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私たちは「貯蓄」を「買っている」・『マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』読書感想



こんにちは ちゃくまです。このブログは暮らしに関することをつづっています。

・ミニマリスト的な暮らし方 ・家事を簡単にする工夫 ・お金に関する管理方法(筆者はFPです) ・世間に惑わされない生き方 ・・など。お役に立てたらうれしいです。

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はじめに

今回は、社会ブロガーちきりんさんの著書、マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法を紹介します。

ちきりんさんの、シリーズ本を続けて読んでいます。

もくじ

マーケットって何?

マーケット=市場とは、かなり大雑把な言い方をしてしまうと、

「お互いが持っているものを交換する場所」

のことですね。(本書にはもっと詳しい説明があります。)

マーケットという言葉を聞いて、たぶん主婦のみなさんは

「全然関係ない」

と思うかもしれません。実際、私がそうでした。だからだいぶ前に出版されている本書を、今回まで手にしなかったのです。

ですが改めて本書を読んで、マーケット感覚は老若男女、すべての人に必要なことだと知りました。

当然、ビジネスに限らずマーケット感覚を意識することで有利になれるのです。例えば就活も婚活も、突き詰めれば自分をマーケットに公開することなんですね。

もちろん、マーケット感覚を身に着けた最終的な恩恵は、単に個人が有利になれることでだけではありません。世の中全体が、より良くなれる大きな手掛かりになれることです。

私たちは「貯蓄」という金融商品を買っている

おどろいたのは銀行預金(貯蓄)でさえも、実は市場で取引されている一つだという事実です。つまりは洋服や旅行や車やおいしい食べ物を買うことと同じく、貯蓄という名の金融商品は市場の取り合いをしているという点です。

ところが私たちはたいてい「貯金は良いことで、消費は控えるべきもの」という考えを持っています。けれども実は、貯蓄も消費する商品と同じ「商品の一つ」だというのです。

金融機関から見れば「定期預金を売る」「ローン商品を売る」だけど、一般人からすれば「銀行にお金を預ける」「住宅ローンを売る」のだそうです。

そして金融機関はこうした市場の取り合いの原則に気づいている。ところが、消費財メーカー、サービス業はその事実に気づいていないそうです。

「物やサービスが売れない」

と嘆く企業は、もしかするともっと大きなライバルである、金融業界という1つ上の「階層」の存在を意識していないから、盲点になっている可能性があるんですね。

同時に「本当に貯金という使い方が一番良いことなのか」については、そうした思い込みをいったん外して考える必要がありそうです。

貯蓄や投資と、洋服や旅行などの買い物を切り離して考えるのではなく、マーケット感覚を持つことで、本来の枠に気づくことができるわけですね。

もしかしたらお金を貯めこまないで、「今」価値のある事にお金を使えば、有意義な体験ができるかもしれません。

ところが多くの場合は私も含めて、貯蓄という商品を買ってしまったがために、そのような機会を失っているともいえます。

このような概念は、一般的な本を読んでいては到底気付けるものではありません。本書にあるように、マーケット感覚は、論理思考ではたどり着けない正解に導いてくれるというわけです。

マーケット感覚の鍛え方

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著者は本書で、

「論理思考とマーケット感覚は鍛えることができる」

と言っておられます。では、どのようにすればそのマーケット感覚を鍛えられるのでしょうか。いわばそれが本書のテーマであると言えます。

鍛え方は5つのステップで、本書に詳細に記されています。

①プライシング能力を身に着ける

プライシング(Pricing)・・製品、サービスなどの価格設定

市場で取引されていない潜在的な価値に気づくのが目標です。

プライシングの体験をすることが大事です。

まずはすでに値段がついているものに、自分なりの値段をつけてみることからはじめてみます。

②インセンティブシステムの理解

インセンティブシステム(Incentive system)・・インセンティブ(動機付け)→馬の目の前に下げられたニンジンのように、動機から言動に至る仕組みのこと

泥臭くて複雑な人間のインセンティブシステムを理解すれば、「お金が動機だ」ばかりではないと気付けるそうです。

自分の欲望に素直になることで、ほかの人が欲しいものも理解できるようになるそうです。人の欲望はマーケットになりえるから、そうしたことにフタをしないことが大切なんですね。

