効率的な時間の使い方は、今にして思えば、苦手な給食時間の牛乳のおかげです。もちろん、当時はそんなことは思いしませんでした。
今も子供の頃も牛乳が苦手です。基本的に食べ物の好き嫌いは少ないのですが、牛乳だけは別です。子供の頃は苦手でも給食には毎食登場します。しかも、残すことは許されません。下手をすると苦手な牛乳のせいで他の食事も進まずに「給食時間が終わっても、ひとり残されて食べさせられている人」になる恐れがありました。(当時は実際、そうされていた人がいました。)「それだけは絶対に避けたい!」子供ながらに必死でした。
そこで、私がとった方法は給食時間を何段階かに区切って、その範囲で自分で決めたノルマまでの間に牛乳を飲む方法です。もちろん、それは私の頭の中だけの秘密(というほどでもないけれど)です。
具体的に説明します。給食の時間は、だいたい「いただきます。」と言ってスタートしてからみんなが食べ終わり立ち上がるまでの時間がおよそ15~20分ほどと把握していました。
牛乳瓶には模様として横に太いラインが入っていました。そのラインを目安に牛乳をおよそ4つの量に分けます。図にすると、こんな感じです。
さらに、「なるべく味の濃いおかずは『保険』として牛乳を飲み終わるまで少し残しておくことにしていました。最後に牛乳を飲むのが苦しくなった場合、味の濃いおかずを口にすれば何とか気が紛れるからです。それがないと吐き気がするのでかなり厳しくなり、それ以上、飲み進められなくなるので注意していました。
さらに、この4段階を時計を見ながら飲み終える目安を見ていました。「全部飲まなくちゃ」と思うと気が重いけれど、なるべく短く間を区切って「何分以内にここまで。」なら、何とか可能になるから不思議です。
給食開始後5分以内に第二段階まで牛乳を飲み終えることにしています。すると、みんなが給食を食べ終えるまで残り10分~15分です。さらに第三段階までを給食開始から10分以内に飲み終えます。第四段階まで残り5~10分です。
このように段階化すると「いつもよりペースが速い。順調順調♪」とか「ちょっとペースが遅い。もう少し飲むスピードを上げないと。」ということがよくわかるんです。
それで何とか無事に完全に飲みきることができていました。これを小学校から中学校まで9年間。長かったですね。この方法は小学校一年生の当初から無意識にやっていました。なのでみんなより遅くなって困ったことは一度もありません。
そんなことで変に目立ってしまっては意外に子供同志の視線は厳しいですからね。そんなことで長い学校生活をしくじらないように密かに要領を得ていました。
この方法は、思えば今も役に立っています。苦手な牛乳のおかげで、制限時間内に終わらせるコツはこのときに習得しました。ポイントをまとめると、時間は何段階かに区切ることです。その区切った範囲に完了することを目指すとどのくらい急げば良いのか、それともまだ余裕があるのかの判断が付きやすいのです。
何も考えずにスタート時間と終了時間にしか注目しないと、自分の行っていることが早いのかちょうど良いのか遅いのかが見えにくいですね。いくつかに区切ることで途中で調整できるようになります。