簡単に暮らせ

ちゃくまのブログ。50代女性ミニマリスト。合理的な家事、少ない服で暮らす、家計管理、お金、捨て作業のコツ。好きなことをして生きる暮らしの追及

『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』書評・書籍感想・ブックレビュー



こんにちは ちゃくまです。

 

f:id:chakuma2017:20210519153742j:plain

はじめに

質問があります。このような世界は、実在すると思いますか?答えは「もくじ」のあとに・・

  • 夏休みは一か月ある
  • 午後4時に仕事が終わる
  • 「女性」を理由にした働き方のハンディがない
  • 学校名によるレッテルの違いがない
  • 清潔であれば2~3日同じ服装でも何も言われない
  • ビジネスでも女性のヒール靴や化粧は求められない

 

今回は、2年連続幸福度世界1のフィンランドのライフスタイルや真相を知り、私たちの暮らしや価値観に活かすことができる本を紹介します。

もくじ

世界幸福度ランキング1位の秘訣とは

 「はじめに」の質問の答えをお答えします。正解は「実在する」です。その実在する国とはフィンランドです。フィンランドは2年連続で世界1位に輝いているようです。

幸福度がありながら、フィンランドのGDPは世界16位で(日本は24位)日本の1.25倍だそう。つまりゆとりある暮らしと経済的な効果は、両立可能だという現れです。

その幸福度の根拠としては、「はじめに」で挙げたような項目が実現している点も関係がありそうです。

ただし、実際にフィンランドで暮らした経験のある著者から言わせると、フィンランドの人々はいわゆる「極楽」のような暮らしに甘んじているわけではないことがわかります。冬はマイナス30度になることもあり、日が差さない

そのヒントとなる質問としては、本書に書いてある「フィンランドの人々に尋ねた質問の答え」にカギがありそうです。「フィンランドのどんなところが好き?」と尋ねるとこのような答えが返ってくるそうです。

  • 美しい自然
  • 安心
  • 安全
  • 安定
  • 福祉国家で最低限の生活の保障がある
  • 機会の平等

「安心」と「安全」は、ほぼ日本もあてはまる

 上記の項目のうち、日本にもあてはまるものがあります。「安心、安全」はまあまあ当てはまると考えてよいのではないでしょうか。

日本の「首都圏に住む人は3割」という背景と「美しい自然」

「美しい自然」については、都心部以外は当てはまります。というか、本来日本は海に囲まれ、四季があり、変化にとんだ自然が美しい国です。

けれども日本の良さを上げるとき、あまり自然の美しさについて挙げる人がいません。理由として、

  • 日本人の3割は首都圏に住んでいること
  • 建物などが密集していて住宅が狭いこと
  • 天災が多いので自然は美しい反面、脅威の感覚が強い

などが「自然が美しい」とはあまり感じない理由になっているのではないでしょうか。ところが本書を読むと、原因はそれだけではないことがわかります。

フィンランドの人々が自然のメリットを感じる理由

フィンランドは自然の美しさをメリットと感じる人が多い反面、実は厳しい自然も併せ持っておるようです。にもかかわらず、人々はこれを幸福感の1つと解釈しているようです。

 その理由は、本書によるとフィンランドの人々は、仕事を早く切り上げて時間にゆとりがあることに秘密があるとわかります。

結局、美しい自然があっても、それを楽しむ時間とゆとりがなければ、その恩恵を感じることができません。日本も美しい自然がありますが、首都圏に住んでいれば「自然」にたどり着くまでには少し時間がかかります。

また、日々気軽に散歩やジョギングを楽しむための身近な公園で過ごす時間もない。住まいは限られたスペースなので、ますます心身のゆとりがなくなるというわけですね。

日本の「最低限の生活の保障」とは微妙な違いがある

  「最低限の生活の保障」がある点についてですが、これは微妙な違いがありそうです。一応日本も 「最低限の生活の保障」がされています。けれども実態は、フィンランドの在り方とはだいぶ違う事情がありそです。

