この本をおすすめしたい人
- 「最近の世の中の動きが早すぎて、よくわからなくなってしまった。そこで、どんな生き方をすれば良いのかの指標が欲しい。」という方。
- 多数の書籍概要を効率よく知り、近い未来の参考にしたい方
- 主に心理学、哲学、処世術(一部著者が考案したものもあり)、投資関連書籍(主にバフェットなど)にざっくり触れたい。けれど、何から手を付けたらいいかわからないかた→最後に参考文献と概要があるので気になった本は一読するのもいいかも。
アマゾン Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
楽天 Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 [ ロルフ・ドベリ ]
この本を読んで得られること
- 多数の書籍を読む代わりに、短時間で大事なエッセンスを知ることができます。
- 一見、複雑で不透明に思える「今後」に、明るく前向きに対処することが可能なのだということを、知ることができます。その根拠として多くの哲学、心理学、投資関連の著者の本がベースとされています。
- ぼんやりとした不安や悩みも、52のいずれかの項目に当てはまることが多いでしょう。ここに書いてあることを実践したり知ることで、対処法を学ぶことができます。
この本を読むときに注意したいこと
本の後ろに、参考文献の概要が記されています。52の項目のほとんどが、有名な方の書籍や発言などがベースになっています。
ですので、学者さんなどが研究などの結果、書かれた書籍とは違いがあります。もっとも、この本は「他の本の焼き直し」ではありません。
そもそも書籍は、膨大な出版物があります。誰もがそうした書物で学びながら新たな見解につながります。当然、「どう活かすか」は読んだ人にゆだねられる部分があります。
そういう意味でも、この書籍は素敵です。例えば「名著〇選」みたいな書籍は多数ありますが、この本はそうした本とは全く違います。
何が違うかというと、それは著者の視点にかかると、前向きで具体的な対処法を学べることです。
例えば、 引用の頻度が高いのは、ウォーレン・バフェット氏の言葉です。つまり著者は、バフェット氏をいかに尊敬しているかがわかります。同時に、おそらくはお金や投資などにも注意を払っている方なのでしょう。
余談ですが、ウォーレン・バフェットがよく取り上げられている作品として真っ先に思い出すのはこの本ですね。
高校に入学した主人公が、投資部で投資を学びつつ、世の中の様々な出来事を学び他見していくという一度読むと止まらなくなるコミックです。
最近は「投資」という言葉だけが独り歩きしている感がありますが、一度は読むことをおすめします。
この本の文章量と読みやすさや特徴
本は紙書籍の場合、約480ページもありますが全く心配はいりません。読みやすい文体で、どんどん読み進められます。
印象に残った文章
・考えるより、行動しよう──「思考の飽和点」に達する前に始める
私も毎日ブログを書いているわけですが、「書くこと」は書いているから出てくる事実は実際にあります。つまり「書くこと」は行動そのものです。行動するから書く内容が出て来て出来上がる。
かつて我が家では、家を新築した際、何十冊も本を読みました。(その家は売却したのでありません)それなのに家が完成したら、出てくる出てくる。「ああすれば良かった。」のマイナスポイントです。それはいくら知識を得ても実際に「家を建てる」という行動を起こしたからこそ分かることが山ほどあるのです。確かに全ては「行動」が思考を超えるのだと納得しました。
・なんでも柔軟に修正しよう──完璧な条件設定が存在しないわけ
計画はあくまで計画であって、予定通りにすすむわけではないのです。大事なのは、実際に行動しながらの軌道修正とのこと。
ここには様々な修正の例が挙げられていますが、中でも興味深かったのは人格形成も修正力だという点です。
設定条件の完璧さではなく都度修正する力こそが大事だという事です。
・大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう──最初に「全体図」を把握する
ここではいわゆる「秘書問題」が事例に挙げられています。
ところが多くの人は、秘書問題の特性を活用しないそうです。例えば早い段階で決定を下してしまうと言います。
秘書問題を合理的に応用すれば、結婚相手ですら合理的に最適な人を選ぶことができるのです。
なぜ多くの場合、秘書問題を活用せずに早い段階で決断を下すかと言えば、それは試す手間を省きたいからだそうです。
