簡単に暮らせ

ちゃくまのブログ。女性ミニマリスト。FP。合理的な家事、家計管理、少ない服で暮らす、お金、節約、捨て作業のコツ。好きな事をして生きる。

「ポジティブ思考の鬼」・アランの『幸福論』



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こんにちは ちゃくまです。このブログは暮らしに関することをつづっています。

・ミニマリスト的な暮らし方 ・家事を簡単にする工夫 ・お金に関する管理方法(筆者はファイナンシャルプランナーです) ・世間に惑わされない生き方 ・・など。お役に立てたらうれしいです。

はじめに

コロナ禍では

「しあわせってなんだろう」

ということを、ふと考えることはありませんか。

 

また、気持ちがふさいでしまって、堂々巡りに困っている方もいないでしょうか。そんな折、食わず嫌いだった古典に、読みやすく明るい気持ちになれる本に出合いましたので紹介します。

 

この本を読んだ感想を一言で表すと、

「ポジティブ思考の鬼」

です。

 

アランの幸福論 エッセンシャル版

・・というとなんだか、うさんくさく感じるかもしれませんが、そんなことはないですよ。書いてあることが「すっ」と心に響きます。

もくじ

漫画もあります

実は本書を読む前に、漫画を読んでみました。古典はなんだか言い回しが分かりにくそうと思い、

「初めに概要を知れば読みやすいかな?」

と思ったんです。

 

それがこれ。キンドルアンリミテッド読み放題で読めます。 

 出版社で仕事を始めた女性がアランの幸福論を取り入れて生き生きとしていく様子が描かれています。

ただし、思ったより漫画のたとえがちょっと難しく感じました。おそらく、『幸福論』の中でも比較的、むずかしい文章が取り上げられているからかと。

『幸福論』自体、そのような文章は少なめです。そうかといって、漫画だから優しすぎることもないので、安心して読み進めてください。

 

アランの『幸福論』は「世界の三大幸福論」の1つ

ちなみに古典の『幸福論』というタイトルの本は、世界中で読み継がれているヒルティ、ラッセル、アランによる作品で「世界の三大幸福論」と言われているそうです。

 今回はアランの『幸福論』で1925年のものです。書籍によると、この本↑はエッセンシャル版なので、次は岩波文庫などの完約版↓を勧めています。

 

今回はエッセンシャル版ですが、↑を読んでみたいと思いました。一部を紹介しますね。

気になった部分を抜粋

悲しみは、実は赤血球の数の問題なのだとわかれば、話は早い。

 悲しいという感情は心の問題とされますが、実は身体の反応だと言っています。心の問題だと思うと気がめいりますが、身体の問題なら「時期が来れば落ち着くだろう」と思えますよね。

ちなみに悲しみって、号泣するような悲しみだけじゃないですよね。たとえば「なんか、マウンティングされた?」という感情も悲しみです。

「なんだかやる気が出ない」

という漠然とした焦燥感も悲しみです。

  

病気のまねごとではなく、健康のまねごとをすればいい。

 どこか調子が悪いと周りの人に自己申告したくなってしまいます。これって考えてみると病気を強化してしまうのかも。

それよりも

「いやあ~調子が良くって!」

というようにはつらつとしているほうが、実際に健康に近づけそうです。

バイオリンでも手にとって弾きはじめるほうが、頭で感情を追い払おうとするよりもずっと簡単。これが賢人の知恵である。

 何かネガティブな感情が渦巻いているようなとき、とりあえず手を動かしてそれを表現してみる。

頭でもんもんと考えるより、絵をかいてもいいし歌を歌うのでもいいし、何か形にしてみるほうが、良さそうです。

世の中の芸術って、つまりはネガティブな感情を含めた表現が多いですよね。確かに頭で考えるなら形にするほうがずっと素晴らしいです。 

 「悲しみはけっして崇高なものでも、美しいものでも、有用なものでもない」と。

 悲しみにひたっているような渦中は、ある種「悲劇の主人公」に陶酔しがちです。けれども実は、こうした状態は自分をよいほうに向かわせません。

悲しみに浸ることは、

「美しくも有用でもない」

と自覚しておけば、早々に見限ることができそうです。

 

「本物の音楽家とは音楽を楽しむ人のことであり、本物の政治家とは政治を楽しむ人のことである。そして、楽しむのは能力のある証拠だ」。これは、アリストテレスによる驚くべき洞察である。

 本物とは、その対象を楽しんでいる人だというわけですね。

 

喜びは、どんな名医よりも身体を健康にするのがうまい。

 確かにどんなことも、喜びがあると一瞬に喜びが勝って塗り替えてしまいます。

寒さに負けない方法はただひとつ、寒さを喜ぶことだ。

 本来は比喩的表現なのでしょうが、文字通り寒がりで寒さが苦手と思うのではなく、寒さがあることを喜ぼうと思いました。

例えば真夏の蒸し暑い暑さに比べたら寒さはありがたいし嬉しいですよね。まあ中間が一番良いのですが。

ほかの人はどうだか知らないが、わたしは、未来のことは考えず、ただ目の前にあることだけを考えるほうが好きである。占い師に手相を見てもらいに行くつもりもなければ、ものごとの本質を見抜こうとして未来を予測しようとも思わない。

 こうした部分を読むにつけ、仏教の概念と似ているとも感じます。マインドフルネスも「今ここ」に集中しますが、目の前を大事にする感覚を大事にしたいですね。

上記の理由として以下の文が続きます。

人間はそれほど先まで見通せるとは思わないからである。だれにとっても、その身に起こる大事なことはなんであれ予期せぬことであり、予測不可能なのだ。

 確かに世の中は予測不可能なことばかりです。

「目の前のことに集中する。」

私もそのように生きていきたいと思います。

「人が耐えなければならないのは現在だけ。過去も未来も無害である。なぜなら過去はもう存在しないし、未来はまだ存在しないのだから。」 

 確かに。過去は過ぎたことで、変えることはできませんよね。また未来はまだ「ない」のだから存在すらしていません。過去も未来も存在していなくて、あるのは「今」だけ。

当たり前なんだけど、過去と未来にこだわってしまう人が多いのは人間の脳の特性のなせるわざなのでしょうか。

アランの幸福論 Propos sur le bonheur

アランの幸福論 Propos sur le bonheur

  • 作者:アラン
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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今回紹介した本は現在(記事執筆時)キンドルアンリミテッド読み放題対象本です。

 さいごに

とっつきにくい本かと思いきや、そんなことはありませんでした。ただし読み流すのではなく何度も思い出したときに繰り返しページをめくりたい本です。

ほかの『幸福論』も、あわせて読んでみたいですね。