簡単に暮らせ

ちゃくまのブログ。女性ミニマリスト。合理的な家事、少ない服で暮らす、家計管理、お金、捨て作業のコツ。好きなことをして生きる暮らしの追及

書評『競わない生き方』



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競わない生き方 (知的生きかた文庫 あ 46-1)

はじめに

「あ!やっちゃった・・?」

読み始めたとき、実は思ったんです。

「怪しいスピリチュアルを取り込んだ、地に足がついてない本をうっかり買ってしまったんだろうか?」

と。結論から言うと、それは間違いでした。

前提として、著者は弁護士と医学博士の資格を持ち、現在は都内の千鳥ヶ淵公園の向かいで法律特許事務所を経営している方です。

ただ、パラパラとページをめくると、どちらとも取れないと感じました。たいていの本は、書いてある空気をだいたい予想できるものです。

ところがこの本は、ちょっとわからないのです。というわけで、

「弁護士(医学博士でもある)か。まずは読んでみよう。」

とまずは読んでみることにしました。

もくじ

「真に受けないように」と書かれて戸惑う

とはいえ、「?」の嵐で冒頭はとまどいました。というのも、冒頭にこう書いてあったからです。

くれぐれも「真に受けないように」とお伝えしたい

「真に受けないように」・・って、じゃあこの本を何のために読めと言うの?意味が分からない。変な本を買ってしまったのかもしれない。・・正直、覚悟しました。けれどもその推測ははずれていました。

宗教に共通するほころび

読み進めてわかったのですが、著者が「真に受けないように」というのは、どんな主張も「この世に絶対的なものはない」ということでした。

すべての価値は相対的なもの。著者はそれを司法試験の勉強中に気づいたそうです。

また著者は以前、新興宗教の方から誘いを受けたそうです。

その方は論理的に説得しようとしたのです。ところが著者は多くの宗教にも共通する、ある点で論理のほころびを見抜いています。

条件付きの幸福はおかしい

それが何かというと、

  • 団体への加入
  • 団体への金銭支払い
  • 布教活動

です。これってつまり、

「これらの条件(団体に加入して、会費などを支払い、新規加入者を勧誘すること)があって「あなたは幸福になれます」

ということ。

もっとも、もとは崇高な精神を伴って誕生したはずの宗教でしょう。けれどども、先に挙げたことは内部から腐敗していく要素だといいます。

もちろん、本当に純粋な気持ちで関わっている人も多数いるそうです。ですが、その実態を垣間見れば、「幹部が一等地の豪邸やタワマンに住んだり、きらびやかな宗教施設を建てたりしている。この必要があるのか。そのお金があるなら苦しんでいる人の救済に使えないのか」ということです。

善悪のラベル張りをやめる

続いて著者は弁護士でありながら、「善悪のラベル貼りをやめる」とことを主張します。ここでは善悪二次元論という視点を入れています。

物事には善と悪の2種類があるとい視点です。

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テレビ番組でも映画でもゲームでも、見ていてスカッとするようなストーリーの多くは、悪人と善人がいて、善人が悪人に立ち向かうストーリーです。

「水戸黄門」も、「ウルトラマン」も、「半沢直樹」も善人と悪人がバトルする番組は多数あります。

こうしたものを幼い頃から見ているせいか、世の中には前悪の二種類しかない考えに凝り固まやすいのでしょう。

著者は人幸せを感じる原因として、自分が「善悪二次元論のに立っていないからだろう」と言っています。

法廷で散々それに伴う経験をしたそうですが、弁護士でありながらニュートラルな視点で得られる快適さをの上では、制約ゲームに戻ることも無いそうです。

身近な例では、例えば嫁と姑、ママ友、同僚などのバトルも見聞きします。これらでは「誰それが悪い」というような善か悪かの二極で判断するからすべてがそう感じるのかもしれませんね。

第1章 問題をあえて問題視しない

「私の話をそのまま信じないでください」

著者は講演の機会に参加者に伝えると、だれもが驚くそうです。確かに本書の冒頭でも私は驚き戸惑いました。

「真に受けないように」

と書いてあったからです。けれどもこの点は、著者が誠実な表れだということは、読み進めるとわかってきます。

著者が本書で主張することであれ、情報をうのみにしないで、自分の直感を大事にしてください・・という意味なんですね。

世の中に多数ある情報は、あおられるとその受け入れてしまいがちになるといいます。結果、内面が混乱して「情報依存症」となってしまうそうです。

確かに、例えば現在はコロナに関する情報がはびこっています。そのような中では、混乱して正常な判断ができい様子が垣間見えます。

恐怖や不安があり、それを利用してあおる情報があるのは、いつの事例もお決まり。様々なパターンが現れては消えています。

著者は言います。判断する基準は、

「その意見やアドバイスが、自分の自由を広げるか、それとも自由を制限するものか」

だそう。

自由を広げるアドバイスはけ入れても良い。けれども制限する感じであれば「受け入れる必要はない」と言うこと。

また、そもそも問題としていることが、問題ではない可能性を考えてみる重要性を説いています。

たとえば、会社を辞めることや、不登校といった問題は、世間一般の尺度で見れば問題に見えます。

けれども冷静に判断すれば、それらは問題とは言えないともいえるわけです。問題は「問題だという認識」が作り上げているとも言えますね。

 

