簡単に暮らせ

ちゃくまのブログ。50代アラフィフ主婦。ミニマリスト志向。シンプル、合理的に。家事も家計も整理収納も思考も健康管理も簡単に。

『人生はどこでもドア: リヨンの14日間・著・稲垣 えみ子』書評 書籍感想 ブックレビュー

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こんにちは ちゃくまです。

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  • ミニマルな服と持ち物という視点で読んでもいいし、
  • 人間関係を見直すという視点で読んでもいいし、
  • 女性の一人旅、中高年世代の一人旅、という視点で読んでもいいし、 
  •  フランスへの旅が気になって読んでもいいし、
  • 稲垣えみ子さんのファンだからという理由で読んでもいいし、
  • 自分探しという視点で読んでもいい、

色々な気付きを得られるおすすめの本です。

 

今回紹介するのは、アフロヘアでおなじみの稲垣えみ子さんの本です。

フランスはリヨンで過ごした14日間を著者独自の視点で描いたエッセイ本です。

 

人生はどこでもドア: リヨンの14日間

人生はどこでもドア: リヨンの14日間

  • 作者:稲垣 えみ子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/10/26
  • メディア: 単行本
 

 著者の稲垣えみ子さんは、元新聞記者だし、人生経験豊富そうだし、旅慣れてそうだし、肝っ玉も座っていそう。

 

細かいことは気にしないでガンガン突っ走るような感じなのかと思っていました。というのも、私は稲垣えみ子さんの著書のうち、読んだことがあるのはこれだけだったのです。→もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓

 

少なくとも私が抱く勝手なイメージはそんなものでした。あと、知っているのは「かつて情熱大陸に出演したことがあり、アフロヘアをしている。」・・くらいです。

 

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ところが読み始めて気が付きますが、とても繊細な気質の方なのだと気が付きます。また、相手の優しさも敏感に気付ける感覚をもっていらっしゃいます。

例えば、リヨンで初めに接するアパートの持ち主二コラの何気ない声掛けに大いに感激しています。

また、短期間の暮らしでも「周囲の住人に嫌われないようにマナーを厳守しよう」としたり、街で偶然見かけたおじさんを後から気にかけたり、カフェの何気ない人々の言動に感動したりしています。

 

この作品の中で、特に著者らしさが出ていると感じたのは、「マルシェ買い物必勝法」の項目です。著者が若干、しり込みしていたのはマルシェでどうやって『受け入れてもらえるか」だったようです。

その時に役に立ったのは、現在の住まいでの「銭湯デビュー」だったという箇所です。結局のところ、「裸の付き合い」で大事なのは「いかに感じよくふるまうか」に尽きるそうなのです。

常連さんたちは、そうした何気ない言動をよく見ていると言います。はじめ、著者はなかなかマルシェで受け入れてもらえてない感があったため、

「銭湯おばさん攻略法」を応用して改善策を考えてみた。

というのです。結果、本には具体的な行動が書かれているのですが、ざっくりまとめると

  • お店の人の身になって買い物をする
  • 買い物は応援であることを意識する
  • とにかく何かしゃべろうと頑張っている意志表示をする
  • 相手の言うことを聞く

です。

銭湯ライフ(人間関係)は世界共通なわけです。リヨンだから特別というわけではない。ただ、日本はスーパーコンビニなど、不愛想でも違和感のない場所が多いのでこうしたことを忘れがちです。同様に、そうした基本に気付ける鋭い感性は、稲垣えみ子さんならではだと感じました。

 

ワインを買ったお店で著者は、「ワインに詳しくない人(著者は謙虚にそう表現)にもあなどらずにその人に合うワインを的確に選べる力量」に関心するという体験をします。

そしてついに8日目にミラクルが起きたと喜びます。著者は、毎朝行く「カフェ修行」で常連として受け入れてもらうことに成功して感激します。もちろん、「銭湯デビュー」の法則を活かしつつの、著者の持ち前の礼儀正しさや振る舞いの全てが功を奏して伝わったのでしょう。

同時にマルシェでも推薦を笑顔で売ってもらえたことに感激します。これこそ

「本当のお買い得」というのでは?

と締めくくっています。さらになぜか水仙を買ってからすれ違う人がにっこり笑いかけてくれるというのです。

 それからミニマルな暮らしが好きな私が注目したのは著者がリヨンに持ち込んだ服の話についてです。

  • ライダーズジャケット
  • マフラー
  • セーター3枚
  • ニットパンツ
  • スウェードのミニスカート
  • チノパン
  • (靴は登山靴1)

著者が2週間の暮らしに持ってきた服です。

すくなっ!と思うのですが、ここから最終的に1セットになる経緯が書かれています。

 

 著者は東京で既にミニマムな暮らしをこころがけていて フランス人は10着しか服を持たない (だいわ文庫 D 351-1)レベルの暮らしだと公言なさっています。

ところがその著者でさえ、実際にフランスに着て驚いたのは、「フランス人は10着しか服を持たない」どころじゃない!というのです。

みんな毎日毎日、全く同じ格好してる!

しかもめちゃくちゃかっこいい!

ボトムはスリム一辺倒だったそうです。そしてついに著者は着る服を1つに絞ったそうです。

最終的に絞ったのは

  • スウェードのミニスカート
  • 茶色いセーター

連日こればっかりだそう。

結果、浮いている感じもなくなり、楽ちんだというのです。

ミニマリスト的な話題を発信している私ですが、確かにまだまだ甘いと気付きました。とはいえ、選択の頻度などを考慮するとどうしても最低でも各シーズンセットは必要になってしまうのですが・・。 

最後に、アパートの持ち主二コラへの感謝の気持ちが綴られています。同時に、感謝の意を込めてレビューを書いたところ、二コラから

「私はエミコをゲストとして心から推薦します!」とかいてあったのだ。

のです。初めはこれが、どんな効力があるのかピンとこなかったそうですが、新たな居場所を作ってくれたことに気付くんですね。

旅といえば、たいていは珍しさとか、グルメとか、土産品とか、名所などが前面の印象に据えられるものです。

確かに、そうした魅力もあります。一方でこの本にあるように「人に喜んでもらうこと」を求める旅という視点は新発見です。

喜んでもらうという視点は、自分も嬉しいし、相手もうれしいこと。つまりみんなが幸せな気持ちになれることです。

確かに自分だけが嬉しくても、周りの人が嬉しくないのであれば、それは真の嬉しさではない。

とはいえ、著者は最後に冷静に自分がこれまで綴った事柄を手厳しくまとめておられます。まるで手厳しいレビュアーが言いそうな冷淡な表現で。

 けれどもそれを振り切るかのように言い切ります。

世界は主観でできているのであります。

、と。

同じような体験をしても、ここまできめ細かい感性で言語化できる方はそういないのではないでしょうか。

しかもその言語化される内容は暖かく、クスリとほほ笑む事が出来る余裕があります。

最後に印象に残った一文はここ。

いつもやっていることを、一生懸命やればよかったのである。

何となく変化のない日常に疑問を覚えているような方がいたら、ぜひこの作品を読んでみてください。おすすめです。

 

他の作品も読んでみたいと思いました。

 

ごきげんよう。