100円ショップの食品は買っても大丈夫なのでしょうか。今回は、そんな疑問に対する答えをお話します。
目次
なぜ、100円ショップ品を警戒するのか
まず、質問です。なぜ100円ショップの食品について「買っても大丈夫か。」と疑問を抱くのでしょうか。
おそらく、「安い(100円だから)から」という理由でしょう。さらに、「安い物は粗悪品か中国製のものに違いない」などの考えもあるのでしょう。
けれども、これは考えてみればおかしな話です。なぜなら、私たちはスーパーの安売りでは何の疑問を抱かずかごに入れます。また、スーパーに並ぶ品には中国製他、多数の外国製品が並びます。そして100円どころか100円より安い食品は多数陳列されています。それなのになぜ、100円ショップの食品には警戒するのでしょう。
安かろう悪かろうのイメージが定着している
理由として、過去からのイメージです。現代は大手100円ショップが街にあるのは当たり前です。ですが昔は大手100円ショップが街にあるのは当たり前ではありませんでした。時々スーパーの催事場などに期間限定で開催される店舗が中心でした。ところが次第に実店舗を備えた100円ショップが展開され始めました。こうした時期は品質が一定しておらず、「これが100円」と感激する良品のこともあれば「すぐ壊れた」などのハズレ品にあたることもありました。けれども、実店舗が出来た辺りから品質は安定してきた印象があります。
実店舗のある現代は一般スーパーと視点は同じ
催事場に時折現れる店舗から買った場合は、壊れても店舗がありませんし「安いから仕方ない」と諦めた記憶があります。けれども実店舗があるということは、買って問題があった場合は店舗に返品や交換をしにいくことが容易になります。返品や交換があれば、店舗側はその製品を確認するでしょう。大手100円ショップの創業は
ダイソー 1977年
セリア 1985年
キャンドゥ 1993年
です。
ダイソーは約40年前、セリアは約30年前、キャンドゥは約25年前です。
なぜ、100円ショップの人気が出たのか。それは第一に安さにあります。これまでは数百円したものが一律100円です。
安い物は粗悪品なのか
確かに、まれに無名の安い品はすぐに壊れたなどのアクシデントもあります。けれどもそれは大分前の話です。現在は100円ショップも実店舗を構えています。だから仮に品物に問題があれば交換や返品を申し出ることは可能です。
製品の表示を確認する習慣が大事
100円ショップに並ぶ品物がどこで製造されているか表示を確認していますか。その表示を見ればおよそ買うべきか買わざるべきか判断がつきます。
そして表示を確認することは100円ショップ品に限りません。特に初めて買う製品の場合は表示を確認する習慣を持った方がいいでしょう。「安ければ何でも良い」ならば値段だけを見ればいい。
「100円ショップだから」ではなく、「その品がどういう物か」が大事
一方で「100円ショップだから粗悪品なのではないか。」と表示を確認もせず不安になる状態とは表示を確認せず値段だけで買うか買わないかを決める行為と同じです。
つまり表示を確認すればいいのです。そうすれば様々な情報を得ることができます。
- 販売している会社
- 製造している会社
- 生産国
- 原材料
など。
中国製の食品を買いたくなければ、裏の表示を見て「中国製」とあれば買い控えればいいのです。「この材料が含まれない製品を選びたい」ならばやはり裏の原材料を見ればいいのです。
それは100円ショップだろうが、一般のスーパーだろうが基準は同じです。100円ショップだから買う、買わないのではなく、個々の製品が自分に合うか合わないか、そういうことです。
100円ショップに並ぶ製品の実感
100円ショップに並ぶ食品は、以下のように分類されます。
- 一般メーカー品と全く同じ品が100円ショップで販売されているもの
スーパーで売られている物と全く同じものが100円ショップで売られているものです。この場合、買うか買わないかの基本は「スーパーで買うより安いか高いか」が基準です。ただし価格その物で買うか買わないかを価格差だけに限定するのではなく、もっと広い目で活用する方法があります。それは予算を一定に保つメリットです。
例えばスーパーで買えば120円だったり、90円だったり、110円だったりします。けれども100円ショップなら常に100円です。常に「安ければ買う」「高ければ買わない」という買い物は、一見合理的ですが実は「選ぶ」という手間がかかります。その点、100円ショップならば常に100円です。価格に翻弄されないメリットがあります。
➡常に価格が一定している
- 一般メーカー品を100円ショップ向けに量、サイズをアレンジしたもの
物は同じで100円に合わせたサイズや量になっている製品です。こうしたものは実際の価格が買うか買わないかの基準になります。ですが物によっては一般品の方が安いこともあります。
一方で量が少ないのでお試しや食べ過ぎ防止や持ち歩きに便利という利点があります。また、少量しか使わない場合、使い切るのに都合がいいというメリットがあります。
➡使い切れる、お試し、食べ過ぎ帽子、持ち歩きに便利
- 無名メーカー品が100円ショップで販売されているもの
一般メーカー、卸業者にとって、特に大手スーパーは仕入れてもらうハードルが非常に高いのです。大手スーパーはそうしたところからすると神の様に逆らえない存在です。ですので、ときに強引な値引き交渉に承諾せざるを得ないことがあります。
ですから無名メーカー、卸業者は大手スーパーに品物を卸したくても難しいことがあるようです。ですが国内には小さなメーカーが多数あります。そこでこうした業者は100円ショップに卸すこともあるのでしょう。
実際に100円ショップに並ぶ製品を見ると、昔はよく観たけど最近は見かけない懐かしいおやつなどを発見することがあります。こうした品は物が悪いわけではなく、単に仕入れてもらえるかもらえないか、厳しい大手スーパーの要求に対応できるか否かなどの事情により見かけないだけ、という製品が存在するようです。
当然ながら、こうした製品は全く品質に問題がありません。
➡大手スーパ―への卸が難しい国内無名メーカー品もある
・・推測・・
- 卸企業、小売店などが在庫過剰、発注ミス、現金確保、倒産、などの理由から、問題のない品を100円ショップに卸したもの
これは推測です。以前、テレビで見かけたことがあるので、こうした事情で並ぶ製品もあることでしょう。当然、こうした品も品質に問題があるわけではありません。
➡流通の過程で余った商品
自分なりの「買っていい基準」を決める
100円ショップに限らず、目的とする品を買うには基準が大事です。各自、求める物は違います。ですから自分なりの基準を決めることです。
例えば
「マーガリン、ショートニングを使った菓子は買わない。」と決めると途端に一般の市販品菓子は何も買えなくなります。そこで
「週に1箱だけなら買ってもいい」
などと妥協できる基準を自分なりに決めておきます。
また「中国製の食品は買わない」と決めると、一般店舗では途端に干し芋、甘栗、ピーナッツなどは何も買えなくなります。
そこで「ピーナッツは中国製でもOK」、「干し芋、甘栗は週にそれぞれ3袋までならOK」のように買い過ぎない基準を決めておきます。
さいごに
買い物は店単位で決めるのではなく、商品単位で判断することが必要です。もちろん、大枠では信頼のおける店から買う選択は必要です。同時に信頼のおける店であっても、詳細を見れば様々な品が並びます。そこから「どの品を選ぶか」は自分次第なのです。
商品ごとに詳細を確認するのは面倒です。けれども何度か繰り返すうちに、勘が働くようになります。
この製品ならこのメーカー。というように、です。だから結果的には面倒ではありません。
100円ショップかどうかで判断するのではなく、商品単位で判断しなくてはいけません。これは高級スーパーでも同じです。高級スーパーでも、並ぶ品は多様です。それが自分が求める物かどうかは、自分でしか判断できません。