新型コロナウィルスから自分を守ること、一番大事なものは情報だそうです。
同時に、結論を決めつけないことだそう。新型コロナウィルスは誰にと言っても未経験なので、新しいことに対して考えを改めることが重要だそうです。
著者は感染症の第一人者である医師です。
いろんな情報がありますが、確かな情報を得ることが大事だと思います。
そういう意味でも、このような本を一読しておくことは大きな意味がありますよね。
信ぴょう性がわからない情報に不安になるのではなく、確かな人が発言していることを聞いてみて、それに沿った正しい判断をすることが今、いちばん必要だと痛感します。
著者の岩田健太郎さんは現在、神戸大学の教授です。
今年2月には、集団感染が発生しているダイヤモンドプリンセスに乗船し、事態を目の当たりにしたことでも注目を浴びています。当時、著者が見た、体験した様子がつぶさにこの本に記されています。
書籍の前半は、私たち一般人が感染を防ぐための基本についての話が中心です。
後半は今回の新型コロナウィルスをとりまく、社会のシステムについての問題点などについて触れられています。ダイヤモンドプリンセスの話もそのひとつです。
医療と感染をとりまく複雑な社会の事情はまた、違う問題を多く含んでいるというのが現状なんですね。
今回のこのブログ記事では、主に私たちが日常生活で注意するべき点や、疑問点について特に注目したい点についてまとめてみました。
PCRは診断の拠りどころにはなりません。陽性の場合は喉に新型コロナウイルスがいることの証明になりますが、陰性だからといって罹っていない証明にはならない。
何かと話題のPCR検査ですが、検査をして「陰性だった」と安心できないのが大きな問題なわけですね。
現段階では、コロナであるという「診断」はできていないけれど、コロナであるという「判断」をしておけば、対応に間違いはない。仮に違う病気だったとしても対応できる判断をすればいい。
そもそも検査の精度が高くないのだから、疑わしい症状があれば「コロナかもしれない」という対処をすればいいということですね。
検査をして陰性だからといって「あーよかった」とはならない点は、あまり知られていないことではないでしょうか。
さらにこれって、一般のインフルエンザにも言えると言うから驚きです。
じつはこれまでにも、正しく診断することが現実的ではなく、本来は正しく判断する戦略を取らないといけなかった感染症があります。 それは、インフルエンザです。
熱を出すと学校でも会社でも病院から診断書をもらわないといけないですよね。
じつは病院で使うインフルエンザの迅速キットって、結構間違えるんです。新型コロナウイルスのPCRと同じく6割程度の感度しかありません。
一般のインフルエンザの検査の精度が6割なら、ホント意味ないですよね。
それでも学校や会社から診断書提出が求められるから、病院行かないといけないわけです。本当は普通の風邪でもインフルエンザをもらってくることになりそうだと思いながら病院に行くことにいつも「なんだかなあ」と思っていました。
それでも検査すれば白か黒かがわかるから、仕方ない、と思っていました。ところがまさかの6割とは。
つまり、「ウイルスがどこにいるか分からない」のなら、「どこにでもウイルスがいる前提で考える」ほうに発想を変えるんです。どこかを触ったらアルコールで手指消毒をする。アルコールで消毒すれば、コロナウイルスはすぐに死にます。
ひとまずはアルコール消毒ですね。
我が家でやっているのは、例えば宅配の方が帰った後は
インターホン
ドアノブ
荷物
をアルコールティッシュで拭いています。
最後に床をふいて、手を洗ってやっと完了という感じです。
それより大事なのは、自分の手の消毒だということがよくわかりました。
それから疑問に思っていたのは服です。
散歩に出かけた後の服は、いったいどこまで洗うか消毒が必要なのかがわかりませんでした。散歩でも結構、人とすれ違います。
ですので表面に着ている服は帰宅したらすぐに脱いで洗濯していました。
でもこの一文を読む感じでは、散歩くらいならそんなに心配はいらないんだろうなとは思えます。人の多い地域か、そうでないかにもよりますよね。
街で普通に日常生活を送っているとシャツにどんどんウイルスが付いてしまう、という心配をする必要はありません。
仮に感染している人が脱いだ服は熱湯5分につけてあとは洗濯でOKなんですね。
「ウィルスは熱湯で死ぬ」
と知るだけでも安心です。
感染者が脱いだ服にはウイルスが付いている可能性がありますが、ウイルスは熱湯で死にますので、熱湯に漬けて5分くらい置きましょう。その後は普通に洗濯機で洗濯しても大丈夫です。
それから、よくわからなかったのは靴のあつかいです。
これについても解説がありました。
