簡単に暮らせ

ちゃくまのブログ。50代女性ミニマリスト。合理的な家事、少ない服で暮らす、家計管理、お金、捨て作業のコツ。好きなことをして生きる暮らしの追及

『安いニッポン 「価格」が示す停滞 』書評・書籍感想



こんにちは ちゃくまです。

はじめに

突然ですが、

  • 東京ディズニーランドの入園料
  • 100円ショップダイソーの値段
  • 回転ずしの値段
  • ビッグマッグの値段
  • アマゾンプライム会員年会費

・・などの値段をどう思いますか?

  • 高い
  • 妥当
  • 安い

それではこれらの値段は、世界では日本よりも高いと思いますか?それとも安いと思いますか?正解は「もくじ」の後にあります。

もくじ

 

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安いニッポン 「価格」が示す停滞 (日経プレミアシリーズ)

日本は「安い」から外国人が来るようになった

「はじめに」の質問の答えは「高い」です。つまり日本の値段と比べて、世界各国の値段は日本よりも高いのだそうです。

でも、そう言われてもこう思いませんか?

「ああ、それは北欧とかせいぜいアメリカとかの先進国の場合でしょ?アジアは日本より安いんでしょ?」

残念ながら答えはNOです。悲しいことにNOなのです。先進国はもちろん、アジア各国でさえも、日本のほうが安いのだそうです。夢の国でさえ、世界で一番安い国になってしまったらしいのです。

現在はコロナで中断していますが、数年前から日本には外国人、特に中国人が観光に多く来るようになりましたよね。

あれはどうしてかというと、日本に多大な魅力があるというより、「安い」から来るようになったらしいのです。

「なんでも一番」から一転「最下位の国」へ

私は50代前半の昭和生まれです。子供のころはテレビのニュースを見ると何かにつけて、「日本が一番」というデータを目にしました。学力もそうだし、家電も車も日本の技術が世界最先端を行っていました。つまり日本は「お高い」国でした。

ところが気が付けば、一番どころか世界の中でもモノの値段が最下位に位置しているわけです。普段私たちは一円でも安い買い物をしようと思っています。

そして一円でも安く買い物をできると喜んでいます。けれども、この本を読み進めるにつけて、

「それって本当に良いことなの?」

という現実に気が付きます。

どういう生き方をすればいい?

同時に、沸きおこる疑問は、

  • 「どうしてこんな国になってしまったの?」
  • 「何が原因なの?」
  • 「私たちはどういう生き方をしていけばいいの?」

という3つの視点です。

 

 どうしてこんな国になった?

本書によれば、最もたる原因は賃金が上がらないことにあるそうです。賃金が上がらないと人々はモノを買う力が起きません。

では、なぜ賃金が上がらないかというと、

  1. 労働生産性の停滞
  2. 賃金交渉メカニズムの欠如

が原因だとのことです。

生産性の低さ

さらになぜ、労働生産性が停滞しているかというと、価格付けの安さにあると指摘しています。一方で生産性が低い日本対極の事例にドイツの事例が挙げられています。

ドイツの生産性が高いのは、ブランド価値を保ちつつ、安易に値段を下げないことが結果として生産性の高さに結びついているようです。

日本の製品は高品質ですが、その割に正当な価格付けをしておらず安く売りすぎてしまったのでしょうね。

日本は「お客様は神様です。」の意識が多いのか、注文が入るとそれに対応しようと休日返上、サービス残業・・といった結果になり、生産性の低下というスパイラルにはまったようです。

賃金交渉の習慣がない 

また、日本には、賃金の価格交渉をする習慣がないことも大きな問題だそう。戦後は機能していたけれども、以後はさっぱりなのだそうです。

そういえば私が子供のころ、漫画サザエさんのは「ストライキで休み」の漫画がありました。確かに以後は全く聞きません。 

これからどう生きていけばいい?

それでは私たちは今後、どういう意識を持ち、生きていけば良いのでしょうか。この本に書いてあることをまとめると、結論としては節約よりも収入を上げることを重点的にしていく生き方の選択が必要です。

お金をうまく回すには収入を増やすか、支出を減らすかの2択があります。景気が停滞していると、支出を減らすことに意識が向きます。

確かに節約は有用ですし、収入を増やすには行動を起こさなければなりませんが、節約は行動しなくても実現可能です。ですから多くは節約を推奨する情報が目につきます。

けれども世の中を俯瞰すれば、節約などの現状維持だけでは今後の対策にならないようです。もう一歩踏み出す工夫が必要といえます。

生産性を高める生き方が不可欠

けれども例えば日本全体が節約志向に向いた場合はいったい、どういう結果が待っているのでしょうか。

日本では、「もう経済成長は要らない」という考えがもてはやされる傾向にある。しかし、より合理的な働き方で時間あたりの生産性を高めることが、新しい雇用機会を増やし、生活を豊かにする基本的な方向である。八代尚宏(昭和大学・副学長、米メリーランド大学経済博士他)

・・と本書にあるように、合理的な働き方をすれば、人が幸福感と仕事を並行することは可能なのではないでしょうか。同時に従来型の非生産的な働き方では劣悪な労働環境であったのに対し、これからの生産的な働き方とは、人々の幸福に直結することです。結果として経済成長が全体の幸福と同意義にもなるわけです。

この本はこんなかたにおすすめ

この本は、将来の収入に不安を感じ、自分がどういう働き方をすれば良いのか先が見えなくなっている方におすすめします。

一見、日本が置かれた暗い現実と安い現実を垣間見ることになるので、面食らう方もいるでしょう。けれども本書を読み進めるうちに、原因と解決策、そして生産性が良い諸外国はどのような方法で実現しているかを把握することができます。結果として自分は、どのような方向性で進めばよいかを知ることができます。

この本の読みやすさなど

この本は新書ですので、本のボリュームが程よく、通勤時間や隙間時間に気軽に読み進めることができます。また、おなじみのディズニーランド、スタバ、マック・・といった企業を例に挙げられているので、背景をイメージしやすい点も読みやすさの要因です。

著者などんな方?

この本の著者である中藤玲(なかふじ・れい)氏とは?

日本経済新聞社 企業報道部記者
1987年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、米ポートランド州立大学留学。2010年、愛媛新聞社入社、編集局社会部(当時)。2013年、日本経済新聞社入社。編集局企業報道部などで食品、電機、自動車、通信業界やM&A、働き方などを担当。

アマゾン著者ページより引用

さいごに

コロナでさらに世界中の動きが目まぐるしいですが、変化はチャンスと前向きにとらえていきたいですね。

本書を読んで、世界における日本の位置を知ることで、自分がどのような方針で生きればよいかを知る良い指標になる本です。

特に春は新生活でこれからの方針を模索中の方も多いはずです。読むタイミングとして今は最適です。