「50件に1件くらいですよ。」
賃貸の家で換気扇を自分で掃除する人。実は50件に1件くらいだそうです。たまたま機会があり、業務で回っている方が言っていました。つまり我が家がその「50件に一件」の一件だということ。
「え?ほんとに?」
私はメディアの情報を冷静に見ている。・・と思っていました。けれどもそれは錯覚だったと改めて気付いたのです。
年末になるとテレビでも雑誌でも特集が組まれますよね。
・・年末大掃除換気扇特集・・とか。
私は当然、換気扇掃除は最低でも一年に1度、いいえ半年に1度は「しなければならない」物だと信じてきました。
そして汚れを貯めてしまえば結局、自分が大変。だから3ヶ月に一度程度、換気扇の掃除をしていました。それでも入居時にはすでにシロッコファン(換気扇内部の丸いファンの部分のこと)が固まってどんなにがんばっても外れなかったのです。だから努力してもそれ以上、きれいに保つことは、無理でした。
ところが「換気扇を掃除すること自体、滅多にいない?」私は耳を疑いました。今までの苦労は何だったんだろうと。確かにみんなが掃除をしなくても自分がやりたいならやってもかわまわないんです。けれども、換気扇掃除は誰もがやっているからこそ年末に特集が組まれているのではなかったのでしょうか。
誰もがやっているものだと思わせておきながら、実はほとんどの人がやっていないものだったのではないか?もちろん、業者さんに依頼しているケースはあるでしょう。特に持ち家の場合はそうかもしれません。賃貸の場合は長く住むケースがあまりないので、自力で掃除をする以前に退去するのかもしれません。
我が家の場合、これまで住んだ住まいは最低で1年は住みました。それでも住んでいる間に1回どころか年に3回くらいは換気扇掃除をしてきたのです。それでも退去時に「きれいに使ってますね」など褒められることはありませんでした。ほとんどは何も言われなかったわけです。
褒められるために掃除をしたわけではありません。けれども、換気扇掃除は、そもそも素人がする手入れとは皿洗いレベルでなければならないはずです。それなのに私は無駄な努力をしてきたのです。テレビや雑誌で年末になると必ず換気扇掃除をやっています。今にして思えばそれで「換気扇掃除をやらなくてはいけない。」という概念を植え付けられていたのですね。
もちろん、掃除できれいにすること自体、良いことです。けれどもそれで無駄な労力を払い時間も手間も消費しているとしたら?
難しい換気扇掃除を「自力でするべき」という考えを疑う事を一切しなかったのです。一見、些細なことです。けれどもメディアからは知らず多くの影響を受けているんですね。改めて気付きました。