要は、手指さえ清潔にし続けていればいい。 例えば、ぼくたち医者が新型コロナウイルスの患者さんを診るときにはガウンを着て、手袋をしますけど、靴は普段の靴のままで、履き替えません。履き替えると、むしろ、靴を脱ぐ行為のほうがウイルスに触ってしまうリスクがあります。 例えば床にウイルスが付いていても、別に靴の裏を舐めたりしなければ感染しないわけです。靴にくっついてるウイルスが口まで飛んでくることはないですから。
だいじなのはどこかを触ったら手指をアルコール消毒することだそうです。
ただ、自宅の玄関は水まきとかできないので、拭き掃除です。
いつも除菌アルコールティッシュで拭き掃除していたのですが、このとき口元が床に近いから不安でした。
それと以前は玄関掃除ついでに靴底を拭き掃除していました。
でも今の状況って、
「いったいどうすれば?」
と思っていたのです。
靴底をなめることはないけど、顔が近いから
「吸い込んでしまわない?」
という心配です。
確かに出先で靴底を気にしないで良いのはわかりました。
ですが、自宅の玄関掃除と靴磨きはどうすればいいのだろうと。
一応、私の場合は、以前より玄関掃除の頻度を減らして(がいいのかわかりません)、マスクと使い捨て手袋をして、玄関の拭き掃除をしています。
そして玄関の掃除をしたら、入浴。・・とりあえずはそんな感じで過ごしています。
つまり玄関掃除はホコリが飛ぶので、入浴前にやっています。
こういうことって気にしだすとキリがないけど、気にしないでもいられないのが難しいところです。
この本には、以前、災害時の避難所で住民の方がノロウィルス対策のトイレ掃除で疲弊した話がありました。著者はそこで一時間おきの掃除ではなく一日に一度の掃除でいいと指導した話がありました。理由は、トイレをなめるわけではないから、ということです。
床について気にするのも、それと同じことなんですね。
消毒したいのなら、手すりやドアノブなど手で触れるところを中心にして、床は普段のとおり掃除すればいい。見た目がきれいであればそれでいいでしょう。 それよりも、手指消毒さえしっかりしていればどこを触っても問題ないので、家のドアノブをきれいにするという発想よりは、手指消毒をしっかりするという発想のほうがより正しいんです。
手指消毒が大事ということをよく覚えておくことにします。
そもそも、一般論として「免疫力アップ」という言葉はだいたいインチキだと思っていいんです。
最近、ネットスーパーでは免疫力アップにいいとされるのか一定の品が品薄気味です。
でもこの一文を読むと、こうした表現はインチキだとわかりますね。
確かに免疫のバランスが良くないから花粉症にもなるわけです。
免疫は高すぎると困ることにもなりましすよね。
「免疫力」とは病原体に対抗する力、つまり生体防御反応の強さのことです。これは、強くなれば強くなるほどいいものではなく、むしろ害になります。 例えばアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症、関節リウマチなどの症状は「自己免疫疾患」に分類されますが、これらは全部免疫力
狭く閉ざされた環境に行かないこと、それが大事ですね。
また、今の段階で日本で起こっている感染はほとんどがクラスターによるものです。クラスターをつくりやすい、狭く閉鎖された環境は、街を歩いていて感染するよりもずっとリスクが高いことを認識しておきましょう。
緊急事態宣言が解除されたところが多数ですが、私の住まいも家族の勤務先もまだ緊急事態宣言は続いています。
仮に解除されても、実際はまだまだ油断できないと考えています。
かえって解除されてからのほうが、より注意しないといけないと考えています。
緊急事態宣言が出ているうちは、まだ人の流れが少ない状態です。
けれども解除されれば当然、人の流れが出来、その分注意が必要になります。
完全に感染リスクがなくなっての解除ではないわけですから、まだまだ油断をしないで生活する必要がありますよね。
こういうとき、利便性の良い首都圏はメリットがデメリットにひっくり返ります。
これまで、こんな状況は誰も経験したことがないわけですから、首都圏の利便性のメリットも考え直す時に来るかもしれませんね。
そうかといって、地方の暮らしが手放しで「良い」と言えるかというと、これはこれで、個人的には選択の余地があまりありません。
今回はこの記事ではあまり触れませんでしたが、医療を通じて垣間見える社会というのもまた、複雑な問題があることを知りました。
けれども、1つの光を見た気がしたのは、何といってもこのような素晴らしい方がいることです。今は誰もが出口が見えないトンネルに入っている気持ちでいます。
でも、このように出口に向けて懸命にがんばって下さる方が大勢いるということに、ありがたい気持ちと共に、コロナ完全終息も夢ではないと思えました。