少ないモノで暮らすヒントになる本を紹介します。
読むだけで伝授できるすっきり感
真っ先に感じることがあります。それは著者の「たっく」さんの明瞭ですっきりした文章です。
みなさんは、こんな経験がありませんか?すっきり整理が整っている友人の自宅に遊びに行く。帰宅して「自分の家や部屋を片付け始めている」という現象です。
人は、思った以上に環境や身の回りの人の影響を受けます。片付いた友人の家に行くと、その空気を肌で感じます。
結果として、その空気を自分も実践したくなるのです。友人が「片付けるといいよ」なんてことを一言も発していないのに、です。
著者の「たっく」さんは、年齢も性別も、置かれる立場も違います。
それでも、書籍を読む事で「すぐさま自宅をキレイに整えたくなった」あの状況と同じような行動を取りたくなっているのです。
もちろん、これから記すように、具体的なノウハウも大変参考になります。何より自分の意識が変わることでしょう。
この本は淡々と読むだけでも、すっきりした生活をいつの今にか、はじめたくなる不思議な力があります。
これまで、「片付け本やミニマリズム本を読んで、実践できたためしがない。」という方はぜひ、この本から「すっきりした生活を実践している人の思考」を感じ取ってみてください。
自分に合うものを取り入れる
この本には、具体的なノウハウがいくつかの項目別に記載されています。印象としては、自分に当てはめた場合、主に3種類に大別できます。
- 取り入れたい
- 状況による
- 自分には難しい
各自の状況で受け入れ方は様々です。取り入れたい事は参考にして、難しいと感じる面は「こういう方法もあるんだな」と頭に入れて置きたいと思います。
今は「無理」と感じても、のちに変ることもあります。思い込みを外して様々な手法を知っておくことは有用です。
それでは一部を紹介します。
車は何も足さずに乗る
我が家では現在車を所有していません。ですがどうしても車が必要な方も多いことでしょう。そこで気が付くことがあります。
断捨離や片付けミニマリズムが注目されていますが、第二の部屋ともいうべき車について言及されることは滅多にない事です。
確かに本に書いてあるように、車を買う時にはあれこれオプションをくっつけてしまいます。それだけではありません。
様々なグッズを装着したり、物入れ状態になりがちです。
目からウロコだったのは著者はあえてセダンを選択していることです。「人を乗せて運ぶ」に特化しているのはセダンだということです。実際、車を作る会社が「我が家の顔」と考えているのもセダンなのだそう。
最近は車と言えば若いファミリーを中心にワンボックスカーが人気です。一方でセダンは忘れられているイメージがあります。
ものを大量に乗せられるワンボックスカーではなく、あえてセダンを選ぶことは本質を選ぶことにつながるのですね。
物の選び方はこのような視点が必要だと気付きました。
単機能は多機能に勝る
最近は多機能のものが多すぎます。スマホはその代表です。確かにそのおかげでいざ「使おう」と思った時に誰でも行動に移せるなどのメリットがあります。
けれどもこの本に書いてあるように、実際に使うのはたいてい一部の機能だけです。単機能であれば安いですし、修理もしやすいわけです。
家電なども多機能が備わっていても、結局活用できなければ無意味なだけです。最近、マルチタスクの弊害が指摘されていますが、人の行動も家電なども「多ければよいとは限らない」ですね。
机の上を運ぶ
「帰った後は机の上に何もない状態になる」
これは同時に忘れ物チェックを兼ねるし、自宅と職場が同じ環境になるというワザです。
職場の机の上が一日一回リセットされるわけです。これは一般に「無理」と感じる方が多いと思います。
実は私が過去に勤務した会社に、「帰宅時や外出時は机の上をリセット」する決まりがありました。社外に出る時、帰宅を含めて「机の上に出して良いのは電話機だけ」というものでした。
初めは「どうしてそんな面倒なことを?」と思ったものです。ところが、はじめは「決まりだから」仕方なく従っていた習慣ですが、1週間もすると慣れて何とも思わなくなりました。
むしろ、翌朝、出勤した時にいつもまっさらなすっきりした状態で仕事のスタートを開始できます。一日一回机の上をリセットする効果のメリットについては、体験済みです。
ただ、現在自宅ではつい、モノを置きっぱなしにしてしまいます。あらためて行動を見直したいと思いました。
さいごに
ここで挙げたのは本文中の一例です。
たくさんある項目から、早速実践できそうなものから取り入れれば良いのではないでしょうか。