はじめに
今回は、「不安」や「恐怖」との向き合い方に関するお話をします。
さらに、特に意識して欲しいのは、私より若い年代の方々です。(私は50代前半です)
もっと具体的に言うと、「あなたの知らない世界」のような番組を知らない世代の方です。
特に最近は、コロナの影響もあり様々な情報があります。そうした中で少なからず恐怖と不安を抱き、正常な判断ができなくなる例も見受けられます。
そうした渦中にありながらも、自己を見失わないヒントになればさいわいです。
もくじ
- はじめに
- もくじ
- オカルト番組で免疫ができた?
- 恐怖は、実現しなかった
- ある時期から「不安をあおる番組」が姿を消した
- かつての「不安をあおる番組」はあくまでエンタメ
- 「不安をあおる番組」で免疫がついた
- 免疫がない世代は要注意
- 現実を認めよう
- さいごに
オカルト番組で免疫ができた?
昭和生まれの私は、子供のころテレビがメインの情報源でした。そのテレビ番組ですが、今となってはありえないような内容が、大真面目に放送されていたんです。
そのほかにも、ブームがきっかけで世間が騒いでいるような状況がありました。
それらのテレビ番組などは、以下の通りです。初めにどんな内容か書きました。そのあとに影響とその後について続きます。
「あなたの知らない世界」というテレビ番組の季節限定特集
「あなたの知らない世界」
って番組を知ってますか?
これは昭和の折、昼の番組で夏休みになると特別番組として放送されていたテレビ番組のタイトルです。
それは一回あたりだいたい3本建てくらいでした。様々な視聴者の恐怖体験を「再現VTR」として、ドラマ仕立てで放送されるんです。
それぞれの番組の合間には、「心霊研究家」と称するオジサンが、まじめな顔で解説をしていました。それをゲストと司会者が質問したりするという流れ。
その心霊研究家のオジサンは、いたってまじめな雰囲気で、怪しさはゼロだったのが印象に残っています。雰囲気も話し方も、どこかの大学教授みたいでした。
そういうこともあってかどうか、当時小学生だった私はまじめに「解説」を聞いて、その夜は決まって一人でトイレに行けなくなりました。
今では全く笑ってしまうような経験です。ですが、同年代の人は似たような経験があるはずです。
「ノストラダムスの大予言」(書籍発)がブームに
また、同じく小学生になったばかりくらいの頃には、ノストラダムスの大予言がブームになりました。
これは書籍が販売され、内容は「1999年の7月に人類は滅亡する」というもの。当時はかなりの子供が、大人も信じたと思います。
マンガ「ちびまる子ちゃん」でも取り上げられていました。
「口裂け女」(口コミによるデマ)におびえる
他には「口裂け女」が話題になり、当時学校の先生までもが信じていたような気配の記憶があります。
いずれも当時は本気で信じていたし、恐怖におそわれました。
某有名占い師(テレビ出演、書籍多数)
少し後になってからは、心霊ではなく有名な女性占い師がテレビに上から目線な自信満々な態度で登場するようになりました。
占い師は、割と私も大人になって子供が生まれてからブームになっていました。おそらくですが、時代が「ズバリ断言してくれる人」を望んでいたのでしょう。
ところがしばらくして、その占い師もしばらくしてテレビからは姿を消しました。
陰謀論の番組
このほか、これも今思い返せば、あくまでエンタメとしての内容だったと思いますが、「陰謀論」をテーマにした番組もありました。
例えば「タイタニック号」が沈没したことや、アメリカで起きた同時多発テロの真相と称して、陰謀論だとする主張をテーマにした番組です。
これらはその内容を本気で信じるという趣旨ではなく、あくまで映画を見る感覚で楽しむ趣旨だったと今では思います。
でも若い年代のころは、こうした番組を見ると、少なからずマンネリした日常にある種の刺激があります。
そういう意味で、関連書籍を読んでみた時期もあります。けれどもすぐに、陰謀論は眉唾ものであり、主張する人が注目を浴びるがためのものに過ぎないと気づきました。
恐怖は、実現しなかった
子供のころ、恐怖におびえた「ノストラダムスに大予言」は見事に外れたし、「あなたの知らない世界」も全く影響なかったし、「口裂け女」も全くのデマだということがわかりました。
