はじめに
自動車を手放して、15年超になります。かつて夫婦それぞれ普通車を所有して、主にプライベートでヘビーに運転していました。
それが今では、自動車を持たない暮らしを満喫しています。
何よりお金が貯まりやすくなりました。
※それぞれの状況により、自動車が必要な方もおられます。自動車が好きで生活に活かしている方も同様です。今回の話は絶対的なものではありません。個人のライフスタイルの一例としてご一読いただければさいわいです。
自動車は好きで運転もヘビーにしていた
今回は自動車を持たない暮らしの推奨をお話しするわけですが、筆者は決して自動車が嫌いとか、めったに運転しないなどのライフスタイルだったわけではありません。
むしろ、一般的な女性と比較してヘビーに自動車の運転をしていたほうだと思います。
特に、実家のある隣県に住んでいた時は、山間部の県境を何往復したかわからないほどです。
山道のカーブも高速道路も、雪道も凍結した道も、頻繁に走行していました。
首都圏に越して車を手放す
そんな筆者でしたが、夫の転勤で首都圏に越したので思い切って自動車を手放してみました。
地方住みだった筆者からすれば、首都圏は公共の交通機関が網の目のように張り巡らされています。
それなのに自動車を所有する必要性を感じなかったのです。越してくる前は
「都会の人は自動車を持っていない人が多いのだろうな。」
と勘違いしていました。
結果はNOで、少なくともファミリー世帯で自動車を持っているのが普通で、持たない人はほとんどいないことを知り、驚きました。
ところが近隣の方も通勤通学は電車なので、平日はずっと自動車は駐車場に置きっぱなしなのです。
自動車が動くのは週末の買い物と、ちょっとした用事と帰省時くらいのようでした。
首都圏暮らし初期から自動車を持たない暮らしをスタート
筆者宅では首都圏暮らしの初期から、自動車を持たない暮らしをスタートしました。今から15~6年くらいまえのことです。
ずっと自動車を運転する生活をしていたのですが、自転車をまず買いました。結婚して初めて自転車でスーパーに買い物に行ったときは、いかにも主婦!という感じがしてやけに感動したのを覚えています。
自動車で買い物に行っていたころと比べて自転車はフットワークが軽いので、便利になりました。
移動は公共の交通機関
移動は電車をメインとした公共の交通機関になりました。不便になるかと思いきやそんなことはありませんでした。
むしろ都会の公共の交通機関は、時刻表などいらないくらいに頻繁に来ますから、移動は困りません。
休日のレジャーも変わりました。以前は夫に運転の比重がかかっていました。けれども電車やバスに乗っているので、みんなが同じように運転の心配がいりません。
また多様な駅前や景色、路線は発見があり飽きることがありません。
自動車が必要な時はカーシェアリングやレンタカー利用
自動車が単発的に必要な時はカーシェアリングやレンタカーを利用しています。
例えば夫のゴルフ移動ではカーシェアリングを使います。帰省などでは、実家のある駅からレンタカーを借りたりタクシーを使います。
いずれも車のメンテナンスなどの手間がいらず使う時だけピンポイントで借りればいいので無駄がありません。
カーシェアリングに至っては、近隣に何か所か設置個所があります。申し込み時点で空きがあれば最寄りの車を借りますが、たいていはまるで自宅の駐車場に置いている近さなので圧倒的にラクです。
「自動車を持たないといけない」という思い込みがあった
かつて筆者は自動車がないと生活が成り立たないと思っていました。
- 買い物
- 子供の送迎
- レジャー
- 帰省
- 旅行
- 病院
このような場面で自動車は不可欠で、しかも大人一人に一台必須だとも思っていました。実際に当時住んでいた出身の地方では、成人は車一人一台が当たり前でした。
また、冬は雪も降るため、バスは時間があてにならず、移動手段に不可欠だったのです。
自動車はお金がかかりすぎる
生活に必要なことは当然としても、自動車はお金がかかりすぎました。
また、筆者はバブル世代に若い時代を過ごした年代のため、周りの友人知人も、自動車がステータスという側面が抜けていなかったように思えます。
そのほか、雪が降る寒冷地ではしばしば車の小さい事故がしょっちゅう起きます。自損、他損、物損など状況は様々ですが、雪は本人が意図しなくても事故を誘因してしまうのです。
そうした時、自動車が軽自動車と普通自動車とでは、軽自動車の場合、コストは安いですが、自分の身体的ダメージの確率が高くなります。
そのような理由から、割高であると知っていても普通自動車を選択するという人も多くいました。筆者も同様でした。
