はじめに
今回は、投資に興味があるけれど「何から始めたら良いかわからない」、または「国がNISAやつみたてNISA、iDeCo(イデコ)を始めたので、さすがに自分もスタートしようかと考えている。けれどもはじめの一歩が踏み出せないと二の足を踏んでいるかたにおすすめの本を紹介します。
もくじ
- はじめに
- もくじ
- お金偏差値30の状態とは?
- 実践的投資リテラシーは実践しないと身につかない
- 小さな経験を積み重ねることで知識が定着する
- 「株デビューできない症候群」に効く4つのクスリ
- 『投資をすると世の中の出来事に敏感になる』
- 『上場企業は儲かっているのに給料が増えない日本』
- 「貯金でしか増やせない人」と「投資でお金を増やす人」
- この本を読んで「個別株に手を出すのはやめよう」と思いました
- 著者はどんな方?
- さいごに
お金偏差値30の状態とは?
本書のタイトルでもある「お金偏差値30」とは、どんな状態を指すのでしょうか。本書によれば、それは
基本的投資リテラシーがない
ことを指しています。本書に基本的投資リテラシーの例が記されています。基本的なマネー本に載っているような内容です。
同時に細かな状態として「投資リテラシー」と称して①基本的投資リテラシーと②実践的投資リテラシー、があると説いています。本書によれば
①基本的投資リテラシー・・基本的な投資の知識
②実践的投資リテラシー・・
大きな損をできるだけ避けつつ、そこそこのリターンを目指すために必要な知識
ということです。
実践的投資リテラシーは実践しないと身につかない
最低限の投資リテラシーを得るには、一にも二にも教科書を読むことがスタートです。けれども投資リテラシーは、基本的投資リテラシーだけで完結はしないということですね。
それは実践的投資リテラシーを得ることです。
小さな経験を積み重ねることで知識が定着する
これは基本的投資リテラシーを獲得しつつ、実践的な視点を持つ必要性を私も強く経験しました。
例えば少し前に、投資の知識を含めて正確な知識を得る目的でFPの勉強を開始しました。その時には当然、投資の基本的知識を覚えました。
ところが以後に、投資の選択をしようとしても、思ったような判断ができなかったのです。
そこでまずは「あれこれ迷いすぎては一歩も進めない」と判断。思い切ってまずは少額で投資の世界に一歩を踏み出しました。
すると不思議なことに、それまでは見えなかった知識の実感が、急に実感として理解が深まったのです。
- 「ああ、あれはこうだから、私が考える投資先ではない。」
- 「ちょっと待って。あの投資先は、これを確認していない。」
- 「あれ?どうしてこの投資先は、こんなに成績がいいの?」
こんな風に、とにかく一歩を踏み出したことで「わかったような、わからないような」だった、様々な疑問や数字の意味が、急にくっきりと実感として現れだしたのです。
著者が言うところの、実践的投資リテラシーとは、まさにこの経験を指すのでしょう。
「株デビューできない症候群」に効く4つのクスリ
本書を読む人の多くが投資初心者であることを想定すると、特におすすめする項目がこのタイトルのページです。
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ステップ1 証券会社の口座を作ろう!
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ステップ2 初心者向けの株式投資の本を読もう!
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ステップ3 実際に売買して慣れておこう!
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ステップ4 実際に投資する企業を探そう!
本書には各項目ごとに詳細が記されています。
『投資をすると世の中の出来事に敏感になる』
投資をすることのメリットとして、特に注目したことがあります。それは自然と世の中の動きに敏感になるという本書の内容です。
これは、これまで一般預金メインだったときには関心がなかった株価の上下も、投資をすることで初めて世の中に関心が出てきます。
これは裏を返せば自分の人生を、お金を含めて他者に丸投げしないことを意味します。関心を持つことは考えることが必要です。
一般預金がメインだったときは、良くも悪くも自分のお金を、他人任せにしていたことに気づきました。
本書では世の中の動きに敏感になるメリットが記されています。確かにこれは、欠かせないことです。
何も考えずに済むことは楽ですが、その代わり自分が得られたかもしれない利益を不意にする可能性もはらんでいます。
『上場企業は儲かっているのに給料が増えない日本』
日本は20年もの間、給料が増えていなそうです。これは先進国では日本だけだそう。では、日本の企業は利益が出ていないかといえば、そんなことはないそうです。最近読んだ本には、日本人の給料が上がらない原因として、生産性の低さが挙げられていました。
けれどもそればかりが本当に真の原因なのでしょうか。公認会計士でもある著者が、「日本の上場企業は利益が出ている」と言っているのです。
「貯金でしか増やせない人」と「投資でお金を増やす人」
「投資に手を出すな」と言われて長いのですが、それは強引なやり方をしたケースであり、本来は庶民なりの比較的適切な投資のスタイルも存在しています。確かに自己責任だし、注意は必要です。けれども手を出してほしくなかったのは、庶民がこの事実に気が付いてしまい、お金を得るようになると、労働者としておとなしく働いてくれなくなるから・・なのではないかと勘繰られてもおかしくありません。
投資でお金を増やす人とは、このことを薄々気づいた人である可能性があります。一方で一般預金メインの人の場合は、まだ怖くて一歩を踏み出せないか、そうしたことに気づいていないのかもしれません。
この本を読んで「個別株に手を出すのはやめよう」と思いました
お金のことでいろいろ調べている中で、この本を読んだことは大きな収穫でした。
皮肉にもこの本の後半(というか大半)に記載されている個別株(と思われます)の売買のタイミングなどの手法を読んで「とてもじゃないけど、こんなにこまめなことはできない」と判断しました。
やはり私は、インデックス型の投資信託か、ETFの積み立て(か手動の積立)で(ETFも個別株同様の売買はできますが)で手堅く手間を掛けない方法が合っているだろうと判断と結論付けました。
著者はどんな方?
投資に関する本を選ぼうと思い、書店に行くと必ずこの著者の本が目に入ります。ロングセラーの本を多数出版していますので、この分野に関して一目置かれた存在であることは間違いありません。また、単なる投資家ではなく、公認会計士、税理士、ファイナンシャルプランナーの資格を保有しているスペシャリストです。お金に関心を持った方は最低でも一度は著者の本に触れるべきかと思います。
足立/武志
足立公認会計士事務所代表。公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー。株式会社マネーガーディアン代表取締役。1975年神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
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さいごに
GWが間もなく開始します。連休を利用して読書はいかがでしょうか。
お金の運営方法で迷っている場合は、いろんな手法の本を、まずは読んでみることが大事だと思います。すると自分にその方法が可能かどうか、理解できるかどうか、実践する時間があるかどうか、などの判断材料になります。
投資の種類は複数ありますし、考え方も様々です。一つの方法ではなく、いろいろな主張の本を読むことで、気づきが生まれます。
この本は、冒頭に投資初心者向けの基本の話が掲載されています。参考になりますのでぜひ目を通すことをおすすめします。