「そういえば、韓国の人が書いた本」
って珍しい。
・・(読んだことがない)と、思いました。
![私は私のままで生きることにした [ キム・スヒョン ] 私は私のままで生きることにした [ キム・スヒョン ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/7539/9784847097539.jpg?_ex=128x128)
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この本には、現在の日本でも、多くの人が気になるようなことが書いてあります。
例えば、この本では、ベストセラーの「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えに何度か触れています。韓国で翻訳されて売れたらしいのです。
両者ともに「人の目を気にする気質」に生きづらさを感じている人が多いようです。
一方ではやはり、国の違いを感じます。特に驚いたことがあります。それは、
「え?それっていつの時代の話?」
と思ったエピソードです。その事件?は、日本でいうと昭和の終わりころだったよう。
気質は日本と韓国で似ている面がありつつも、なんだかんだ言って、日本は自由な国なんだなあと。
韓国人の「生きづらさ」は「日本以上なのではないか?」という印象を受けました。
例えばその原因として、最も大きく取り上げられているのは貧富の差による差別意識にもあるらしい。
日本でも格差はしばしば問題にはなります。けれども、おおざっぱには、富裕層の人があからさまに見下げるような場面はほとんどないと思うのです。
「マウントをとる」
みたいな言い方はあるけれど、あれは基本的に格差から起きる現象ではない。どちらかというと似たような立場の人が、相手に、一方的に「差異」を宣言しているようなもの。
この本によれば韓国の場合、貧富の差はダイレクトに世代にわたって影響をもたらすらしい。
しかも、親世代から受け継がれた差が、そのまま子世代の自分たちにも反映されてしまうと言う。そのせいかどうか、 この本、全体に流れる空気は、ゆる系のイラストとは対照的な感じを受けます。
著者はイラストレーターでもあるそうで、挿絵も著者が書いたものようです。癒し系のイラストでかわいい。
また、著者がバックパッカーな旅の経験をきっかけに
「持ち物は少なくていい。」
といったミニマリストを連想させる記述があります。
韓国でも、近いうちにミニマリストブームが起きたりするかもしれませんね。今の段階ではまだ、
「富裕層=たくさん持っている人」
というような、「物質的に豊かな人」という価値観が中心なのではないでしょうか。
一方で、意識が高い著者のような人が、割と早い段階で
「物の豊かさが精神的豊かさをもたらすわけではない」
ことに気付き始めたというところなのでは、と。
日本国内においても、実はまだミニマリスト的な生き方を知らない人が割といると思われます。
こうした内容の本が、韓国でベストセラーになり、日本でも売れている現象は、ミニマリスト第二次ブームでも起きそうな気配がありますね。いわゆる逆輸入的な感じでしょうか。
ミニマリストは出始めの頃、かなりシビアな意見が目立ちました。けれども最近では、そんなことを言う人は見かけなくなりましたね。
ようやく時代が追い付いてきた、といったところでしょうか。
同時に、「嫌われる勇気」が何度か登場するあたりから見ても、仏教的な流れの価値観も見えます。
考えてみれば、韓国は儒教の国です。上下の序列がある。一方で日本では「お寺」になじみが深いのですが、その実態は仏教ではなく、儒教に近いものであると言われています。
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