はじめに
冬も可能な範囲で薄着を心掛ける方が、身体が冷えません。一方で冬と言えば「暖かい」「厚着」が良いと思われがちです。確かに極寒地域や、極端に寒い日時では厚着も必要です。
けれども寒くない時の厚着、実はリスクがあります。本来、身体は冷やさない方が良いに決まっています。けれどもそれほど寒くない室内や気温が高い日、就寝中などに過剰な保温をすると体が暖かい事に慣れてしまいます。
冬の厚着のデメリット
では厚着のデメリットを挙げます。 * 寒さに弱くなる * 一度厚着の習慣が付くと、薄着に戻れない
一度厚着に慣れてしまうと、なかなか薄着に戻れなくなります。それほど寒くない地域ならそれでも良いですが、極寒地域に住んでいるほど、「あと」がなくなります。
その日の気温や天候、体調、屋外か屋内かを考慮して可能な限り薄着にする方が後々らくです。初めにある程度薄着に慣れておくと、本当に寒くなった時に「これ以上、厚着できない」という困った事態になりません。
* 汗をかく→体が冷えて風邪をひく、服が汚れる、においが付く
厚着をすると、ちょっと動ても汗をかきます。また、朝は寒く日中は暑い場合、朝の気温に合わせると日中は暑くて汗をかきます。汗をかくと同時に体が冷えます。
汗をかいた後でも、夏は外気温が高いので問題ありません。けれども冬に汗をかくと、体が冷えて風邪をひくきっかけになります。
冬の汗は極端な話、登山では命取りになるほど怖いものです。登山をする人は、できるだけ適度な保温をしつつ、汗をかかないように「ちょっと薄着」に徹した服装をしています。
普段の暮らしでも、身体を冷やさないために過剰な厚着をして汗をかかない事には注意が必要です。
* 動きが鈍くなる 厚着をするとちょっと動いただけで汗をかいてしまいます。そのため、どうしても動きをセーブしがちです。冬の服は生地が厚く、洗濯をしにくい物が多いです。
夏場は汗をかいても薄手のシャツなどは洗濯がしやすいです。ところが厚手の衣類やニットは、そういきません。できるだけ汚さないように→汗をかかないように→あまり動かないというように、無意識に動きが鈍くなります。
* 太りやすい 冬に太りやすくなるのは行動範囲が限られる、クリスマス、正月、帰省、旅行などで食べる量が増えることもあります。けれどもそれ以外に実は過剰な暑着も無関係ではありません。
例えば薄いTシャツ姿のときと、厚手のダウンやウールのコートを羽織っているケースを比較してみればわかります。動きやすいのはどちらでしょうか。Tシャツですよね。
最近の冬服はどんどん、軽量化され薄手の物が増えています。とはいえ、夏の服に比べて厚みが在り重いのには変わりありません。厚着をするほどに動きにくいので太りやすくなります。
薄着でも適度に暖かさを保つコツ
「暖かさは厚みのある生地を着れば良いか」というと、そうとも限りません。普段室内で素足の方は靴下を履くだけでも全然体の暖かさが違います。
小物の活用で暖かくできる
* マフラー、ストール、手袋の活用
また、一般的なことですが、屋外ではマフラー、ストール、手袋、帽子、マスクの着用で全く暖かさが違ってきます。この場合も、必ずしも厚手で必要はありません。
例えばマフラーやストールは何もないよりはペラペラの薄手のストールでもあると全然暖かさが違います。特に電車や店の中で汗ばんでも首の内側に薄手のストールを仕込んでおくと、おしゃれと保温と襟汚れ防止になります。
手袋も必ずしも厚手の必要はありません。レザーなどのしっかりしたものではなくても、指先が出ている手袋をするだけでも全然違います。
* ニットなら、薄手のウールかカシミヤで吸湿性を調整 洋服の場合も、厚手の一枚より薄手の2枚の方が空気の層ができるので暖かくなります。
もし、ニットを着る場合は温度調整機能の高い、ウールかカシミヤが最適です。ウール、カシミヤは吸湿性があります。厚手のアクリル製ニットより、薄手のウール、カシミヤ100%のニットが最適です。これらは保温性がありながら汗ばんでもうまく湿度を放出します。
* ボトムスは通常タイプの下に薄手レギンスで ボトムスですが、パンツの場合、なるべくピチッとしたものではなく、適度にゆとりのあるシルエットを選びます。そしてそれ自体が厚手の冬仕様の物よりも、オールシーズン素材を着用して、中にレギンスタイプのタイツを履くとかなり暖かいです。(静電気が気になる場合は静電気防止スプレーを)
さいごに
市場には冬場は冬を意識させるアイテムが豊富です。 けれども冷静に住んでいる地域や行動範囲を見直すと、それほどの厚着が必要ない人は多いはずです。
冬専用の衣類を必ずしも着なくても、オールシーズンアイテムにちょっとだけ追加するだけで事足りるケースは案外多いのです。「厚手の一枚」より「薄手の2枚」の方が暖かいのです。
また、見た目は厚くて暖かそうなニットも素材によっては、薄手の物と変わりないことがあります。冬の衣類でも意外に吸湿性と汗をかかない着こなしが快適に保つコツです。