はじめに
30代半ばを過ぎてから「イチロー」を目指すことは不可能です。
一方で「何歳からでも挑戦はできる」とか、「年齢は関係ない」とはよく耳にします。
けれどもみんな薄々わかっているのです。
誰もが努力してもイチローにはなれないし、年齢の制限も実はあるということを。
では、私たちはもう、「一流」になる事は不可能なのでしょうか。
結論を言えば、客観的な従来型の一流はムリがある。
けれども、じぶんの満足感を一流にすることはできる。
そのために必要なことを知れば、充実と満足を現実にすることができるのです。
今回はそうしたことを実践する方法を知る本を紹介します。
この本をおすすめしたい方
- 現在すでに、「いい歳をした大人」で、今まで「一流」に手が届かなかった方。
- 今から一流を目指すこともかなわず、虚無感がある方。
- リタイヤが近づいており、人生の楽しみをどこに見出したらいいのかを知りたい方。
この本を読んで得られること
著者は、非現実的でリスクが高いと思われることを否定しています。
例えば いきなり「会社を辞めて企業るすべき」というようなことは「おすすめしない。」「わたしは無責任ではない。」と言います。
文体は一見、キツいかに誤解する方もいるでしょうが、実のところ、「現実」的です。机上の空論をアドバイスされることがありません。
つまり、誰もが現実的に実行可能な行動の方法を知ることができます。
特に印象に残った箇所
いい歳をした大人が今からイチローを目指すことは不可能
理由は単純で、まず、大人が今から、イチローが野球に注いだような時間を、何か一つのことを極めるのに割くのは、事実上不可能だからだ。
「何かを始めるのに年齢は関係ない。」と言われています。でも、現実は選択の幅は存在します。そうした漠然とした戸惑いを、このようにはっきり言ってもらうと、かえってスッキリします。
仮に 35 歳からその道に入ろうと努力をした人がいたとして、そして資格を得たとしても、その経験の差は埋めがたい。
「資格を取るべきか否か。」で迷う人は多いもの。資格は確かに、これまでの時代は有用であったことも多い。けれども誰にとっても可能性がゼロではないから、「今からの資格取得はムダだよ。」と言ってくれる人はいません。もちろん、取得した資格を従来通りの活用以外で利用するならアリかもしれないけれど。
今から野球でない何か、たとえば医療や法曹の世界を目指したとして、その頂点に立てるのか、それとも裾野に位置するのか。
結局のところ、何かを活かして収益に結び付けるためには、ピラミッドの頂上に位置しなければならない。たとえ今から何かを取得したとして、その労力に見合った「頂上」は得られない。裾野に位置して取得する費用を搾取されるだけでですね。夢を見ていられる年代とある種の制限がある年代とでは現実を直視する勇気も必要なのですね。
今までの道を捨てる必要はない。
それでも、これまで歩んできた道をそのまま歩み続けることが不安なら、その道を完全に降りて別の道を行くのではなく、ちょっと寄り道して経験値を増やす方が、現実的だし、合理的だし、何より、楽しい。
今までの道を残しつつ、「寄り道する」というやり方。これなら、確かに現実です。確かに万人に「可能性」を否定することはできません。けれども確率的に言って、それはかなり難しいのが真実かと。耳障りのいいことを言うのはたやすいですが、冷静になったうえで「何ができるか」を選択することは重要ですね。
目指すのは特定科目の偏差値 75 でなく、偏差値 55 の科目を増やすこと
中年以降に偏差値75を一つ獲得してもそれを活かしきることはできない。だったら、偏差値55をいくつか持った方がいい。そうする間に、思いがけない気付きを得るかもしれない。それこそが真の「可能性」です。
寄り道を付加価値とみなす
これまでの道を捨てずに自分に新しい付加価値をつけるには、ほどよい寄り道をして、ほどよい経験を積むこと。
寄り道=付加価値
そう解釈すると、偏差値55の科目も、価値が高い事だと気付かされます。寄り道することは言葉通りの行動でもあるし、比ゆ的行動でもある。どちらでも良いのですがいつもと違う行動を取り入れるだけで、付加価値が生まれることは大いにあり得そうです。
