今回は、「今さら聞けない?」iDeco(イデコ)についてのお話です。
- メリット
- デメリット
- 注意点
についてお話します。
- そもそも iDeco(イデコ)って何
- どうして自分で年金を作らないといけないの?
- iDeco(イデコ)はどのくらい優遇されるのか
- iDeco(イデコ)に加入するかの判断基準
- あえてデメリットを活かす方法もある
- さいごに
そもそも iDeco(イデコ)って何
はじめに、iDeco(イデコ)って何でしょうか?
正確には、確定拠出型年金と言います。
拠出とは相互に出し合うというような意味です。
言ってみれば、iDeco(イデコ)とは自分で作る年金のようなものです。
どうして自分で年金を作らないといけないの?
年金を自分で作ると聞くと、抵抗があると思います。
「どうして私が、自分で年金を作らなくちゃいけないのよっ!」
という抵抗感ですね。
その気持ち、わかります。
年金とは、「これまでがんばって働いた成果報酬みたいなものだという意識」が大きいからです。
確かに、従来はそんな感覚もアリでした。
なぜなら、かつては人口も日本経済も右肩上がりだったからです。
けれども現在はご存知の通り、人口も日本経済も私たちの親世代(現在70歳前後)とは違う状況にあります。
ですので、同じように公的年金だけをあてにする感覚では、足りない状況におかれることになっています。
もっとも、誤解している方が多いのですが、だからと言って公的年金が「もらえなくなる」というのは誤解です。
とはいえ、受け取る金額や支給開始年齢が調整される可能性はあります。
ですので国は、
「公的年金だけではなく、自分で選択した年金を作るのであれば優遇しますよ。だからぜひ、利用して将来に備えて下さい。」
と言っているわけです。
そのひとつがiDeco(イデコ)というわけです。
iDeco(イデコ)はどのくらい優遇されるのか
では、iDeco(イデコ)を利用すると、どのくらい優遇されるのでしょうか。
それは、こんなにあります。
iDeco(イデコ)のメリット
- 掛け金が全額所得控除される
- 運用益が非課税
- 受け取り時に退職所得控除か、公的年金控除できる
一方で、デメリットもあります。
iDeco(イデコ)のデメリット
- 60歳まで引き出せない
- 10年以上運用が必要
- 運用の手数料がかかる
iDeco(イデコ)を利用できる条件
それからiDeco(イデコ)は利用できる条件があります。
現在は、利用できる条件が広くなりました。
ただし、企業型確定拠出年金の加入者は、企業型年金規約でiDeCoに加入できることを定めている場合でなければ利用することができません。
また、年金未納がある人や、60歳以上の人は加入できません。
それ以外の人は加入できます。専業主婦も加入できます。
例えばですが、私の夫は勤務先に企業型確定拠出年金の制度があります。iDeCoに加入が認められていません。ですので夫はiDeco(イデコ)に加入できません。
iDeco(イデコ)に加入するかの判断基準
手数料の事を知っておこう
では、結局のところiDeco(イデコ)に加入したほうがいいのかどうかで迷うと思います。
その場合はまず、見落としがちな手数料の事を知らなくてはいけません。
iDeco(イデコ)は月5,000円から掛けられます。
一見、「5,000円くらいとりあえず、掛けて置こうかな。」と思いますよね。
でも、ちょっと待ってください。
iDeco(イデコ)に加入する場合は、掛け金が少ない場合、メリットが少なくなるので、よく検討したほうがいいのです。
いっぽうで、猶予資金で満額に近い金額を掛けるのであればメリットはあります。
というのも、iDeco(イデコ)を利用するには、初期費用と毎月の手数料がかかるからです。
例えば一番手数料が安いネット証券でさえ、初期費用は2,829円かかります。更に毎月口座管理手数料が171円かかります。
「手数料ゼロ円」とは証券会社の受け取りがゼロ円ということ
カン違いしやすいのはネット証券で大きく「手数料ゼロ円」と書いてあるのでカン違いすることです。
この「手数料ゼロ円」というのは、証券会社が受け取る手数料はゼロ円ということです。国民年金基金連合会と、事務委託先金融機関には合計で毎月171円支払う必要があります。(国民年金基金連合会に105円と、事務委託先金融機関に66円)
ということは、仮に月5,000円掛けたとしましょう。この場合手数料は掛け金の3.42%にもなります。
23,000円を掛けた場合は0.74%です。
自営業者の限度額目いっぱいの月68,000円の場合は、0.25%です。
ということは掛け金が少ない場合、手数料の割合が大きくなります。ですので「取りあえず毎月5,000円掛けておこう」と安易に飛びつくのは考えものです。
ある程度まとまった金額を掛けるのであれば、手数料の割合が小さくなりますね。
iDeco(イデコ)利用のメリットを活かせる条件
つまりiDeco(イデコ)を利用するメリットがあるのは、
- 税金対策
- 勤務先が企業年金に加入していない(厚生年金のみ。将来受け取る年金総額が企業年金分少ない)
などという見方ができますね。
あえてデメリットを活かす方法もある
もっとも、今はつみたてNISAをメインに運用して、ある程度余裕が出たら、猶予資金の一部をイデコで運用することを考えるという手もあります。
また、「60歳まで引き出せない」デメリットをあえて活かすという手もあります。例えばどうしても手元にお金があると「使ってしまう」人です。
こういう場合は「引き出せない」デメリットをメリットに活かしてあえて引き出さないことを活用する手もあります。
また、10年以上積まないと引き出せないし、60歳を過ぎていなくてはいけないということは、現在50代での人でも、猶予資金をあえてイデコで運用する手もあります。
というのは全額所得控除対象になるからです。年齢が50代の人は収入もそれなりの人が多いでしょう。ということは支払っている税金も多いわけです。この場合、サラリーマンは税金を安くする手段が限られています。
そこでイデコで運用すれば税金を抑えることができるので、結果として実質の収入が増えることになります。
さいごに
iDeco(イデコ)はこのように活用の仕方デメリット、デメリットどちらにも転じます。
大事なのは、制度をよく理解することです。
そして自分が何を目的にして、どのようなメリットを活かすつもりなのかを決めてから活用することですね。
国は様々な方法を提案しています。
それらには手放しで乗らない手段はない「ふるさと納税」のような物もある一方で、「これはどうだろうか」と、よく検討と熟知をしなければならないイデコやNISAなどの制度もあります。
理解しつつ活用すれば、数年後には大きな差が出る可能性があります。
よく検討して利用を決めたいですね。