生活雑誌「暮しの手帖」の定期購読を始めました。(一冊ずつの購入も可能、一年コース〈6冊〉と6か月コース〈3冊〉があります。)一年コースを申し込みました。
早速届いた初回の2016年10-11月号の84号を手にしました。紙面は広告が一切ないので落ち着きがあります。画像や文字の雰囲気も昭和レトロは雰囲気がどことなくあります。
料理はから揚げ、サンドイッチ、野菜炒め、サンマの特集です。どれも一見、「今さら?」と思いそうになりますが、とんでもありません。
知ってるつもり
改めて丁寧な図解と分かりやすい画像が添えられています。改めて「わかっているようで、適当に作っていた日常の普通の料理」のコツを知る事ができます。
最近は料理と言えば時短とか、簡単にとか、見た目重視とか、流行の料理の特集を目にすることが多いですよね。でもこの雑誌で今回紹介されている料理はどれも「今日にでも試せる」ようなものばかりです。
例えば「野菜炒めの作り方」
ちょっとしたこと、例えば野菜炒めなんて「ただ材料を切って炒めるだけでしょ。」と思いがちですが、実はそうではない事に気づかされます。
- 既に知っているつもりの事を実は知らない。
- 当たり前と思っていることを間違えている
- 誰でも作れると思っているけれど、正しい方法を知らない
例えば野菜炒めにしても、「あ、こうすれば良かったんだ。」という気付きが満載です。
炒めるときは、両手を使って。 過程では「炒め物=鍋をあおる」という固定概念を捨て、フライパンをガス台に置いたまま炒めます。利き手に菜箸、もう片方の手に木べらを持って、両手を使って食材をよく混ぜます。
というのがコツだそうです。(これ以外にもコツがたくさん紹介されています。)
例えば「毎日の味噌汁」について
今月号から開始した連載「土井善晴 汁飯香(しるめしこう)のある暮らし」で第一回は味噌汁について。それによれば味噌汁にダシはいらない。
インスタント並みの手軽さで、自然の恵みを毎日味わえる。
本文によれば、「その時ある物を具材にするだけ」だそうで、紙面には土井善晴氏が自宅で食べた味噌汁が画像で紹介されています。こういうのを見ると家庭の味噌汁は、「こういうのでいいんだ。」と同感。ほっとします。
家庭の料理で大事なの「当たり前、普通」を知ること
家庭の料理で大事なこと、本当に私たちが知らなくてはいけないこととは、こういうことなんですよね。
「ただの野菜炒めなのに、おいしい。」
こういう事が家庭料理に大事なんです。
「暮しの手帖」を長期保存する人が多い理由
この「暮しの手帖」を昔から愛読している方が、捨てずに保管し続けている理由がわかります。一過性ではない不変のコツ。そういう事が丁寧に書かれているから、月日が過ぎても情報が古くならないのです。
さいごに
少し前に、飛び飛びに何となく観ていたNHK朝の連続ドラマ小説の「とと姉ちゃん」ですが、その日の朝は土曜日で、たまたまリアルタイムで観ていました。番組が終わると、ナレーションにより「暮しの手帖創刊号」が紹介され、その経緯などが紹介されていたのです。
そのあと、たまたま立ち寄ったところで偶然にも、さっきテレビで観たばかりの「暮しの手帖創刊号」原本をこの手で見る(読む)機会に恵まれました。
http://kurase.com/2016/07/20/kurashino-tetyo/
「信じられない偶然もあるものだな。」と思いつつ、本気度が半端ない雑誌のパワーに驚いたのです。雑誌と言えば普通は読み捨てられるものです。月日が過ぎれば古い情報は「価値がない」として読み捨てられ存在も忘れられます。
ところが「暮しの手帖」は、今だ現存して、何十年も前の創刊号のページをめくる機会に偶然恵まれるとは。
雑誌が「その場限りで読み捨てられるもの」という概念があると同じく、家庭の暮らしの工夫も「たいした価値がない」「お金にならないからできるだけ避けるのが得策」という価値観が日に日に大きくなる今日この頃です。
でも、時短すべきは本来、「家事以外のこと」です。家でじっくり暮しを堪能するために、家事以外のことをするのであって、家事が二の次ではないはず。
もちろん、苦手な家事、できれば避けたい種類の家事はあります。でもそれは、主に主婦が一人でやっているからです。
もし、家事が社会の評価対象であったとしたら、きっと誰もが家事をこなしたいと思うことでしょう。
「暮しの手帖」通常購入(一冊単位)はこちらでも扱っています。
楽天暮しの手帖 2016年 12月号 [雑誌](注意:こちらはこのブログで紹介したものではなく次の号です。)
アマゾン暮しの手帖84号(アマゾンは、現在購入できるようです。)