「書を捨てよ。町へ出よう。」も大事だな,と思うようになり、以前よりかなりペースダウンして本を読むペースも量も激減しました。
これまで持っていた本を全て保管していたとしたら、想像がつかないのですが、あり得ない量になっていたかもしれません。これらの本はその都度こまめに処分しながら買ったり処分したりを繰り返してきたわけです。なので、手元に本がないために自分がこれまで何の本を読んだのか、それぞれがどんな内容だったのかを思い出せるわけではありません。
(イメージです)
たまに「何かに書いてあったなあ。」と調べてヒットすることもありますが、思い出せないままになっているものもかなりあります。これらの経験はムダで意味がないのかというとそうではありませんね。いろんな事に役立っていると思います。と言っても私は目的があって本を読むことは少なく、だいたいはその時気になったものを直感で単なる好みで選んで読んでいます。
なので「役に立つ」の意味が一般的な物とは少し違うのですが、ずっとわからなかったことが、ある時、突然「あ、あれとこれが同じなんだ。そうか、そういうことだったんだ。」という瞬間が訪れるときがあります。このときの「あれとこれ」は例えば10年前に読んだ何かの本と、昨年読んだ何かの本と、最近テレビで見聞きした何かのエピソードが一本の糸になって繋がって一見、何の関係もないことが関連性を持って意味のあるものへと通じる瞬間のことです。
こういうことは本を捨てて手元になくて、何で読んだのかメモをしていなくても可能なことです。このような瞬間こそ、本当に大事なものとは「物」で保管する必要もなく、「物」がなくなっても自分のなかから消えてなくなることはないのだと痛感して喜びを感じる瞬間なのです。