私たち日本人の多くは、特に将来の暮らしについて不安を持っている人が多い印象です。それは突き詰めると「生活の保障」がされていないと考えるからであり、フィンランドのそれとは違う背景がありそうです。

日本の「機会の平等」は課題が多い

 「機会の平等」の1つは、つまり主に教育の機会を得られるかどうかということです。教育の機会を得られるかどうかについては、日本はまだまだ課題が多いわけです。

本書を読み通して感じたのは、フィンランドではそうした「スタート地点の差」がことごとく排除されている国であるメリットを強く感じました。

例えば日本の場合は、地方と首都圏に生まれ育った場合、地方生まれでは「そもそもの機会にすら気づけない」という見えない格差があると考えます。

ところがフィンランドでは、そもそもの出身大学名等でバイアスがかかることはないというのです。大学名のみならず、様々な価値観の違いによる階級差のバイアスもないようです。

フィンランドは「選択の自由度」が高い

著者がフィンランドで感じたのは選択の自由度が高い点だそう。というよりも選択を限定する要素が少ないのだそうです。

通常日本では障壁になってしまうこと

  • 結婚
  • 出産
  • 転職

などの人生の転機で、

  • 年齢
  • 性別
  • 家庭の経済状況

・・が障壁にならないというから驚きます。半面、本人が自主的に行動しなければならないので、ある程度おぜん立てしてくれる傾向のある日本にはないある種の厳しさも併せ持っているといえます。

 

トレンドはフィンランドの「シス」

近年、世界幸福度ランキングナンバーワンに輝いたことなどを機に、欧米でもフィンランドに注目をしているそうです。なかでも最近、注目されているのはフィンランドの「シス」だというのです。

これは日本で最近言われている「無理をしない」とか「ゆるく生きる」とはある種反対の感覚です。そうかといって、日本の「がんばる」ともまた違う。説明が難しい「シス」はフィンランドの人々も安易に使わない言葉だそうです。

では「シス」とは何かと言いますと、「困難に耐える力、ガッツ」というニュアンスですが、「内に秘めた強さ」を表すと言えば一番近い感じがするでしょうか。

フィンランドの有名企業である「ノキア」の元SEO、ヨルマ・オッリラも2004年に「シス」と使い会社の精神を紹介しているそうです。

つまりフィンランドの「シス」があらわす精神とは幸福感というふわふわしたイメージとは反対にある言葉に、実は集約されていると思えます。

幸福感の柱は自分の強い意志

 つまり幸福感の柱となるものは、基本的に個人の意思にかかっているといえます。確かに国の制度や国民性、働く環境や時間的ゆとりなども大きな影響があるでしょう。同時に、単に制度が整っているから幸福感を自然発生的に得るものではないことがわかります。

「シス」に集約されるように、個人の「こうありたい」という強い意志と長期的に持続し続ける精神、これがあっての幸福感なのだということを知りました。

この本はこんな方におすすめ

  • 時間的ゆとりがないと感じている方
  • 転職、就職、進学など人生の岐路にある方
  • 仕事の効率性を考えている方
  • なんのために働いているのかわからなくなった方
  • 様々な格差に幻滅している方
  • フィンランドに興味がある方

著者はどんな方?

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
堀内/都喜子
長野県生まれ。フィンランド・ユヴァスキュラ大学大学院で修士号を取得。フィンランド系企業を経て、現在はフィンランド大使館で広報の仕事に携わる

 さいごに

 一見不可能に思える、夢のような政策も、可能なのだということを知りました。もっとも、その背景は国の違いがあるので、一様にはいきません。

一方で、フィンランドの人々のシャイな国民性は、日本人と少し通じる部分があると案じます。

幸福感というのは、与えられるだけでのものはなく、自分で行動選択を重ね、突き進む強い精神も併せ持ってこそ得られるのだということを痛感しました。