資産運用が大事ですよ~。
ということです。
つまり、金融庁が一番言いたかったことは何でしょうか。
それは「2000万足りない」・・ことじゃありませんね。
言いたかったのは、(一般の方も)「長期、分散型の資産運用しましょうね。」ってことです。
つみたてNISAなどを活用してね
例えば国が既に制度を用意したNISA、つみたてNISA、イデコなどを活用して老後資金を今のうちから準備してください。ってことだと私は解釈しています。
不足2000万は会社員だった場合(厚生年金)
さらに、次はもっと驚かせる話と、多少は安堵できるかしれない話をします。
まず、「2000万が老後に不足する」というのは夫婦で無職の場合、かつ、これまで会社員だった場合です。
つまり厚生年金に加入していた場合なら、不足するのが夫婦で2000万だということです。
自営業者やフリーランスは5000万不足
ということは、自営業者とか、フリーランスとか(どっちも同じ意味ですが)無職の場合は2000万どころかだいたい5000万不足すると言われています。
さらに自営業者とか、フリーランスとか(どっちも同じ意味ですが)無職で国民年金未加入とか未払いの場合は5000万では済まない話になります。
不足2000万は夫婦単位
もしかしたら驚いて震えた方もいるかもしれないので、今度は少し安堵するかもしれない話をします。
と言っても、「何もしなくても大丈夫」という意味ではないのですが、「老後2000万不足」というのはあくまで夫婦単位の話です。
住居費は目安
また、住んでいる場所が地方と都心では全然生活費が違います。また浪費をしている人と、つましく暮らしている人とでは生活費が全く違います。
既に住宅ローンが済んだ家があるとか、親から受け継いだ家があるとか、田舎では結構多いのですが、先祖代々受け継いでいる家屋敷があるとかで、家賃にかかる比重が少ないとか(立て替えとか税金の問題はあるにしても)とにかく2000万不足の根拠はあくまで目安だということです。
夫婦で無職でいられる人はほとんどない
さらに老後、全く働かないで年金だけで暮らす人というのは、今後そういないと思うんです。現在、すでに年金を受け取っている年代でも働いている人って多いですよね。
夫婦で5万円稼げればいい(ただし現状の場合)
となれば夫婦で不足の目安とされる2000万を月にならすと、不足するのはひとつき5万円です。裏を返せば夫婦で月5万円稼げばいいんです。夫婦で5万円なので一人当たり2万5千円ですね。
二人で5万というと大きい金額みたいですが、実は固定費を削減するなどでもかなり減らすことができます。
特に現役時代は会社が都内にあれば、通勤圏は当然住まいも家賃が高くなります。けれども退職後は都心に住む必要はありません。となれば家賃を抑えることができます。
また、家賃が高いという事はスーパーの値段も高いのです。これも家賃が低くなれば食費も下げられます。
ただしこれは現時点の話なので、私たちの年代(50代前半)もそうですが、現在20~40代の人ならこの試算はもっと多く考える必要はありますね。
リタイヤは現実ない
となると、リタイヤという概念はなく、働くことがベースになります。ただし働くの意味が幅広くなります。
例えば私がこうやってブログを発信するのも「働く」ことです。好きでやっていることですが、「好き」と「働く」が同時進行できる働き方は今後もっと幅広くなるはずです。
「働く」に並行して資産運用をする
同時に必要なのはお金の扱いです。具体的にはNISA、つみたてNISAやイデコの活用です。
これまで、日本の一般会社員は、なんだかんだ言って銀行にお金を定期で積むことが「普通」とされてきました。
「投資は危ない」とか「素人が手を出すものじゃない。」なんて言われていました。
確かに投資と言っても幅が広いんです。中には素人が手を出さない方がいい物がたくさんあります。
つみたてNISAは投資初心者向き
ですので国は、それを見据えて素人が手を出しても大失敗をしたり、税金面で大損しないように、むしろ優遇される措置を事前にとっていますね。こういう制度を逃さないことは大事です。
そこで最初の金融庁の話のおさらいです。
老後2000万不足にならないために、
長期、分散型の資産運用が大事ですよ~。
でしたね。
この長期、分散型の資産運用に最適なのが、つみたてNISAです。
ある意味2000万不足と不安をあおって、資産運用に向いてほしい意図もチラチラしていますね。
一応、つみたてNISAは若い世代でも取り込みやすく、「どれを選べばいいの?」の迷いにも応えられる構成になっています。
ただし裏を返せば選べる範囲が狭い事でもあります。自由度が少ないですね。この点は注意が必要です。
しかも期間は20年間です。この間、仮に利益が出ても非課税にしますよ。というわけです。
まずは、つみたてNISAの口座を開設しよう
ただし、つみたてNISAなどは、一度始めてしまえば特に難しくはないのですが、最初に少しの行動が必要です。
それはつみたてNISAの口座を開設することです。基本は自分が利用したい銘柄を扱っている金融機関になります。
ですので金融機関を選ぶときには自分が積み立てたい商品があるかを確認しましょう。
積立額は少額からでもOK
積立額は少額からでもOKです。もちろん月1000円からだって始められます。とりあえずは慣れのために、お試しで少額を積んでみてはどうでしょうか。
ここまですれば、あとは基本、普段は何もすることがありません。つまり基本はほったらかしです。
もちろん、実際にどうなっているのか確認する方がいいのは言うまでもありません。
一般NISAとつみたてNISAとジュニアNISAの3種類がありますが、これを読んでいる方であればまずは、つみたてNISAで良いと思います。
もし、途中でお子さんの名義でつみたてをしたくなった場合はジュニアNISAを改めて申し込みすればいいです。
また、一般NISAに替えたくなった場合は一年単位なら変更できます。なのでまずは、つみたてNISAでいいと思いますよ。
やみくもに2000万という金額に驚くのではなく、今、できる対策を着々と行動に移すことが大事ですね。
まとめ
- 金融庁の「老後2000万不足」の意味で大事なことは「長期、分散型の資産運用をしましょう」ってことです。
- 2000万も冷静に紐解けば、足りないのは夫婦で月5万円です。
- ただし厚生年金でない方はもっと不足額は大きくなります。
- 今後、リタイヤは原則ないと思った方がいいでしょう。
- 「働く」 概念は幅広くなります。
- 単なる貯金ではなく国が用意した非課税枠を有効活用しましょう。
- それにはつみたてNISAが手軽です。
確かに2000万と聞けば驚くかもしれませんが、いたずらに不安にならず冷静に意味を紐解くようにしたいですね。
2000万の根拠を知って、実はさほど心配ないケースもありますが、一方ではそれ以上に深刻にならざるを得ないケースもあります。
積み立てNISAに先駆けて一般NISAが出た辺りで、こうした現実はかなり予見されていたと言えます。
同時に「一般庶民の老後のため」の意図もあれば、一方では庶民も資産運用に参加して欲しいという意図も見えます。
いずれの真意にしても、判断するのは自分です。よく調べて考えて判断する癖をつけたいものです。