アマゾンプライムビデオで365日のシンプルライフという映画を観ました。(レンタル 7日間300円で視聴しました。)
数年前にブログかいわいでも話題になっていた映画です。それでは感想を紹介します。
当初、「ちょっと変わりものの青年が変わった行動(いったん、荷物を倉庫に全部預けて一日1つだけ持ってくるルール)をする、ストーリーかと思っていました。
ですが、予想に反して後味の良い素敵な映画でした。この映画を観たのは偶然です。ですが、なぜ「後味の良さ」と「素敵な映画」をじたのでしょう。
理由は映画が作られた地域にあると気付きました。この映画の舞台がカギです。場所はヘルシンキです。
ヘルシンキとはフィンランドの首都です。そしてフィンランドとは、2018年国連が発表した幸福度ランキング1位に輝いている国なんです。
とにかくフィンランドは、無駄がなくスッキリセンス良くバランスが取れている国・・というイメージがあります。365日のシンプルライフの舞台がまさかのフィンランドだったことに驚きました。
てっきり、映画を観るまでは、アメリカあたりのストーリーだと思っていました。ところが少なからずフィンランドも、日本と同じように物が増えすぎて困っているということでしょうね。
さて、早速映画を観始めたのですが、さすがの北欧です。倉庫のシャッターすらも絵になる美しさです。黄緑色のシャッターが主人公がたたずむ姿を引き立てています。
倉庫内の雑然とした荷物の数々・・を表現しているはずのストッカーすらも、真っ赤でおしゃれなのです。ときどき映る景色もフィンランドの静かな美しさに心が洗われます。
それから何といっても、魅力的なのは、主人公の祖母であるおばぁちゃんです。赤いセーター(?)と静かな笑みがとてもステキです。
そして主人公が素っ裸・・の状態から一枚ずつ取り出す服もまた、さりげなくおしゃれです。
主人公が始めはコートに身を包んでいましたが、ようやくタートルネックセーターをまとったときに「服に包まれるしあわせ」にほっとする姿はこちらもほっとしました。
こんな調子で、序盤はやはり物がないと不便で暮らし難い姿が描かれます。そして1つずつ物を取りだしていくたびに、物があることで得られる利便性や必要性が描かれます。
その中盤あたりで、主人公は幼い従兄(小学4,5年生くらいの賢そうな男の子)から何気なく問われた質問が小さな展開を迎えます。ネタバレになるのでこの辺で。
全般に登場人物がみんな、主張が控えめで素敵です。観ているだけで癒されます。
物はもちろん、必要です。けれども適量を超えると大切なことを見失いそうになってしまうこともあるのかなと。
ほどほどの物さえ持っていれば、実はしあわせを感じることに、多くの物は必要ない。それは人とのつながりや、人と楽しみを分かち合うこと。
主人公が一度たくさんの物と強制的に距離を置いたら、そういうことに気が付けたということでしょうか。
そして同時に、しあわせとは何か?という人びとにとって一番大切なことを、皆がわかっている国。こういう映画も観るだけで癒される空気がずっと流れているし、とにかく余裕がある。
だからこそみんなが幸福だと感じて暮らすことが出来ている。今年、幸福度ランキング1位に輝いたフィンランドの雰囲気を感じるのにはうってつけの映画です。