はじめに
世界のお金持ちが、どうやってお金を増やしているかを知りたくありませんか?
著者は本書で、こう言っています。
最大の無駄遣いは○○しないこと
さて、あなたはの〇〇に何が入ると思いますか?
この本を読めば、国内の価値観だけでは得られない幅広い視点を持つことができます。現代は日本国内だけで物事が完結することはありません。
そこで著者の視点が活きます。日本に国籍があり、母親が日本人の著者ですが(高橋ダン氏)、ニューヨークのウォール街で実際に仕事をして、ヘッジファンド会社を共同経営したことのある実績には大いなる興味がわきます。
もくじ
- はじめに
- もくじ
- 「投資はコワい」と洗脳されてきたと思う
- 国が投資を勧めだした
- 事故を恐れて家から出ない人はいない
- お金持ちの金融資産の半分以上は投資資産
- 知りもせずに頭から否定していた
- きっかけはNISA発足
- 本当の無駄遣いとは?
- この本の読みやすさボリュームなどについて
- 著者はどんな方?
- さいごに
「投資はコワい」と洗脳されてきたと思う
お金の勉強をするにつけ、これまで私は「投資はコワい」と洗脳されてきたなあ・・と痛感します。そもそも「投資」の中身を知ろうとさえしませんでした。
「お金を増やす情報」といえば、日本国内で見かける多くは、だいたい国の公式ウェブサイトをアレンジしたような内容のものが目立ちます。それは必要なことです。確かに基本の知識は必要で、無視することはできません。
一方で、知りたい情報とは、これからの新しい時代を生きるためのお金の話です。
もっとも、「虎の子」が限られている庶民の私たちであれば、「お金のことで銀行預金以外に興味を持つなんてとんでもない。」、と子供のから、信じてきました。
けれども、銀行預金がゼロ金利になったあたりからは特に、「もしかしたら、私はこれまで、とんでもない勘違いをしてきたのではないか。」と思い始めました。
国が投資を勧めだした
きっかけは国が急に、投資を推奨しはじめたことです。そして「手を出すもんじゃない」と言われていた投資も、ふたを開けて内容を知れば知るほどに、「基礎知識を知ろうともしなかった」自分の愚かさに気づきました。
具体的には、少なくとも結婚直後から、投資の真実を知り、例えばインデックスファンドでドルコスト平均法で積み上げていたならば、今頃その残高は全く違ったものになっていたであろうことです。
事故を恐れて家から出ない人はいない
自動車事故を恐れて家から出ない人はいません。ところがなぜか、投資に関しては事故を恐れて家から出ないような行動をとってしまいます。まさに私がそうだったわけです。
家から出ることは何らかのリスクを抱えることです。けれどもそうしたことと、共存しながら生活しています。
インデックスファンドとはいえ、投資ですから確かに元本保証はありません。けれども、そういうことが心配なのであれば、分散すればいいだけです。
例えば通常の円預金の他、インデックスファンドの投資信託かETFあたりで積んでいれば、昔抱いていたような投資の危うさのイメージと実態は違っていることに気づきました。
お金持ちの金融資産の半分以上は投資資産
この本によれば、金融資産が一億円から3億円の人の半分以上は投資資産だという事実です。
一方でお金持ちというと私たち日本人は、事業で築いた資産が中心だというイメージを持っています。
例えば私が幼いころテレビで観た「ああ日本の社長」で、社長は優雅な生活をしている映像が流れました。
そうしたこともあり,幼い私は
「社長こそが金持ちなのだ。」と、子供ながらに信じてしまいました。つまりは事業で得た物です。
でも、本書が示すように、数字があらわす真実が示すお金持ちは、大半が投資資産で得ているということです。
知りもせずに頭から否定していた
また、お金持ち以前に、ある程度ゆとりのある生活を手に入れる方法は額に汗水たらして労働にいそしむことが不可欠だと思っていました。
労働を否定するわけではありませんが、投資、つまりお金に働かせるなんてことは、まっとうな人間がするものではない。投資はギャンブルでしかない。とさえも思っていました。
確かにFXなどはそうした側面があります。けれども、投資の実態を知れば全く違っていました。確かに注意しなければならないことはありますが、まずは知りもせずに、かたくなに投資を毛嫌いしていたのです。
きっかけはNISA発足
結果として私はつい最近まで通常の銀行預金をメインにお金を運営してきました。けれども国が、NISAやつみたてNISAの制度を作り上げてきたころに、ようやく真実を知ることになったのです。
ということで、私は投資に関してかなり出遅れています。
とはいえ、少し前に気づくことができました。だからこれからスタートすればいいのです。
幸に国も、有用な政策を用意しています。
本当の無駄遣いとは?
さいごに冒頭の○○の答えです。著者は本書で、こう言っています。
最大の無駄遣いは投資をしないこと
老後資金の確保には積立投資を本書で推奨しています。たとえばつみたてNISAなどがぴったりですね。
長い時間をかければ複利効果が得られます。だから始めるのは早いほどいいというわけです。
『多くの日本人は利回りゼロ%の銀行預金にお金を預けている。その理由として投資の仕方を勉強していないからだ(本文を要約して引用)』と著者は語ります。
さらに『周りが投資をしていないので、安心している(本文を要約して引用)』と続けています。
確かに私たちは自分の判断ではなく、周りの多数に右ならえで安心する癖があります。
また、著者は本書で、はじめは少額で試してみることを推奨しています。私もこれには同感です。
投資に疑心があるのであれば、例えば100円投資とか、楽天証券のポイント投資などがあります。少額で様子をみて、大丈夫そうだと実感したら少しずつ金額を増やしていけばいい。
こうしたことは実際に行動してみないと実感できないと痛感しています。
この本の読みやすさボリュームなどについて
この本は、89の項目で各ページで構成されています。横書き&箇条書き&図解が豊富なので隙間時間に読み進められます。
また、著者独自の世の中を大きく俯瞰した視点が魅力です。基礎知識に加え、投資には欠かせないメンタル的な判断についても触れられていて、参考になります。
著者はどんな方?
著者の高橋ダン氏はユーチューブ動画でも発信しています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高橋/ダン
東京生まれ、日本国籍。10歳までの多くを日本で過ごす。その後アメリカに移り、12歳で投資を始める。21歳のときにコーネル大学をMagna Cum Laude(優秀な成績を収めた卒業生に与えられる称号)で卒業。ニューヨークのウォール街で19~20歳のときにサマーインターンとして働く。その後21歳でフルタイム勤務を開始し、投資銀行業務、取引に従事する。26歳でヘッジファンド会社を共同設立し、30歳で自身の株を売却。その後シンガポールに移住。約60カ国を旅し、2019年秋に東京に帰国
さいごに
無駄遣いといえば買い物のことを多く語られてきました。ですが本書を読み、あらためて「投資をしないことは、投資をすることで得られる利益を得る機会を無駄にすること」だと私は解釈しました。
数年前から少しずつ投資に移行していますが、これまでは投資信託メインでしたのでこれからはもう少しシンプルなETFを試してみようと計画しています。
確かに現状維持は楽ですが、生きている以上は常にアップデートするような視点を持ちたいと思っています。
その点、この本はわかりやすいながらも、良い意味で背中をしてくれる本です。