乾物は価格が安定しています。野菜が高騰してもいつもと同じ予算で買えます。常温で保存できるし、余計な添加物が入っていません。
だから普段の食事作りに取り入れると節約や買い物の手間を省けるので便利です。
でも「作るのが面倒」と敬遠していませんか?今回は乾物4種を使った食事造りの段取りを紹介します。
大豆、干しシイタケ、切り干し大根、ひじきを使いました。ついでに今回の調理とは関係のないものも下ごしらえしたものも含みます。
乾物は価格が安定しており安全な優秀食材
「戻す」手間は前日に冷蔵庫へ・・で簡単
乾物を使うコツは「前日の夜に浸す」をうまく活用する事です。ついでにだしの出る昆布やシイタケも水に浸して戻し汁を使えば、化学調味料や麺つゆに頼らず済みます。
まず、大豆は一晩水に浸す必要があります。調理は翌日にすることにしたので、前日の夜に準備をしておきました。
炊事の手間は出来るだけまとめて楽に
炊事は、毎日イチからその日の分を作っていた場合、洗う・切る、浸す・下茹で、煮る・焼くなどのそれぞれの時間はバラバラです。
スタート時が一番時間とエネルギーを使う
どんなことでも、スタートして動きが軌道に乗るまでの労力と時間が一番かかります。例えば車もそうです。特に冬は、冷え切っているエンジンをいきなり動かそうとしてもエンジンがかかりにくいこともあります。そのため、しばらくエンジンをかけて車のエンジンを温めたりします。
一度、温まったエンジンはスムーズに走り出せます。ところがまたしても普通の車は、走り出す瞬間に一番エネルギーを要します。頻繁にブレーキをかけたり、車の速度を上げたり落としたりを繰り返すと燃費が悪くなるのはそのせいです。
けれども、一度走り出してある程度のスピードで走っている車は、燃費も良くスムーズに動くことが出来ます。
炊事も開始時が一番大変だから手間を「まとめる」
炊事に要する手間も、それと同じです。毎日、「さあ、調理を始めよう」とする瞬間に一番エネルギーを使うのです。
- 気分的な物
- 食材の出し入れ
- 道具の出し入れ
- 後始末
- 片付け
- 手間
全てが車のエンジンと同じく開始時にエネルギーと時間がかかるのです。そこで、ある程度この工程をまとめてしまえば、「軌道に乗って安定した速度で走る車」と同じくトータルの手間をカットできます。
例えば、洗う、カットするをできるだけまとめて、作業するほど楽になります。
- 手を洗う
- 食材を出す、洗う、ザルにあげる
- まな板、包丁を出す
- カットする
- 下ゆでの鍋を出す
- 下ゆでする
- ざるに空ける
- なべ、包丁、まな板を洗う
ところがこの作業を、その都度行った場合は毎回、手間が必要です。なので、例えば3日分まとめればこれらが3日に一回の手間で済みます。日々の調理は、最後の仕上げだけで済みます。
食事の支度は同じ作業をまとめるほどに楽になる
(洗う、カットする、水気を拭く、下ゆでをまとめました)
イメージとしては下の図のような感じです。横の枠が、まとめて調理するところです。
必ずしも、一週間分をまとめる必要はありません。主に「買い物単位」で良いです。例えば二日に一回買い物するならば二日分、三日に一回なら三日分、五日に一回なら五日分という感じです。
また、必ずしも買った食材を全部下ごしらえしないといけないという事もありません。例えば、いろんな食材のうち、すぐに調理しないと変色するものや、ゴボウなど、ちょっと手間がかかるもので「いまはやりたくない」と思うものは翌日に回してもいいのです。
例えばある日の炊事の準備です。この日、冷蔵庫にはまだゴボウがあります。本当は処理をして冷凍すればいいのでしょうが、その日はやる気がしないので、後日に回します。それでいいんです。
つまり、その日できる労力の範囲で構わないということです。
ある日の、乾物を利用した調理の段取りの例
前日の準備
この日、下ごしらえをしたものは次の通りです。
- にんじん
乱切り→冷凍
千切り・・翌日切り干し大根に使用
角切り・・翌日五目豆に使用
- こんにゃく一枚を角切りと太めの拍子切り
- 油揚げ・・熱湯をかけて太めの千切り
- 他の野菜、洗ってキッチンペーパーで拭いてカット(冷蔵保存)
- しいたけ・・空き瓶に水を入れて冷蔵
- 大豆・・鍋に水を入れて冷蔵
- 昆布・・カットして水を入れて冷蔵
昆布・・2センチ幅くらいの物と1センチ角くらいにカット
干しシイタケ・・コーヒーの空き瓶に水を入れて冷蔵庫に
(水が少ないのは、翌朝に戻し汁を使用後に撮影したからです)
瓶はコーヒーの空き瓶がちょうどいいです。わざわざおしゃれガラス瓶を買わなくても大丈夫。ただしフタの内側が紙になっている(?)ので、衛生面を考慮してラップをかぶせてから蓋を閉めています。
大豆・・軽く洗い、鍋に水を入れて、冷蔵庫にいれました。(写真撮り忘れ)
昆布・・1センチにカットした昆布を水に浸して冷蔵庫に入れました。(写真撮り忘れ)
当日の調理
大豆を火にかけます。
中火で煮ますが、沸騰し始めたら弱火にします。
灰汁をすくい取ります。
大豆をゆでている間に、ヒジキ、切り干し大根を洗って水に浸す
ひじき、切り干し大根は前日浸すわけにいかないので、当日に行います。大豆をゆでている間に作業します。
切り干し大根、五目豆を煮る時に、シイタケと昆布の戻し汁を使いました。(前日水に浸して冷蔵庫に入れて浸しておいたもの)このようにすると、市販の麺つゆとか、化学調味料を使わずに済みます。同時に食べることもできるので一石二鳥です。
保存、他
大豆は、小分けして冷凍保存します。ジッパー袋ではなく、ポリ袋でも十分です。(ローコスト)ちなみに袋の口はスッと引くだけでほどける結び方にしています。
一部小分け冷凍して弁当のおかずに取り分けました。冷凍食品を買わずに済みます。
ちなみに、この日、しいたけはまだ調理していません。五目豆や切り干し大根に入れても良かったのですが、次の調理に使います。
大豆のゆで汁は、冷ましてペットボトル500ml一本分だけ保管して、次の調理に使います。(みそ汁など)栄養分がたくさん出ているので、少しでも無駄にせず活用します。
大豆は、今回残りを冷凍しましたが、味をつけておつまみや豆菓子としておやつにしてもおいしいです。おつまみの豆といえばピーナッツですが、カロリーが高いし中国産がほとんどですよね。国産大豆を買って今回のように使いまわせば、いろいろ活用できます。
まとめ
- 買い物単位で炊事の手間は出来るだけまとめると楽できる。
- 乾物の「面倒くささ」である「戻す」作業は前日に行い冷蔵する。
- 戻し汁を使えば、化学調味料を使わなくて済む。本体は食べられる。
- 切り干し大根、ヒジキの戻しは当日、他の調理の合間を利用。
- 野菜などのカットは前日にしておくと翌日の調理は簡単。
- 大豆のゆで汁は味噌汁などに利用。
- 大豆は小分けして調理しても冷凍しても、おやつにしても。
食事の支度は、複数の作業をできるだけまとめて行うと手間が減ります。また、一見、面倒に思える乾物の「戻す」手間も前日に浸し冷蔵庫に入れて置くだけですから意外と簡単です。
乾物は価格が安定しており、添加物を含みません。日本ならではの優秀食材です。生の食材と組み合わせて活用していきたいですね。