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ちゃくまのブログ。女性ミニマリスト。合理的な家事、少ない服で暮らす、家計管理、お金、捨て作業のコツ。好きな事をして生きる暮らしの追及

『億万長者は税金を払わない』書籍感想・書評・ブックレビュー



こんにちは ちゃくまです。このブログは暮らしに関することをつづっています。

・ミニマリスト的な暮らし方 ・家事を簡単にする工夫 ・お金に関する管理方法(筆者はFPです) ・世間に惑わされない生き方 ・・など。お役に立てたらうれしいです。

はじめに

今回は、税金を中心としたお金にまつわる真実を知ることができる本を紹介します。

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億万長者は税金を払わない

「まえがき」を読むのに時間がかった理由

著者の本は、以前一通り読んだ経験があります。著者は元国税調査官です。そのような経験のある方が税金を含めたお金周りの本を多数出版されています。

「税金関係の本ならこの方」

と思ってきたのですが、はじめタイトルを見たときは、正直なところ「これまで読んだ本の焼き直しのような本かな?」と思いました。

でも何となくアマゾンから買って取り寄せたのでした。ところがその予想はかなり外れていたので驚きました。

通常は、さ~っと読み流してしまうことが多い「まえがき」ですが、本書は違いました。いきなり「まえがき」から衝撃的な内容がはじまっていたからです。

なぜ、ホリエモンなのか

そもそもですが、表紙になぜか「ホリエモンから税をとれ」と書いてあります。ホリエモン?今更なんだというのだろう。

そんなことを思いながらページをめくり「まえがき」を読み始めました。ちなみにですが本を読む前のホリエモン氏に持つイメージは、

「庶民で地方の出ながら、行動を起こす人。一時はやりすぎてしまって刑に処されたけれど、今はロケット開発など自由を謳歌している人」

です。

実際に同じようなイメージを持つ人は多いだろうし、どちらかというと社会的には弱い立場にある若者に支持されているイメージがあります。

そんな印象を持っていたホリエモン氏ですが、この本の「まえがき」を読んでその考えが一瞬で吹き飛んでしまいました。

というのも、私はこの方の本を何年も前から読んだ経験があるので、発言の内容にはそれなりの信用があると思っているからです。

仮に同じようなことをほかの方が発言していても、即受け入れる気にはならなかったことでしょう。では、何が書いてあり、なぜホリエモン氏なのかについてお話ししたいと思います。

なぜホリエモンがメディアで活躍できているのか

ホリエモン氏がなぜ、今でもメディアで活躍できているのでしょうか。本書によれば、それは単なる「イメージ」だということです。イメージなので、実際にやったこととは異なるわけです。

そのイメージとは、「服役はしていたけれど、日本経済を動かそうとしたすごい人」というものです。

確かに私も同じイメージを持っていました。これまで本も結構読んできました。レベルは全く比較にはならないけど、私も地方出身者であり、親も特に裕福でもない普通の地味な夫婦であるところにも、共感してしまう要素もありました。

ところが本書によれば、彼は時代の寵児などではないし、「ずるがしこい金儲けをする人に過ぎない」といいます。その根拠となる話は本書に多数記されています。

本書で著者は単に、ホリエモン氏を意味もなく取り上げているわけではありません。それは本書の内容を読めば痛感します。

もう一人取り上げられているのは竹中平蔵氏

またホリエモン氏と並んで、本書で取り上げられている人物がいます。それは竹中平蔵氏です。

竹中氏はずいぶん前に、時折目を通していた著者の本で、よく取り上げられていた記憶があります。その本での竹中氏の扱いは、やはり批判的な視点でした。

当時の本に書いてある通りに解釈すれば、確かにとんでもないような気がしました。けれどもその真偽を判断する力が、私にはありませんでした。

同時に、私が認識した範囲においては、それほど批判的な視点の書籍を見かけることが少なかった気がしています。だからそんなことは、本書を読むまで忘れていました。

けれども改めて、久しぶりに竹中氏に対する視点を垣間見て、身震いする思いです。

消費税の目的と真実

本書の後半では、消費税について取り上げられています。現在はついに10%になった消費税ですが、すっかり受け入れている空気があると感じます。

それは「消費税はやむを得ない」という妙なあきらめの気持ちなのでしょうか。でもそれは、庶民の無知であるかもしれない部分を巧妙に利用した策であるとしたらどうでしょうか。

ちなみに堀江貴文氏は、消費税をずっと推奨しているそうです。けれども本書によれば、堀江貴文氏などが消費税を推奨しているのは、「それが彼らにとって都合がいいから」だということです。

理由は簡単で、「消費税は、低所得者ほど負担が大きくなる税金だから」というわけです。

本書の話をまとめると大体次のようになります。

  • 「社会保障」のために消費税は使われていない
  • 所得税と法人税の税収は30年の間に14.7兆円も減っている(消費税導入開始は1989年で直後大企業の法人税、高額所得者の所得税が減税)
  • 一方で現在の消費税は17.6兆円
  • 消費税で新たに使えるようになった財源は3兆円に過ぎない

お金持ちが都合のいい社会

お金持ちの人は、世の中のシステムを作る側に回っています。同時に納得いかないことや、自分が不利になることを見過ごすことはありません。

一方でお金持ちではない庶民は、納得いかないことに意見したり、波風を立てることが「みっともないこと」だと思っています。

実は思っているのではなくて、思わされているのかもしれません。

例えばホリエモン氏が、地方出身者で庶民の出であっても、自分たちと同じ価値観の人だ、仲間だと勘違いしてはいけないのですね。

なんとなくホリエモン氏を、自分たちの代弁者であるかのように勘違いしているケースもありそう。

物事を判断するときはイメージではなく、具体的な言動と数字で判断したほうが良いですね。

さいごに

本書を読むと「よくここまではっきりと名指しをして、人格まで否定することを断言するものだとおどろきました。(本当に人格否定しています)

それは単に口が悪いわけではなく、著者がそう書くだけの根拠と自信がある表れだと感じました。

とりあえず、あなたが庶民だと思うなら、本書を一度は読んでおいたほうがいい。長いものに巻かれるにしても、知って巻かれること知らずに巻かれることでは、天と地ほどの違いがあるものです。