はじめに
今回は、
「たったひとつのお金を正しく貯めるコツ・ほとんどの人が知らない、家計の○○○を知る」
という話をします。
お金を貯めるために必要な前提
お金を貯めるためには、不可欠な前提があります。
それは家計の純資産の把握です。
タイトルの○○○の答えは「純資産」です。
家計簿を書いて、生活費の把握をしても、資産状況を知らない人は多いでしょう。
次から順に説明します。
資産状況の把握方法
家計の資産状況を知ることは、家庭のお金周りをすべて知ることです。
企業だけが資産状況を把握するのではありません。
個人も資産状況の把握が必要です。
例えば、たくさんのお金が財布に入っていても、その出どころ次第では「お金持ち」とは言えません。
年に1度は資産状況の確認をしましょう。
1・家計のバランスシートを作成する
まずは家計のバランスシートを作成します。バランスシートとは企業でいえば貸借対照表にあたります。
①資産の部
資産の部には以下のようなものを集計します。
簡単に言えば、資産とはプラスの財産のことです。
預貯金や株式や債券、持ち家や自動車など売却した場合、お金を得られる物も含みます。
「金額」には、判断したい時点の日付の残高を記入します。
②負債の部
負債の部は以下の通りです。
負債とは、返済しなくてはならないものを指します。
住宅ローンや返済ありの奨学金、自動車ローン、クレジットカードの残債などを指します。
「金額」には、判断したい時点の日付の残高を記入します。この場合「①資産の部」の日付と同じ日の残高を記入します。
③純資産の計算
純資産の計算は以下の通りです。
①資産合計-②負債合計=③純資産
①の資産の部の合計だけでは、その家計の純粋な資産はわかりません。
②の負債の部の数字を差し引いてはじめて、純粋な資産がわかります。
通常①の資産にだけ注目をして、②の負債を考慮せずに我が家の資産だと思いがちです。
実際はそうではなく、資産から負債の部を差し引いた額が、本当の資産(純資産)です。
このようにバランスシートを作成してみると、通常の家計簿では見えにくい資産状況を確認できます。
2・家計簿を書く
家計簿は企業の帳簿でいえば、損益計算書にあたります。
損益計算書は、収入と経費を計上する帳簿です。
家計簿はなじみがあるでしょう。
家計簿の場合は、給与収入などが収入の部で、生活費などの支出が支出の部です。
厳密には、住宅ローンの支払いは、経費の発生ではなくて負債のマイナスです。
なので、企業ならバランスシートにかかわる支出です。
一方で賃貸の家賃支払いは、純粋な経費なので、企業なら損益計算書にかかわる支出です。
住居費の支出ですが本来は支出の意味に違いがあります。
けれども家庭の場合は、双方を生活費の住居費とみなして家計簿に計上する形式でも良いとします。
ただしその場合は、正確な数字ではなく目安であることを承知しておきましょう。
上記でバランスシートを作成したので、家計簿で収入と支出を計上します。
年間の収入と支出を集計します。
①収入の部
給与やボーナス、パート収入のほか、お祝いでいただいたお金などを集計します。
原則、給与やパート収入は手取り額ではなく、収入総額で集計します。
「金額」には、上記バランスシートで記入した日付の残高が反映されている期間の合計金額を書きます。
②支出の部
生活費や住居費や保険料などの支出を集計します。
原則、支出は給与から天引きされる社会保険料なども集計します。
給与から天引きされている一般保険料や、会費なども計上します。
「金額」には、上記バランスシートで記入した日付の残高が反映されている期間の合計金額を書きます。
住宅ローン返済の扱いをどうするかは、上記で説明したとおりです。
③年間収支合計を計上する(年間貯蓄可能額がわかる)
年間の収入と支出を計上したら、
①年間収入ー②年間支出=③年間収支合計
を計算します。
③年間収支合計がプラスであれば、年間貯蓄可能額の目安がわかります。
例えば③年間収支合計が100万円であれば、年間100万円の貯蓄ができる目安が建てられます。
3・バランスシート、家計簿の年単位の推移をみる
バランスシート、家計簿を書いたら、一年単位で推移を見ます。
特にバランスシートの純資産が年々、どのくらい上下しているかを確認しましょう。
例えば、ある年の純資産が50万円だったとします。
翌年には純資産が100万円に増えたとします。
この場合純資産が50万円増えていますが、その要因を確認します。
反対に純資産が減り、30万円になったとします。
この場合もなぜ、減ったのか原因を確認します。
貯蓄額が増えても、教育ローンや返済が必要な奨学金が増えていれば純資産が減っているかもしれません。
または貯蓄額は前年と同じでも、住宅ローンを繰り上げ返済して、負債が減り純資産は増えていることもあります。
このように一概に貯蓄額の上下ではわからない家計の健全性が、バランスシートを伴って家計簿を確認することで判断することができます。
4・比較検討をする
- バランスシート
- 収支合計
を計上して、
ムダがないか
改善できることはないか
・・などを比較検討します。
例えば年間貯蓄可能額が、100万円と計算できたけれども、
「120万円を貯めたい」
と考えたとします。
この場合、20万円を節約できる項目がないか検討します。
漠然と「節約しないと」などと考え、水道光熱費や食費を削減するのは悲壮感が出やすくストレスがたまります。
一方でストレスなく節約できる方法、例えば
- スマホ通信費の節約(キャリアから格安SIMへ)
- 使わないサブスクの解約
- ガス、電気の契約会社の乗り換え
- 生命保険の見直し
- 家賃が安いところに引っ越す
のように、節約しても悲壮感が出ない節約がおすすめです。
家計費の状況を正確に知ると漠然とした数字とは違うことが正確にわかります。
何が長所で短所なのかを把握できます。
家計の長所と短所を知ることで改善点がはっきりします。
するとお金を貯めるスピードが、早くなるはずです。
やみくもな節約や貯蓄を進める前に、状況を知り戦略を立てることが大事です。
特に資産状況と生活費の把握を100%知ることは大事です。
生活費は家計簿の分野ですが、それだけでは情報が足りません。
バランスシートを作って比較検討することが、より改善を進める目安になります。
まとめ
さいごに
今回は「たったひとつのお金を正しく貯めるコツ・ほとんどの人が知らない、家計の○○○を知る」
という話をしました。
参考になればうれしいです。