けれども普通自動車を持つと、当然軽自動車よりもお金がかかります。結果として我が家は普通車2台を所有していて、車に関する費用の割合が多かったのです。
自動車に関連する支出は多すぎる
改めて自動車を所有することで必要になる費用を挙げます。
- 車両本体費
- 自動車税などの税金
- 自賠責保険料
- 任意保険料
- 車検費用
- 駐車場代
- 出先の駐車場代
- ガソリン代
- 修理費
- メンテナンス費用
- 洗車代
- タイヤ交換費用
- タイヤ購入費用
- オイル交換
- その他
このように、自動車を所有すると様々な費用が掛かります。特に車両本体費用は高額です。
税金は万単位ですし、2年に一回の車検費用も高額です。
また運悪く事故にあえば、修理が必要になることもあります。大きな事故ではなくても、自分で自分の家の外構に車を擦ってしまい修理が必要になるようなパターンは誰にでも起きます。
自動車維持の手間と時間がバカにならない
自動車を持っていると、手入れが必要です。洗車や清掃など、節約して自分でやるにしても、少なからず費用はかかります。
また、その時間と手間も必要です。例えばガソリンを入れるついでに、洗車と清掃を依頼した場合でも、家からの往復を加えるとなんだかんだで2時間くらいの余裕は必要です。
これで休日の大切な時間がつぶれてしまいます。
自動車事故のリスクがある
当然ですが自動車を運転すると事故のリスクがあります。事故の規模は小さな物損事故から命に係わるものまで様々です。
この場合自分で運転をすることで、さらにその危険が高くなります。
移動中も気が抜けない
自動車を自分で運転すると便利な反面、気が抜けません。常に気を張って運転する必要があり居眠りなどは決してできません。
家族や友人で出かける場合でも、運転する人に負荷がかかります。これでは一緒に移動していても、バランスが悪いのです。
出先で駐車場を探す必要がある
自動車は時間的融通がききますが、反面、出先で駐車場を探すのに苦労しなくてはなりません。
また、駐車場から目的地まで遠いことがあります。
特に知らない土地で駐車場の出入りには苦労することがあり、周囲の道路の状況により「近いけれど遠回り」ということはよくあります。
無駄な買い物をしがち
自動車で有料駐車場に停車したとき、駐車場代無料枠にするために無駄な買い物をしがちです。
また、ホームセンターやドラッグストアの自動車で出かけると、多少かさばるものや重いものも気軽に買えてしまいます。
結果として衝動買いが起きやすく、家が物であふれる原因になります。
筆者の場合ですが、自動車を持たない生活になってから手で持ち帰られる量以外の買い物はしたくてもできなくなりました。
つまり強制的に無駄遣いに制限がかかるようになりました。
ホームセンターで大きくて重量のある品物を見て、おそらく自動車で来店していたらかっていたはずの物がよくありました。
「どうしても欲しくなったら、あらためて配達をお願いすればいい。まずはいったん、手ぶらで帰ろう。」
とスルーしたところ、何日たっても配達を頼んでまで買おうとは思わないのでした。つまりすぐに自力で持ち替えられる自動車で買い物することで、無駄な買い物をする原因になっていたということです。
自動車を持たないデメリット
ここまでは自動車を持たないメリットを挙げました。今度はデメリットを挙げます。
メリットの裏表ですから、察しはつくかと思いますが主に以下のことです。
- 公共の交通機関がないところに行きにくい
- 重症の時、病院に行く手段に困る
- 乳幼児、高齢者、病人がいる場合の移動に困る
- 家族の送迎に困る
- いざというとき避難所代わりにできない
- はやり病にの移動に活用できない
- 買い物での持ち帰りがしにくい
- 貧乏と思われることがある
- カーシェア、レンタカーが思うタイミングで利用できないことがある
このように、自動車がないとどうしても無理があることはあるでしょう。
ただ、健康な高校生以上の人~現役世代くらいの人であれば、何とかなることがほとんどです。
地方では子供が高校生でも、親が運動系の試合の送迎を自家用車で行います。ですが首都圏は多くの場合、子供たちが公共の交通機関を使って移動します。
急病の場合ですが、過去に一度だけ困ったことがあります。筆者が夜中に病院に行く必要があったのです。でもそのときはタクシーを呼んだので、問題ありませんでした。自家用車でさっといければ便利ですが、頻度はかなり少ないレアパターンです。レアケースまで心配していたらキリがありません。(乳幼児や高齢者、病人はまた別のことです)
