はじめに
片づけ本は、出尽くされた感を持っていました。ところがこの本は、多数ある片づけ本とは全く違う心理学の視点を持った内容です。多数の片づけ本を読んでも片づけられなかった方も、この本を読めば違う視点におどろくはずです。
もくじ
- はじめに
- もくじ
- 片づけられない原因は脳のバランスにあった
- 片づけと嫉妬の以外な関係
- 嫉妬は弱者に向かって行われる
- 私も実家にいたときは「片づけられない人」だった
- 目からうろこの話が盛りだくさん
- 著者はどんな方?
- こんな方へ特におすすめしたい
- さいごに
片づけられない原因は脳のバランスにあった
片づけられない自分に、嫌気をさしたり、なぜか片づけても再び散らかってしまうことにがくぜんとした経験がないでしょうか。
本書によると、片づけられない原因は脳のバランスにあるそうです。けれどもこれまでは、片づけられるかどうかを、本人のやる気や努力によるものだという視点が一般的でした。
結果として、片づけが自分を責めて、ますます落ち込んでしまう原因になっていたのではないでしょうか。
片づけと嫉妬の以外な関係
本書を読んで特におどろいたのは、嫉妬のエネルギーに関する話です。まず冒頭では著者が実際に母親から受けた嫉妬のエネルギーにより、片づけをしなかったエピソードがあります。
著者は片づけられなかったそうですが、大学生になり親元から離れた地で住み始めたところ、急に片づけられるようになったそうです。
その原因として、母親から物理的に離れたので「片づけることで自分より優位になるかもしれない息子(著者)」に脳のネットワーク圏外になり影響をうけなくなったからだということです。実の親子でも無意識の嫉妬というのはあるのですね。
嫉妬は弱者に向かって行われる
嫉妬は「弱者のくせに優れたものを持っている」ということから起きる感情なのだそうです。つまり「片づけ下手」も十分に嫉妬の対象になってしまうそう。これは考えもしなかったことで、おどろきました。
つまり片づけられないと、必然的に「弱者」とみなされ割に合わない嫉妬の対象になってしまうということですね。
私も実家にいたときは「片づけられない人」だった
そういえば私も、結婚前実家にいたときには、母から「片づけられない人」呼ばわりされていました。母の決めつけに関しては「仕方ない」とあきらめていました。
ところが結婚して実家を離れたとたん、「私ってどこが片づけられない人なの?」と自分で自分におどろきました。
実家にいたときとはまるで違い、特に無理をしていないのに、すっきりと片づいているのです。掃除もこまめにやる自分がいました。この本を読んで、今更ですが、その原因が分かったと思いました。
つまり私も、母から「片づけられない人」というポジションを与えられ、下に見られつつ嫉妬の対象になっていたということでしょう。母も無意識であったにしろ、似た事例はあちこちにありそうです。私も嫉妬する側にならないように注意したいと思います。
目からうろこの話が盛りだくさん
このように、この本には目からうろこのおどろく心理学に関する話が盛りだくさんです。当初、薄くて文字が大きいので、そんなに濃い中身が書いてあるとは思いませんでした。
けれども片づけを一つとっても、人の心理というのは複雑で単純ではないことがわかります。一方で、この本を読んで、原因を知れば、すっきりする結果があります。
片づけ一つをとっても、それは例外ではないのですね。
著者はどんな方?
心理学系の読みやすい本を多数出版されています。いずれもわかりやすく、優しい表現の文章が特徴的です。
大嶋/信頼
心理カウンセラー。米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒。アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長、株式会社アイエフエフ代表取締役を経て、現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
こんな方へ特におすすめしたい
片づけができないために自虐感がある方や、もっと効率よく、負担を感じないで片づいた部屋で暮らす方法を知りたい方におすすめします。
さいごに
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Amazon→片づけられない自分がいますぐ変わる本
生活する以上、片づけは永遠に切り離せません。同時に片づけられる人とそうでない人では、かなりの違いがあります。その差はいったいどこから来るのでしょうか。少なくとも片づけをうまくできない状態は、自己肯定感を低くします。単純に暮らしにくくなるし、嫉妬されてしまうという点もコワい点です。
この本を読んで、無理なく片づけをできる自分になり、楽しい毎日を暮らせるヒントになればうれしいです。