今からイチローを目指すことは「1つのかごに卵を盛る」ようなもの
そこでイチローになるつもりがメジャーリーグが倒産してしまった。それに似たことが、現実に起きているのである。
ある年齢を過ぎてから一つの事に集中するのはつまり「1つのかごに卵を盛る」ようなもの。
しかしながら、集中しろ寄り道するなと育てられ、それが良いことであり、かつ、自分の身を守ることにもなると信じ込まされてきた人たちにとっては、寄り道は悪であっただろう。
「集中しろ」とか「1つの事に打ち込む」すばらしさはメディアでよく目にする。ある意味それはレアケースだからこそのメディア露出であるともいえる。
おわかりだとは思うが、タイトルの「2駅前で降りる」というのはあくまでたとえの一つであり、1駅前でもよければ、1駅、2駅乗り越して、みるのもいいだろう。
要は何本かの選択肢を保持することで、全滅を避けつつ、可能性をもたらすのですね。
「そのうち」は機会損失
あなたは 老舗 ジャズバーの経営者だ。常連客には愛されている。それでめでたしめでたしだろうか。店を続けていくには、どうしたって新しい客に来てもらう必要がある。
「足を踏み入れにくい」と思うのはこちらの思い過ごしで、興味があるならどんどん足を踏み入れた方がいいのでしょうね。
なので万一「ジャズバー通いは年をとってから」などと思っているのならそれは大きな間違いであり機会損失である。
「そのうち」なんて言っていると時間は圧倒言う間に過ぎ去ってしまいます。気になるのであれば、無理をしてでも時間を作り行くことですね。
テレビは番組制作予算が桁違い
テレビなんてくだらないと斜に構えるのは寄り道の機会損失だ。在宅中はテレビをつけっぱなしにする、録画しておいた番組を流しっぱなしにするくらいの使い方をするべきだ。テレビ番組が今ひとつ面白いと感じられなければYouTubeでも構わないが、番組制作にかかる予算がテレビとYouTubeとでは桁違いで、今のところテレビの圧勝である。
成毛氏が「テレビを観る」と書いたことについて多くの人が面食らったようです。そうした反応をした人の多くはテレビ番組=バラエティ番組やニュースだと思っているのでしょうね。
ユーチューブの可能性も確かに素晴らしいです。一方でやはり個人が出来ることには限界があります。テレビ番組とひとくくりにして毛嫌いするのではなく、選ぶことす。それが。良質な番組を観ることにつながるのですね。
寄り道することを知っている人
こうなると、人生が楽しくなる。もしもなんらかの理由で本道を行くのがつらくなる時期があったら、その時には寄り道し続ければいいということもわかってくる。
寄り道する習慣がある人とない人の違いは「余裕」だ。1本の道しか知らない人は窮地に陥った時、それが人生の全てだと錯覚して絶望するのでしょう。特にそうした傾向は男性に多いそうです。寄り道する思考があれば「これが全てではない」と気付き、じぶんにも他人にも寛容になれることでしょう。
さいごに
この本を買った理由はシンプルです。ほぼ同時期に前回紹介した書籍がかなり興味深かったからなのです。↓
一秒で捨てろ! 人生がときめく「逆転の整理術」 (PHPビジネス新書)
もちろん、他の書籍も。
変な話、タイトルに「一流になりたければ」とありますが、特にこのタイトルに惹きつけられたわけではないのです。
「この著者の本だから読んでおきたかった。」
それがこの書籍を買ったきかけです。
まとめ
このようなかたにおすすめできます。
- 今まで「一流」に手が届かなかった方。
- 一流を目指すこともかなわず、虚無感がある方。
- 人生の楽しみをどこに見出したらいいのかを知りたい方。
一定の年齢の人が今から頂点を目指すことは実質不可能。こうした現実をふまえることも大事です。
今から今の道を捨てる必要はありません。キープしつつ「寄り道」する道を選べばいい。
つまり偏差値75ではなく偏差値55を複数持つ道です。
こちらの方がリスクがなく、人生の楽しみをもたらしてくれます。
「そのうち」と先おくりしないで実践すれば機会損失にならずに済みます。
実はテレビ番組は有用な情報の宝庫です。
関連おすすめ記事