例:皿洗いをしたくない

規則や罰則で解決させない。

・・など、

③組織ではなく市場に評価される方法の学び

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従来型の重要な意思決定は家庭、学校、会社など限られた組織で行われていたけれど、最近は市場で行われる例が増えているそうでうす。

今後は組織に選ばれ評価されることではなく、市場に評価される時代になるそう。

ネットの出現で食べログやグーグルの口コミを参考にする人が増えたり、テレビの芸能人以外にユーチューバーが注目されたり、男性中心の会社組織ではなく、ベストセラー本を多発する著名な女性がいたりします。市場は公平なので、出版本などは男女の比率が関係ない世界といえそう。だからこそ、これからは市場が重要な時代になるんですね。

各個人も、学校、会社、地域の枠を超えた感覚が必要になりそうです。

ふるさと納税

この項目で、ふるさと納税に触れられています。従来は財源確保には霞が関という組織に選んでもらう必要がありましたが、ふるさと納税は「市場」に選んでもらうチャンスだそう。

私もこの同感です。ふるさと納税には悲観的な意見を見かけます。「住民の住所地の財源が減る」「有利な返礼品がある自治体はずるい」などです。けれども行政は、財源を増やすチャンスがあるなら活かせば良いし、住民のためにも頑張って欲しいです。

④失敗と成功の関係理解

失敗を恐れて踏み出さない国内の若者に対し、シリコンバレーでは失敗体験がないことは評価対象にすらならないそうです。なぜかというと、何かにチャレンジすれば失敗はつきものだからだそう。

確かに例えばアマゾンのサービスは、時々打ち切られたり新たなサービスが始まったりと短いサイクルで変化があります。あのアマゾンでさえ、「失敗」はあるということです。

ましてや一個人の若者であれば。失敗は当然です。でも肝心なのは失敗をおそれないことではなく、うまくいった場合との関係を理解することあるといいます。

 ⑤市場性レベルが高いところに身を置く

「市場性レベルが高いところ」とは、実際に人々が市場で物を交換する場を目の当たりにできる場所とのこと。

例えば企業の管理部門では見えない、実際の店舗でのアルバイト経験などだそう。確かに「百聞は一見に如かず」といいますよね。「机上の空論」ではないですが、知識があっても実際の現場を体験すると全く違うでしょうね。

また、学びは組織と市場の両方から得ることが不可欠だそう。ところが学校では市場の流れについていけてないそうです。

自分の学びが遅いと感じる場合、原因は市場の学びの不足にあるといいます。つまりは学校の成績が良くても、リアルな経験がないと感覚が鍛えられないという点でしょうか。

本書の最後に近いページに、市場性の高い、低いについての図解が掲載されています。それによると、日本はかなり融通が効いていない国だということがわかります。一方で東京は市場性が大きい地域です。市場性の違いを意識すれば、どこで自分が過ごすべきかも違う視点がありそうです。単に「住みたい街ランキング」などの視点で選ぶのではない点が目からウロコです。

さいごに

先日、ちきりんさんのブログで紹介されていた最新刊自分の意見で生きていこう――「正解のない問題」に答えを出せる4つのステップをきっかけにして、シリーズ本を順にさかのぼって読み始めたのです。

それが今回の本、マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法でした。

ただし、最新刊の本と比較すると、今回の本はちょっと難しいと感じました。もちろん、説明はとても分かりやすいです。

ではなぜ、難しいかと感じたかというと、マーケット感覚は短期間で身に着けられるものではないであろう点です。

本書で著者が言うように、この感覚はセンスや生まれ持ったものではなくて、誰でも鍛えることができるのはわかりました。それが本書の第5章に記されています。けれども実際にこれらを習得するには、ある程度の期間とかなりの実体験が必要だということです。

ということは、意識して持続し続けるには、相当な気持ちと行動が伴います。だから「誰でも実行可能だけれど、実際にこれらの行動を起こす人は少数ではないか。」という気もしています。

とはいえ、だからこそそれを知った後の自分の行動が今後のカギになるというわけです。

マーケット感覚を磨くメリットとして、第4章の最後にはこう書かれています。

既に存在する市場を取り合う競争は、勝つか負けるかだけれども、新たな価値が見つかれば、個人も世の中もどんどん豊かになる、と。

本書を読んで、個人も新たな価値に気づき、自分も世の中もより良くなる方法の一端を担えたら、みんなが幸せになれるだろうと明るい未来と大きな可能性を感じることができました。

 

最後まで読んで頂きありがとう。
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