明日はいよいよセンター試験ですね。そして受験シーズンですね。
この時期、家族に受験生がいると、いろいろな気がかりがあります。なかでも子供が「受験当日の朝の腹痛」のとき、どうした対応をとればよいのでしょうか。
身体的に致命的な様子が見られない場合のお話です。
受験の朝、腹痛に遭った息子の事例
実際、息子が大学受験をしたときの朝、腹痛の様子がみられました。こんなとき親としてどんな対応をとりますか。今回は我が家の事例をお話します。
もちろん、これはあくまで体験談です。健康状態はお子さんの様子、年令など、これまでの経験などを考慮して無理せず対処してくださいね。
息子が試験当日に具合が悪そうにしていたのは、センター試験を経て、大学を複数受験した後半の時期でした。朝の時間に起きてはいましたが、リビングのソファに座りうずくまるようにしています。
腹痛に気付かないフリをした(条件付き)
横目でさりげなく見ながら(お腹が痛いのかもしれないな。)と気付きました。そろそろ受験の疲れも出ているのかもしれません。精神的なものもあるでしょう。
けれども時間通りに自力で起きて座っているのですから、致命的な具合の悪さではないだろう。と思いつつ、健康状態を把握しつつ私はいつも通りに動きました。そして気付かないふりをしていました。
けれども内心はヒヤヒヤしていました。結局、息子は何も食べずに受験に出かけていきました。薬は飲ませたような記憶があります。けれども、もう高校3年生です。(当時)自宅から受験にいけるだけでも地方から来る人よりはるかに有利というものです。そういう受験生は自力で全てを判断しなくてはいけないのです。「後は成り行きに任せるしかない」そう判断しました。
息子の場合、腹痛はあるものの、熱はなさそう。セキも鼻水もない。寒気もなさそう。これまでの健康上の経験を記憶でさりげなく総動員し、息子の体調に問題ない事を見た目でさりげなく確認しました。
どうしても無理なら自分の判断で帰宅するだけだろう。学校には医務室だってあるし、人がいます。高校3年ともなれば、そのくらい自分で判断できるでしょう。万が一、受験できない状況になったとして、そうなったらなったときのこと。
鈍感なフリをする
親が心配そうな素振りを見せることでかえって具合が悪いことを自覚する、こういうことってありますよね。だからあえて気付かぬ振りをしました。鈍感なふりです。
息子が出かけてからしばらく気になりましたが、昼になっても戻ってこないところをみると、何とか受験は受けているようです。
その日、息子は試験を終えた時刻に帰宅しました。なんとか乗り切ったようです。夕方帰宅した息子にやっと「お腹の具合はどうだったか」と尋ねました。息子が言うには、思考能力ゼロ。全神経がお腹に集中していたそうです。
確かその翌日も受験でしたが、まだ、回復はしきっていませんでした。それでも、今日、体調最悪でも乗り切ったことで、少し自信がついたかにも見えました。
家庭の飲食のほか、激励の集まりには食物に注意も必要
腹痛はおそらく、受験による疲労と精神的なもの、寒さによる冷えがミックスされた事態だったと思います。
しいて言えば、受験の合間にちょっとした集まりがありました。そこで弁当が出たらしいのです。それも若干、タイミング的に気になることではありました。普段はなんともなくても体力が弱っているときには、微妙な調子になる事はあります。
受験の合間は生ものを避けるなど気を付けていたのですが、外部の集まりで弁当が出るのは想定外でした。因果関係もはっきりした原因はわかりませんが幸い、病院に行くほどではありませんでした。もし、こうした集まりを計画する側の場合、できれば食べ物を介さない方がいいでしょう。
場合によっては嘘も方便
それから、こうした私的な集まりは欠席もアリです。これは子供の意志と年齢によるのですが、万全を期すなら「嘘も方便」です。これはお腹を壊す、風邪のリスクだけではありません。不安要素を排除する意味もあります。
人が集まれば、お腹だけではなく、風邪、インフルエンザのリスクも高くなります。ただし、「嘘は嫌だ」と、「割り切れない子」や、本人が行きたがる場合など、親が無理に行かせないのは無しです。また、本人を迷わせれば混乱させます。あくまで子供の性格と様子次第です。
受験時、親は見守るしかできない
結局、こういうとき親は見守るしかできません。こうした状況を乗り切るのは本人だからです。おそらく、状況は違うけれどもこれから幾度となく何かしらのジレンマにあう事は多々あるでしょう。
もちろん、あきらかに病院に行くレベルなら相応の対応が必要ですが。幸いに息子は現在、体調が最悪で受験したその大学に行っています。息子の場合は、幸いに受験はなんとかなりましたが、親ができることはこれしかありません。「いつも通り」です。
本人が一番大変。先回りして周りが不安がらない。
本人が一番大変です。周りでは不安がるような様子を見せないこと、それしかできません。そして、こうした家族への対応は受験以外も同じです。体の不調、精神的な不調、その他の心配事、全て同じです。
家族のためにやたらと不安がらないことは、まわりまわって自分のためでもあるのです。不安がらない「フリ」が、気が付けば本当になるのです。極端な例としては赤の他人を見る視点を持つということです。それは一見、冷ややかであるかに見えます。けれども赤の他人を見る目線で見れば、冷静にベストな対応の策がはっきりと見えるようになります。