情報を収集するには、書店に行けばいいのです。書店をしばし歩くだけで現在の傾向を肌で感じることができます。
書店に行けば情報の傾向を肌で感じられる
反対に「我慢をして」しばらく書店に行くのをやめてみます。しばらくして耐えきれずに足を踏み入れると途端に、どっと情報の波が押し寄せます。
ネットでいくらでも情報がたやすく無料で入る時代ですが「リアル書店にはまだかなわない」と実感する瞬間です。書店により陳列される本には多少の違いはもちろんあります。ですが
「流行」「新刊」「定番」
この3つだけは必ずどの書店にもあります。流行と新刊は近いものもあります。たいていは今流行っている内容の本が新刊として並んでいることは多いですよね。
流行の本を手に取ることが、あまり好きではない人もいます。ですがたとえ買わなくても並ぶ流行の本を見るだけで世の中が向いている関心度がわかります。
アマゾンなどのネット書店の場合、ランキングである程度流行もわかりますが、リアル書店とネット書店は違いがあると感じます。
気になる本は、絶対買っておいた方が良い理由
リアル書店は「たまたま目にした本」から選ぶことになるとはいえ、広いジャンルをざっと俯瞰することができます。気になって手に取った本のタイトルで自分が気になっていることを自覚することもあります。
本の陳列は書店の立地や方針にもよります。書店さんごとの個性もあります。同じ本でも手に取る気になったり、全く気にならなかったりという現象も起きます。本はどこで買っても同じはずですが、手に取るか、取らないかは偶然の産物です。
リアル書店は陳列から肌で現在の空気を察知することができます。また、テレビでは言えないこと、知られない情報、ネットでは細切れになることも書店では肌で勢いを感じることができます。書店も本と同じく情報です。
気になった本はその場で買う方が間違いありません。気になった本でも予算を考えてしまって買わずに帰ったとします。「これだけ陳列されているから、次の機会でもいいだろう。」と店を後にしたとします。それはほぼ間違いなく、後で後悔します。結局、後で買おうとしてもタイトルを思い出せなかったり、書店が違うと「ない」ことがあります。
ネット情報は検索順位で「見させられた」情報
ネットで得る情報も見ないよりはましです。ですが、検索順位という絶対的な順位があります。どうしても検索上位の情報を見てしまう自体はいなめません。
つまり情報を探している時点で、すでに「これを見なさい」と暗黙の強制力が働いています。
ですが書店の場合、有名作家の本と無名作家の本が隣り合って並びます。確かに売れている本は前面に並ぶなどの違いはありますが、基本的に作家の知名度と本の並びに大きな優劣がありません。
さらに出版社が大手か中小か、とも無関係です。現代においてここまで公平な状況は珍しいのではないでしょうか。
テレビやネットではどうしても差し控えられる情報は多数存在します。ちょっとした一言が湾曲されねじ曲がった解釈で炎上することもあります。
ですが書籍は読むとわかりますが、ネットだったら炎上していただろうな。というレベル以上のことも良い意味で多数記されています。例えば古典は崇高で真面目で静かなイメージがあります。
もちろん、崇高なのですが例えば、ショーペンハウアーのなどはびっくりします。「このくらい思い切りのいいことを今の日本で発言しようものなら、どうなるんだろう。」と。
誤読から来ることとは言え、現代日本で同じ事をネットで発言したら炎上するのではないか、と思える勢いがあります。
書店にはそういうレベルの情報も多数並んでいるということです。皆、誰もが言いたい事も言えずにいます。もちろん、それは他人を罵倒しなさいという意味ではありませんよ。
他者を貶めることと、意見を表面に出すことが混同されているのです。テレビやネットで得る情報の全てが良くないわけではありません。ですが、どうしても受け身にならざるを得ないのです。
だからこそ冷静に世の中を俯瞰することが、ますます重要になります。そうしたことで書店は重要なポジションとなっているのです。