第2章 過去とも他人とも競わない

ここで著者は「運がいい人」、「悪い人」という区別についての例を挙げています。運がが良い人は「良い流れを経験したい」と考えていますが、運が悪い人はそもそも「悪い流れを経験したい」と思っているのだそうです。

つまり、運をよくするも悪くするも、全ては自分が決めているということですね。

例えば運が悪いと言われる人は、「どうせ自分の人生なんて」「だめに決まっている」と、自分にダメ出しをしているのだそうです。

人生を快適に過ごしたいなら、どのように過ごしたいのかを具体的にイメージすることから始める。そしてその言葉をノートに書き出したりイメージをする。そして大事なのは、自分だけがより良くなるようなイメージではなく多くの人が笑顔に溢れるようなイメージをすることだそうです。

第3章 嫌いな相手と思う魂ではつながっている

これからは急速に分裂から「統合」の時代に向かうと著者は言います。特に医学医療の世界では、対症療法的から本質療法的な発想を採用する医療機関が増えているそうです。著者がから携わっているホメオパシーも全体医療の1つだそうです。

※ホメオパシーについての詳しい情報はこちら(まだはっきりしない点が多いようです)

www.ejim.ncgg.go.jp

第4章 魂の世界には争いなどない

この章では、スピリチュアル系の話題に眉をひそめる方は(実は私の基本スタイルです)食わず嫌いになりそうなタイトルです。

けれどもなぜ、この本を手に取り読み進めたかといえば、著者の基本となる価値観が「みんながより良くなること」を望んでいると知ったからです。また、初めから「真に受けないでください」と前置きするなど、自分の主張が怪しまれることも冷静に客観視しています。

著者は弁護士なので、基本的に相手と競い勝利をすることが職業としての基本スタイルのイメージです。ところが冒頭にも記載がありましたが、法廷ではたまたま競う関係になりましたが、その内情は競う事態が目的にあるのではないと相手にも共感をもたらしている点です。同様のことは、法廷に限らず、すべての関係に言えると感じます。

細かなピンポイント的な話については「これはどうなんだろうな?」と思う話題がありますが、「競い合わない」という点は私も共感します。

第5章 競う前に内なる声を聞け

はじめに、自分のことが好きでしょうか。NOと答える方が多い気がしています。自分を愛せない人が他人を愛せないのは当然の流れですが、ではなぜ、そういう考えになるのかを著者は説いています。これこそが「制御思考」の落とし穴のなせる業だというわけです。

制御思考とは

ちなみに制御思考とは、行動経済学者のダニエル・カーネマン博士が提案した2種類の思考の1つです。大雑把に言えば、人間には二種類の思考があり、自動的思考と制御的思考があるというわけです。自動的思考は努力しないでもできる思考のことで、制御的思考は努力を要する思考のことです。

感謝の視点が幸福を生む

本書では「自分を愛さない」ことは単にそういう選択をしているだけ、と言っています。ただし「なぜ」を繰り替えし、自分を淡々と見つめると気づきがあるそう。ただしこの場合、自分で裁きを出さない点を注意しています。

著者のクライアントには大手企業のコンサルタントの方が、面接の項目は最後の一点を見れば済むといっているそうです。それは「親は好きですか?」という問いだそう。「親に感謝できる」と書いている人を採用すれば、だいたい間違いないと答えているそうです。

これはどういうことかというと、文字通り親に感謝している人を選べば採用は正解だというだけではありません。

これはつまり、どんな状況にあっても、それを感謝する考えに視点を置く生き様があれば、過去の解釈も変わることを意味しているのではないでしょうか。

さいごに

軽い気持ちで手に取り、読み始めては戸惑いを覚え、読み進めるに従い多くの人は語らない大事な原則が盛り込まれた本は、難解な言い回しもなく平易でやさしい文体です。

とはいえ、一度読んだだけではピンとこない点もあるので、気になる箇所はもう一度読んでみる必要がありそうです。

文体は読みやすいしわかりやすいのですが、書いてある内容はある意味スケールが大きすぎるのも理由なのでしょう。

いずれにしても、無意識にも他者と競い合うような価値観を排除することで、別の視点が生まれることを教えられました。こうした価値観は最終的に、何より自分が楽になれることでしょう。