はじめに
なぜ、ビジネス系の本を皆さんに紹介したのかと不思議に思われたでしょうか。
それはこのブログのテーマの一つである「ミニマリズム」の流れに関係があります。広く俯瞰すれば、その現象はこの本にたびたび登場する「コモディティ化」と全く同じだと気づいたのです。
今回は、「コモディティ化」と「逆張り(コントラリアン)」についての本を紹介します。ちなみにコモディティ化と逆張り(コントラリアン)の意味は、それぞれこの通りです。
- コモディティ化・・商品の品質が高まると、それ以上代わり映えしなくなる状態
- 逆張り(コントラリアン)・・市場のトレンドの反対の選択をとること(通常は投資の減少に使われることが多い)
もくじ
- はじめに
- もくじ
- ミニマリズムもコモディティ化した
- ミニマリズムがテーマのブログをコモディティ化後に書く意味を考えた
- 「2015年に出版された本書」と「2015年開始の当ブログ」
- オリンピック開催の項目も十分役に立つ
- ミニマリズムだけがブログテーマの全てではない
- この本の印象や読みやすさなどの有無
- 著者はどんな方?
- さいごに
ミニマリズムもコモディティ化した
ミニマリズムのテーマについていえば、このブログを開始した2015年当時はまさに、「逆張り」状態でした。世の中の常識はまだ「多いほど良い」でしたので、「少ないほど良い」という価値観を持つことは異端児扱いされていたわけです。
けれども最終的にはそれがかえって、ブログが注目されるきかけにもなりました。結果として二冊(プラス文庫化された本や台湾で出版された本)の本を出す機会を得ました。→(簡単に暮らせ (だいわ文庫)、もっと簡単に暮らせ)
さらに、はじめは少数派だったミニマリズムの価値観も、次第に人々に受け入れられていったのです。その背景には、芸能人や、人気ユーチューバーの方などにもミニマリズムを肯定する意見が目立ち始めました。
結果として、影響力のある方たちが、ミニマリズムを肯定しはじめたこともあり、今ではミニマリズムを頭から否定するような意見を見かけなくなりました。自分が良いと思う価値観が、多くの人に受け入れられたことは、うれしいことです。
一方では、少し困ったことが起きたのもまた事実です。それはミニマリズムをブログで紹介したところで、まったく珍しいことではなくなってしまったことです。これはつまり、この本でいうところの「コモディティ化」です。
ミニマリズムがテーマのブログをコモディティ化後に書く意味を考えた
ブログで何らかの価値観を紹介して、多くの方に見てもらうにはある意味、何か差別化できる何かがなければなりません。ところがミニマリズムがコモディティ化された現状では、以前と同じような内容では、わざわざ読むメリットを感じないことになってしまいます。そうした疑問を抱いていた時、この本を偶然見つけました。
「2015年に出版された本書」と「2015年開始の当ブログ」
この本は書店で、目立つところに平置きされていました。ところが意外なことに、出版年は最近のものではなかったのです。初版を確認すると2015年の12月とあります。
そんなに前の本が、現在目立つところに置いてあるという状態にも、注目して手ページをめくってみました。
2015年といえば、ちょうどこのブログを開始した年です。結果として何か縁のようなものを感じました。
オリンピック開催の項目も十分役に立つ
通常の場合、ビジネス系の本は、どんなに良い内容の本でも、出版年から時間が経過していると、どうしても内容が古く感じがちです。けれども本書は、十分に現在の状態にも通じる話です。
オリンピック開催に関する項目がありましたので、「現状とコロナ禍にあるオリンピック事情は参考にならないのではないか?」と思う方もいるかもしれません。確かに、実際の背景と当時の状況は違います。けれども心配はいりません。この項目も、十分役に立ちます。
本質の大切さ
この項目で本書は、「日本がいかにして、オリンピック開催を勝ち取ったのか」を例に挙げて、この成功体験をもとに日本が行った戦略から学べることの説明がなされています。ここでは勝利の条件は「本質を見抜く」ことにあると著者は言います。
さらに「あらゆる国の人がスポーツマンシップにより国際交流を深める」という本質を見極めつつ、「日本がオリンピックに最も貢献できる国である」というアピールをする一貫したストーリーとブランディングが成功したことを事例にしています。(ただしコロナの影響で、予定は大幅に変わってしまったのは残念なことです)
本質は何かを考える
つまりこうした例を参考にした場合、私にとって必要なことは、やはり同じように本質を見抜き、ブログの読者さんが求めていることは何かを知り、それに応えることがまず1つと考えます。同時に、もう一つは読者さんがそもそも気づいていない「求めていること」も必要なことだと考えます。
例えば、読者さんが「洋服をどうやって厳選すればいいかわからない」のであれば、そうした情報を提供したい。同時に、例えばFPの資格取得で得られたお金や暮らしに関する情報を提供することで、みんながハッピーになれることを共有したい。
ミニマリズムだけがブログテーマの全てではない
このような流れでブログを続けていれば、決して「ミニマリズムはコモディティ化しているから、もう書くことがない」というようなことは起きません。本書を読み、改めてそのようなことに気づくことができました。
本書にはほかにも多数の、情報があります。どれも参考になりますので、おすすめします。
この本の印象や読みやすさなどの有無
本書は2014年~2015年に連載されたもの、が書籍化されたものだそうです。ですのでいずれの項目も短時間で読み進めるのに適しています。ビジネス、国家事業、芸能界、教育現場、ネット社会その他における戦略がまとめられています。
著者はどんな方?
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
瀧本/哲史
京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家。東京大学法学部卒業。マッキンゼー&カンパニーでコンサルティング業に従事し、独立。著書に『僕は君たちに武器を配りたい』(「ビジネス書大賞」受賞)など
さいごに
一見して、主婦にとっては、とっつきにくい印象を受けるビジネス関連本ですが、実際の事例や具体的な、なじみのある企業名が出てくるので、いずれも親しみを持ちながら読み進めることができます。
私の場合は今回、本書を通してブログ運営の今後のヒントを考えました。同じように、皆さんも現在、自分が抱えている今後の課題について、この本に書かれている戦略を参考にすることは、ビジネスに限らず広く応用が利くと言えます。
一冊の本を読むだけで戦略に関する基本を知ることができますから、かなりお得な本といえます。