つまり若い時こそ多様なサンプルを試し分母を大きくすることで人生の俯瞰図を大きくするわけですね。
・支払いを先にしよう──わざと「心の錯覚」を起こす
先に支払っても後から支払っても、おおまかな支出は変わりません。ところがたいていの支払いは後払い式です。後払いというのは実は小さなストレスがかかります。
著者は言います。どんなにがんばっても節税できるわけではないから、まずは「ここに住みたい。」と考える。すると不思議に税金を支払うことに抵抗もなくなるそう。
確かに、食券式の食堂での前払いは(次元が違い過ぎるけれど)支払う際の混雑や時間のストレスを受けずに済みます。
アマゾンのプライム会員年会費は前払い式なので、うっかりクレカの更新情報忘れなどで「支払い未納」扱いになったりするアクシデントを受けずに済みます。
簡単に頼みごとに応じるのはやめよう
断れないのはつまり「嫌われたくない」からであり、今後の人間関係にひびを入れたくないからですが、これはゲーム理論やその答えとしての「しっぺ返し戦略」で答えが出るとされています。
著者はバフェットのパートナーであるチャーリー・マンガ―が実践している五秒決断ルールをまねることにしたそうです。結果としてほとんどの頼まれごとは断ることになったそうですが、だからと言って「人でなし扱い」されることなどないと言います。それより毅然とした態度に尊厳の念を抱いてくれるという。
特に日本人の場合は、断ることが苦手な人が多いイメージがあります。おそらくは断られることで見える改善が多々あるのです。ところが誰も断らないことで「改善」の余地に誰も気付かないまま進行してしまう事があると思われます。
断ることは、単に個人の問題ではない。断ることで浮き彫りになる問題があるのです。
・戦略的に「頑固」になろう──「宣誓」することの強さを知る
柔軟に対応する事の何がいけないか。それは結果として決断疲れが起きるからだそう。また、一貫した姿勢がいずれは評価にもつながっていくそうです。
例えば運動を休む日の言い訳などもそのひとつですね。「しない理由」を認めていくと際限なく「しない理由」が出て来てしまう。
「ああいう人だから」と思わせたもの勝ちだということですね。
・必要なテクノロジー以外は持たない──それは時間の短縮か? 浪費か?
テクノロジーの多くは、一見してお金と時間を節約できているようですが、実はそうではないのだそう。コストを計算すると生み出されたかに思われる時間とお金は清算されてしまうのだそうです。
そうかといって、すでに普及しているテクノロジーを使わずに後戻りすることはないでしょう。同時に多くの人が「テクノロジーはどんどん取り入れてるかってみるべき」だと公言しています。
ところが著者は反対の見解を見せています。例えばカメラを例に挙げているのですが、
99パーセントの人々は不要な写真やビデオの山を抱え、それらを整理する時間見ないままにローカルバックアップクラウドに保存して、まるで巨大インターネット業が悪用しやすいようにしているかのように、あちこち持ち歩いている。
と言っています。確かに、便利で画期的ですがそれがどうしても必要か?と言えばそうでもないものがほとんどです。一方で個人のプライバシーは便利と引き換えにどんどん減っています。
「取り残されてしまう」
と恐怖を与えつつ、私達から一切のプライバシーを奪い取ってしまいかねないことが、テクノロジーの進化のある一面の姿でもありますね。
さいごに
始めの方からの一部を紹介しました。
だいぶ前まで、この本に書いてあるようなことを俯瞰するためには相当な時間や労力が必要だったはずです。同時に、知ることができるのは一部の人に限られていたはずです。
ところが現代はいともたやすくこうした書籍を通じて知ることができます。こうして私たちは、様々な困惑から抜け出す術を知ることができるのです。
まとめ
- とにかく書くことでさえ行動の始まりである
- 計画通りに進めることではなく修正する力こそ大事
- 早いうちに多数の体験を積む事で最適な結果を選択することができる
- 心の錯覚を利用して同じ行為もストレスなく行動するように段取りする
- 断ることを恐れない
- 一貫した姿勢を取ることで決断疲れやブレをなくせる
- テクノロジーが実は効率化しているわけではない
現代は、この書籍などを通じて簡単に効率的な生き方や戦略を知ることができます。恩恵を十分に生かして暮らしていきたいですね。

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
- 作者: ロルフ・ドベリ,安原実津
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