「ちょっといいかもしれない。」
と思うバッグを見かけました。
「場合によっては買ってもいいかも」
と一瞬考えました。ただ、外側にもうひとつファスナー付きポケットが欲しかったのですが、そのバッグにはありませんでした。
少し迷っていると、店員さんが寄って来て、説明をし始めました。実際に物は良かったのです。けれどもその時、財布の中に入っている現金は、そのバッグの価格に少し足りないことがわかっていました。
「すぐ買えない」と購買意欲は低下する
クレジットカードは自宅に置いていました。(私は通常、使う可能性のある時しかクレジットカードは持参しません。)けれども、どうしても買いたいならば、近くのATMで現金を引き出せば買えます。けれども、不思議なもので、「財布に現金が入っていない」と思うと、途端に購買欲がみるみる低下したのです。
いったん、店を出て通販の販売があるかを調べてみました。扱いは見つかりました。そこで「どうしても欲しければ、通販で買う事も出来るし、またここに買いに来ることはできる。とりあえず、今日は見送ろう」そう考えました。
ところが、それから5分も経過すると「そもそも外ポケットがないものはダメ」という結論方が強くなりました。つまり、全く「買う」に値しないという結論が迷いなく出たのです。けれども、あの時、すんなり買う事が可能であれば、財布に入っているお金が足りていれば、クレジットカードが財布に入っていれば、買っていたかもしれません。
「必要」「欲しい」は幻想のことがある
つまり、本当に買いたいから買うのではなく「買える状態にあるから買おうとしていた」のです。もし、私がクレジットカード払いをメインにしていたら、きっとそのバッグを買っていたことでしょう。「現金払い派」にしていたために無駄遣いをセーブできた例のひとつです。
こんな感じで、しばしば私たちは、「必要」「本当に欲しい」というよりも「買う」という娯楽を実行していることがあります。つまりはお金を使うこと自体を娯楽にしているのです。
これが現金の場合、持っている金額に応じて自動的にセーブがかかります。ところが、クレジットカードの場合は、利用限度額以内であれば際限なく買い物が出来てしまいます。
無駄にお金を使わないために重要なことが、ひとつあります。それは、出口を限りなく狭くすることです。ところが最近は、「便利」なシステムが多いので、「出口」がいくつもある状態です。
お金の出口を減らす
昔はお金の出口は主に現金を使う事だけでした。ところが現代は、出口がひとつではありません。銀行振り込み・引き落とし、クレジットカード、電子マネー、プリペイド式カードなど多様な「出口」があります。
デメリットも踏まえたうえで的確に使う分には問題ありません。けれども、「カード」と名の付くものの扱いには注意する必要があります。
これらはすべて現金以外の決済のシステムです。つまり、数字が行き来するだけなので実際に「使っている」実感が沸きにくい欠点があります。もっとも現金のデメリットを補う面があります。
だからうまく活用するなら構わないのです。けれども基本的に「カード」はお金の出口です。つまりカードの数だけお金の出口がたくさんある状態にあると言えます。
お金が無限にあるなら、これほど便利なものはありません。けれども、普通は所有しているお金には限界があります。そのため使い過ぎには注意しなくてはいけません。
「現金払いは格好悪い」という刷り込みは無視する
さらに、「今時、現金で支払うのは格好悪い」とか「クレジットカードでスマートに支払う事が格好良い」というイメージ乗せられる必要はありません。もちろん、交通系電子マネーにある程度のお金をチャージしておき、客の往来の多い駅周辺のコンビニ等で使うなど臨機応変に使う必要性はあります。
便利なものは使いやすい
もちろん、クレジットカードのシステムを否定はしません。現実問題として、現金を持ち歩くことは防犯上の問題があります。また、現金を引き出しに行く手間、数える手間、会計時に時間がかかる、小銭が増える等の現金の欠点を補っています。海外などでは現金より圧倒的にクレジットカードの方が安全に使える確率は高いでしょう。
現金は使いにくいから無駄遣いしにくい
確かに現金での決済は時代遅れかもしれません。同時に面倒です。けれども裏を返せば、面倒で不便で使い勝手が良くないからこそ、使いにくいといために無駄遣いをしにくいというメリットに転換される特徴があります。
日常範囲であれば、「無駄な買い物をしない」という点に重きを置いた場合、やはり圧倒的にクレジットカードを使わず、現金払いをメインにしたほうが無駄な支出をしないで済みます。理由は、財布に入っている現金の範囲でしか買い物ができないからです。
さいごに
クレジットカードの利用は必要最小限にする方が、衝動買いなどによる無駄な買い物を防ぐことができます。クレジットカード以外の電子マネーも同じです。たとえ現金でチャージをしていたとしても、一度カードに入金されてしまうと、やはり安易に使いやすくなります。
最近は大手スーパー独自の電子マネーが増えています。これによって、ますます出口は増えます。
不便で使い勝手が良くない現金ですが、だからこそブレーキが効くのです。つまりはお金の出口が狭くなる事です。出口が狭くなれば、出て行くお金が減ります。
何でも便利であれば良いかというと、そうではない面もあります。特にお金に関する事は、不便である方が支出を制限しやすいという効果もあるのです。