はやり病のときは、自家用車があったほうが接触は少ないため安心度が増えたでしょう。けれども最終的にはこれまで感染もせず何とかなっています。
いざというとき、自動車があると避難所代わりに使えるかもしれません。ただ先ほども書いたようにレアパターンの想定をしていたらキリがありません。
このように、多くの場合、都会暮らしで健康な大人だけの暮らしに至っては取り越し苦労的なデメリットにすぎません。
自動車を持たないライフスタイルのデメリットは、気にならなくなる
デメリットを書き出すと、自動車を持たないのは無理があるのではないかという印象があるかもしれません。
実際は、首都圏に暮らしており、乳幼児や高齢者がいない状況であれば、実践は可能です。
あとは100%漏れのないライフスタイルを求めていたらキリがないということです。例えば、住まいを探すときなどでは、100%の満足はなくだれでも何かしらは妥協していることがあります。
例えば予算であったり、立地であったり、築年数であったり、内外装であったりと様々ですが、それでも皆さん、最終的には何かを妥協しつつも住まいを決めています。
そして実際に住んでみるとそれなりに愛着がわきます。妥協した点は確かに気になることもありますが徐々に慣れて気にならなくなります。
自動車を持たないライフスタイルも、住まい探しに妥協している点と同じようなことです。
多額のお金が浮くので、好きなことに回せる
自動車を持たないと、多額のお金が浮きます。結果として浮いたお金を好きなことに回すことができます。貯蓄や新NISAなどの投資に回すことも可能です。
好きなことではなくても、例えば教育費など、必要に迫られる支出にあてることもできます。
老後資金のたくわえにもできますし、趣味の旅行に回すのでもいいし、学習の費用にあてるのでもいいでしょう。
とにかく、自動車にかけていた費用を見直すことは、ライフスタイルを変えてしまうくらいのインパクトがあります。
迷っている方は、実現可能ということです。まずは試してみて仮に
「どうしても自動車がないと無理」
となった場合は、改めて買いなおせばいいのです。実際に筆者宅も、はじめは不安でした。けれどもやはり
「どうしても無理だったら、改めて自動車を買えばいいだけのこと。」
と決心して自動車なしのライフスタイルに踏み切りました。
人の心理として、一度手に入れたものは手に入れていない時よりも価値を高く見積もるということがあります。
つまり一度手にしている自動車は、手放すことができなくなりやすいということです。
自動車を手放すことで始めた趣味は多数
自動車を手放したことで始めた趣味は多数あります。
そのうちのひとつはウォーキングです。平日は近隣を歩いていますが、休日は夫や、ひとりで電車で出かけてあちこちを歩いています。
結果として体調がよくなり肥満とは無縁です。また、歩くことは体だけではなくメンタルにも良いようです。
歩くと無心になるので、同じことを繰り返し考えるようなクセがなくなりました。
ほかにも、ちょっとした異動で歩くことが苦にならないので、疲れにくくなりました。人は疲れると不機嫌になりますが、体力があることでいつまでも上機嫌でいられます。
また、自動車などでは感じられない現地の空気感を目の当たりにできるのでリアリティがあります。
特別な観光地を歩かなくても、小さな遺跡などにもめざとくなり、楽しみが増えます。自動車を手放したことで120%生活を満喫しているといえます。場合によってはそれ以上かもしれません。
まとめ
- はじめに
- 自動車は好きで運転もヘビーにしていた
- 首都圏に越して車を手放す
- 首都圏暮らし初期から自動車を持たない暮らしをスタート
- 移動は公共の交通機関
- 自動車が必要な時はカーシェアリングやレンタカー利用
- 「自動車を持たないといけない」という思い込みがあった
- 自動車はお金がかかりすぎる
- 自動車に関連する支出は多すぎる
- 自動車維持の手間と時間がバカにならない
- 自動車事故のリスクがある
- 移動中も気が抜けない
- 出先で駐車場を探す必要がある
- 無駄な買い物をしがち
- 自動車を持たないデメリット
- 自動車を持たないライフスタイルのデメリットは、気にならなくなる
- 多額のお金が浮くので、好きなことに回せる
- 自動車を手放すことで始めた趣味は多数
- まとめ
- さいごに
さいごに
今回は「自動車を持たないと最速でお金が貯まる。ヘビードライバーだった私が、車を持たない生活を120%満喫している理由。」という話をしました。参考になればさいわいです。