はじめに
多くの人が「成功者」になりたいと思っています。このような人は、何を指標にしているのでしょうか。今回は日本マクドナルドの創業者がユダヤ人の価値基準ともい手法をもとにした成功法則を説いた、ベストセラーの新装版書籍を紹介します。
この本はもともと、1972年に刊行された本を底本として2019年に新装版として出版されています。著者の藤田田(ふじた・でん)氏は2016年に他界されたそうです。
もくじ
- はじめに
- もくじ
- ユダヤ人の手法を採用して成功した著者
- 昭和の成功者は「えげつない」
- 「女と口を狙え」
- 5千年の歴史を持つユダヤ人の成功率が証明している
- 「お金が欲しい」と思うなら本書を実践する
- さいごに
ユダヤ人の手法を採用して成功した著者
「1972年なんて、そんなに前に出版された本が、現代に通用するのか?」
誰でもそう思いますよね。私もそうです。でも、かつてのベストセラーが復刻するからにはそれなりの理由があるはずです。タイトルには「ユダヤ」の文字がはいっています。この書籍で著者が説く成功法則とはユダヤ人の価値観と考え方がベースになっています。それを著者独自の応用法で活用している視点が紹介されています。
著者によれば、この本を読んでも金儲けができなかったとすれば、内容を守らなかったはずだと説きます。また、ユダヤの商法というのは、そういう商法があるわけではなく、「ユダヤ人が持っている5千年の歴史で実践していること」という意味だそうです。
昭和の成功者は「えげつない」
本書を読んでみると、けっこう「えげつない」表現があります。それは書かれた時代(1972年)が反映されている影響もあるのでしょう。余談ですが、やはり成功者というのは、必ず下品で図々しい一面を持っているんだなと痛感しました。
誤解して欲しくないのですが、決して著者を否定しているのではありません。成功者として行動を起こすエネルギーにあふれている人というのは、きれいごとは言わない、(ここでは)「良い意味での下品さも持ち合わせている」のだという意味です。
参考記事↓
「女と口を狙え」
この書籍に割と多く登場するのは「女と口をねらえ」という内容です。実際に著者はユダヤ人から何度もこのことを聞いたそうです。具体的に「女と口」とはどういうことなのでしょうか。
女性を狙った商売は簡単
ひとつに、商売は女性をターゲットにするほうが、「はるかにたやすい」のだそうです。
確かに女性は服、アクセサリー、バッグ、化粧品、旅行、食事・・といった消費を好みます。もっと言えば結婚して「家を買いたい」と言うのはたいてい妻の女性です。夫(男性)は、家なんてどこでもいい、賃貸でも構わないと考える人は多いようです。
この項目を読んで思ったことがあります。それは消費の多くは女性が生み出していることです。女性は他人との比較に敏感です。また、自分を着飾ることに積極的です。食に関しても「あのランチはおいしい」というような情報を常にサーチしています。
裏を返せば女性である私は、意識しないと消費をうながしやすい。だから、注意しようと思いました。
口を狙った商売は凡人も可能
女性をターゲットにした商売は儲かる代わりにテクニックが必要、一方で口に入るものなら凡人でも儲けることが可能という話です。ここでいう口に入るものとは食べ物をあつかう商売や、酒を出す商売のことだそうです。
確かに女性を狙った商売は現在も通じるものがあると思います。一方で口に入るものの商売は、どうでしょうか。現代では、成功させるのは難しいとされています。けれどもこの本が書かれた昭和の時代であれば、十分通じる話だったのかもしれません。
もっとも、現代では素人が初めて成功するのは難しいというだけであり、スーパーマーケットなどの食品を扱う事業は必ず必要です。だから誰かは成功している人が存在しているわけですね。
5千年の歴史を持つユダヤ人の成功率が証明している
世界中の様々な成功者や、著名人の多くがユダヤ人であることは、薄々聞いたことああると思います。なかでも成功者、つまりお金儲けを成功させた実績を持つ人が多いユダヤ人は5千年もの間、原則を一貫させているようです。
ということは、昭和に書かれた内容であっても、ユダヤ人が持つ商法の価値観は変わりないわけです。今、時代は大きく変わろうとしていますが、こんなときだからこそ、あえて古くから一貫した手法を貫いているユダヤ人に注目する人が増えているのでしょうか。
「お金が欲しい」と思うなら本書を実践する
成功するためには、「お金が欲しい」と思い、本書に書いてあることを実践すればよいそうです。一方で「お金なんか欲しくない」という人もいるだろうし、お金を嫌悪する人もいます。
特に日本人は(日本人しか知りませんが)お金のことを話題にしにくい風潮があります。また、学校で習うこともしないし、どん欲にお金を得ようと思うことは「はしたない」とされる向きがあります。
けれどもそれは、各自の好みの問題であり、他者がわきから口を出すことではないはずです。
さいごに
お金をどん欲に得ようとする、いわゆる「成功者」の人は、「えげつない」側面があると感じましたが、一方で、そのエネルギーのすさまじさが個性としての魅力にあふれていると感じます。
結局、人は自分が望むほうへ導かれていくのであり、自分が願ったように生きるように作られているのだと痛感します。