他にもテレビでは、その前後に様々な心霊関連の番組がありました。ですが、ある時期からこれらはパッタリ姿を消しました。
ある時期から「不安をあおる番組」が姿を消した
昭和生まれの私は、このようにして幼い時から様々な心霊番組やオカルト、占い関連の大きなブームの流れを目の当たりにしてきました。
ところがある時期から、こうしたものをテレビで見かけなくなりました。おそらく何らかの規制がかかったのかもしれません。
かつての「不安をあおる番組」はあくまでエンタメ
大人になった今では、わかります。こうした一連の不安をあおる番組の内容はあくまでエンタメとして見るならよいのです。ですが、本気で信じるような内容ではないということ。ホラー映画を見て恐怖を楽しむのと、同じことだったのです。
ところが当時は子供でしたから、まっさらなのでそれらしい表現をされると素直に受け入れてしまっていたわけです。
「不安をあおる番組」で免疫がついた
ただし、そうしたかつての「不安をあおる番組」でおそれおののいた経験は、逆に「あれは作り事だったんだ」とわかる経験をすることになりました。
それが結果として、不安情報全般に対する免疫がつくことになったようです。不安をあおる情報が交差しても、簡単にあおられない免疫です。
おそらく、私と同じくらいの年代以上の人は、同様に不安にあおられにくい耐性があるように思えます。もちろん、個人差がありますが。
免疫がない世代は要注意
一方で、「不安をあおる免疫」がない世代・・の方は特に注意してほしいのです。「不安をあおる免疫」がない世代の目安は、テレビで心霊特番などを目にしていない年代の方です。
テレビその他で不安をあおる情報が消えた時期に生まれた世代の方は、そうした免疫がないも同然といえます。
誤った情報を簡単に目にしなかったことは良いのです。けれども逆にそれが、人によっては耐性のない状態になった可能性があります。
恐怖や不安は、冷静な判断ができなくなります。同時に、自分の行動を正当化する情報を無意識に集めてしまうこともあり得ます。
現実を認めよう
また、不安が強いときにありがちなのは、現実を認めたくないがための情報です。
例えばですが、ある人が病気を患ったとします。
するとその人は病気を認めたくないがために、「先祖の供養をしていないからだ」とか、「家の方角が悪い」とか、「先日、東に旅行したのが悪い」・・のように、因果関係を病気以外のことに見つけてしまうことがあります。
病気は病気として、医師でなければ治せません。この時優先すべきは、墓を建て替えることや(墓を建て替えること自体が悪いのではありません)、お祓いや、家の方角を正すことではありません。
病院に行き、医師の診察を受け、適切な治療を進めることです。
病気にとどまらず全てが同じです。お金のことも、人間関係も、それ以外の問題も。ところが病気という事実を認めたくないので、違うことに真実を見ようとする人もいます。
健康、お金、人間関係、家族・・に悩みのあったり、社会の不安の原因を、根本に目を向けず、いわゆるスピリチュアルに目を向けたり、陰謀論にはまったりしがちです。
さいごに
かつて、昭和ののんびりした時代には、上記のオカルト番組や、預言や、占いや、陰謀論が交差していました。何せ情報が少なく、テレビが唯一の情報源と言ってもよいくらいでしたから、子供や若い年代の人が影響されるのは簡単なことでした。
一方で現代は、ネットなどの多数の情報があります。一方でどんなに偏った情報でも、支持する人が集まりやすい現実があります。
そして若い年代の人は昭和世代の人間のように、「不安をあおる情報」の免疫がありません。それはかつての前述した番組が姿を消したからです。
そうした中にあり、コロナの発生は「免疫がない世代」の人が、はじめて「あなたの知らない世界」を観たり、「ノストラダムスの大予言」におびえているのかもしれません。
大事なことは、現実をよく見ることです。そして現実を受け入れること。不安と恐怖が大きいと正常な判断ができなくなります。
そうしたことを、頭の片隅に入れておいたほうがよいでしょう。
コロナがきっかけで不安がまだ消えない方の、何らかのヒントになればさいわいです。