はじめに
コミュニケーションのあり方については、私たちの大きな関心ごとの一つです。
それはなぜかというと、現代は多様な価値観の人との交流が避けて通れないからです。
昔は一生を顔なじみの人だけで終えたのでしょうが、現代は違います。ビジネスにしても近所づきあいにしても、顔を合わせる人々の幅は広くなっています。
そこで頭を悩ませてしまうのが会話の在り方となります。
今回は、そうした背景にあっても、「お互いがメリットを感じられる会話をするにはどうすればいいか。」について知ることができる本を紹介します。
もくじ
- はじめに
- もくじ
- 結局どのような会話が理想なのか
- 表面的な中身のない会話がダメな理由
- 会話をするためのフレーズ集
- 話したいことの5割をカットする
- 「無礼な人」との向き合い方
- 著者はどんな方?
- さいごに
結局どのような会話が理想なのか
会話のあり方について、結局のところはどのような内容が理想なのでしょうか。本書を読み通して知ったのは、第一に相手に対して真剣に向き合うということです。これが一にも二にも基本となります。
本書には様々な事例が挙げられています。それらは真剣に相手に向き合おうと思うことで、必然的に自分語りよりになったり、表面的で中身のない会話にはなりようがないという点に集約されます。
表面的な中身のない会話がダメな理由
本書には、中身のない表面的な会話はムダということが語られています。それはなぜかというと、相手の気持ちを無視している行為に他ならないからです。
ところが私たちはつい、会話に表面的にその場をやり過ごすことを求めがちです。例えばそれがビジネスの場合、プライベートな話題や、一歩踏み入った会話はダメとされている暗黙の感覚がありました。
けれどもそれは、ケースバイケースのようです。ときに相手に無関心と解釈されることもあるということがわかりました。確かに無関心はときに、失礼な言葉以上の破壊力があります。
本書の「著者のお母さまが亡くなった時のエピソード」のように、ときに思わぬ傷心をもたらすことがあると知りました。 一歩でも相手に近づきたいのであれば、あえて踏み込んだ会話も必要だということは目からうろこでした。
会話をするためのフレーズ集
一概に言えませんが、話の本題に入らず、ムダな会話に流れてしまうのは女性には多い傾向があると感じます。プライベートな場であればそれもよいのですが、時間的制約のある場面やビジネスであれば、それはマイナス要素になってしまいます。
そこで本書に記載してあるフレーズ集が役に立ちます。本書には「単なる雑談ではない会話をするためのフレーズ」がいくつか紹介してあります。
- すぐに本題に入れるフレーズ集
- 「雑談」をうまく切り上げる方法
- 相手に失礼なく話を切り上げる公式
これらを実際に感情をこめて音読できるように記載されています。普段からこうしたフレーズを意識すれば、「気が付いたらムダな会話をしていた」を回避できそうです。
話したいことの5割をカットする
著者はビジネス向けプレゼンのコンサルティングもしているそうです。特にそうした場面では、「話したいことの5割をカットする」として、断捨離の概念と共通する点があるそうです。つまり話の半分はカットしても問題のないムダであるということですね。
「無礼な人」との向き合い方
誰にでもそりの合わない人はいます。本書では著者が「無礼な人」に対してつい感情的になってしまった失敗談の事例が挙げられています。このような人には感情的にならず、淡々とやり過ごすのが一番だということです、同時にこうした方に対する雑談やお世辞はいらないそう。「口は災いの元」だということです。
著者はどんな方?
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉原/珠央
イメージコンサルタント。プレゼンテーション、コミュニケーションをメインにしたコンサルティングを行うほか、「体感して学ぶ」というオリジナルのメソッドで企業向け研修や講演活動を全国で実施。また「ストレスフリー」をコンセプトにした化粧品、ファッションアイテムなどを扱うブランド『PURA Tokyo』を立ち上げ、会社を経営
さいごに
ちまたのコミュニケーション系の指南書などでは、聞き役に回る重要性が説かれていることが多い印象です。それに対して本書では、そうした指南とはまた違った提案をしています。単に聞き役に回るだけでは、踏み込みが一歩足りないとわかりました。
その根底にあるのは、例えばビジネスの場合、成果を上げるという目的意識があり、相手がいる以上は、相手の要望を知りそれに沿った会話と成果を出すということです。それが大事なのだということを、改めて知ることができました。