はじめに
スタートすることばかり注目されるNISA、つみたてNISAですが、非課税期間がNISAの非課税期間が終わったら、どうすれば良いのでしょうか。
ちなみにですが、NISAは現行は2023年に終了しますが2024年からは二階建て制度に変わります。(新NISA)変更内容は、一階建て部分が20万、2階建て部分が102万円(合計122万)の非課税枠となります。
NISA非課税期間終了後の選択肢は3つ
はじめに結論を言っておきますね。一般NISA(以後NISAと表記します)の非課税期間が終了するタイミングでの扱いには3つの方法があります。
- ①ロールオーバーする
- ②一般口座(課税口座)に移す
- ③売却する
ちなみにNISAのオールオーバーとは、非課税期間の延長のことです。
一般NISAの非課税期間は5年です。期間が終了したものは、どう扱えば良いのでしょうか。
※非課税期間終了後、放置するとどうなる?
非課税期間を過ぎても、放置するとどうなるのでしょうか。この場合は、もれなく課税口座に移動されます。
この場合、利益が出ているとロールオーバーすれば非課税だったはずが、課税口座に移動したことで課税されてしまうことになります。
(ロールオーバーが適切な選択肢とは限りません)
①非課税期間終了後、ロールオーバーするケース
ロールオーバーする場合、利益が出ても全額繰り越しできます。
ロールオーバーは非課税期間終了までに手続きが必要です。
同一の金融機関のみ可能です。
以前は非課税枠に上限額が設けられていたので100万円を超える部分は非課税になりませんでした。でも現在は利益が出た分を翌年まで繰り越しできます。
ただし注意点があります。ロールオーバーで満額を利用した場合、追加で投資はできません。
ただし損失が出て120万以下の残額があれば、追加の投資は可能です。
ロールオーバーを選択するなら、利益が出ている場合ですね。損失が出ているなら、ロールオーバーする意味がありません。
②非課税期間終了後、課税口座に移動するケース
課税口座に移動するなら、
- 損失が出た
- 今後利益が出そうにない
- もっと利益が出る商品にNISAの枠を譲り渡したい
というケースです。
理由は課税口座に移動することで、確定申告で損益通算できるからです。損益通算は3年繰り越しできますので、損失が出たら忘れないようにしましょう。
移管以降、利益が出たら課税されるので注意
ただし、注意点です。移管は新規購入の扱いになります。移管以降、利益が出たら、NISAスタート時より値下がりしていても、課税されます。
③売却するケース
利益が出ても、今後成長が期待できないとか、もっと成長できそうなものがあれば、これまでの商品を売却するが無難、という見方もあります。
この場合はロールオーバーせず課税口座に移し、ほかの商品に非課税枠を明け渡すというイメージです。
同時に、値上がりの見込みがない場合は、売却で利益を確定させてしまう視点もあります。
非課税期間後の扱い判断はけっこう、めんどうくさい
スタートはある意味始めるだけで良いのですが、非課税期間が終わった時の段取りは注意が必要ということがわかりますね。
うっかり放置すると自動的に課税口座に移されるので、適切な手段を選べば払う税金が少ないかゼロで済むものも、支払うことになるケースがあるというわけです。
また値上がりの基準も、移管するとその時点でスタートしたことになる点も注意です。上がって下がっての繰り返しのような場合は、その後の課税と非課税がどう変化するかを見極める必要がありますね。
さいごに
こうして面倒くさい話を知ると「だから投資なんて嫌」と思うかもしれません。けれども私はこう考えます。「面倒を通じて、新たなことを調べたり覚えたりする良い機会だ」と。
どちらが良いかの判断は人それぞれですが、はじめは面倒と感じたことも回を重ねれば何ともなくなるという視点もあります。人として暮らしている以上、面倒はまわりまわって簡単なことに変化する瞬間があります。これこそが「簡単」の本来の意味だと思うのです。
頭の中が真っ白で何も考えなくても良いのが「簡単」ではない。そう思います。そしてその過程こそが「面白い」「楽しい」につながります。
※ここに挙げたことは多様な選択肢のうちの一例です。投資はご自身の判断でお願いします。