はじめに
じわじわと食品や日用品が値上げをされる値上げラッシュがはじまりました。そして最近では、米が店頭から消え新米がいくらか出てもすぐに売り切れるし、値段が3割くらい高くなっています。
この状況はいつまで続くのか。そして私たちは、どのように値上げと向き合えばいいのかについてのお話をします。
米の値上げは、起こるべくして起きたといえる
値上げラッシュがじわじわと開始しましたが、米はだけはどこか別という感覚が私たちにはありました。
けれどもあらゆる物の値段が値上げしているのですから、米だけが例外というわけにいかないのは当然です。
いずれは米も値上げするというのはある意味、自然な当然の成り行きです。ただ、そのタイミングが少し遅れて始まったということです。
ただし、ほかの食品と違い、米は主食です。だからひとたび異変が起きたと察せられると、当然注目されるし、人々の不安や危機感も大きくなります。
米は余っている食品ではなかったのか
米は有り余っているとされて、かつては減反までなされていた食品です。そして食料自給率が限りなく低い日本ですが、米だけは余裕があるという位置づけでした。
1970年代から 減反政策 が行われました。米を食べる人が減り、米が余るようになったからです。
けれども平成30(2018)年に減反政策は終了しています。ただし、「減反廃止はフェイクニュース」と主張する人もいます。
目の当たりにする現実と不安とは
真偽は奥が深いようで定かではありません。ただ言えるのは、私たち一般消費者の現実は
- 物の値段が何もかにも上がっている
- 米は比較的安定していたが、2024年夏ごろから高騰しはじめた
- 米を買いにくい状態が続いている
ということです。
この現実を目の当たり死して、多くの人が抱く不安は次のようなことです。
- 今の収入で暮らしていけるのか
- ちゃんと食べられるのか
- 世の中はどうなっていくのか
1・今の収入で暮らしていけるのか
ついに米まで値上がりをしているので、
「今の収入で暮らしていけるのか」
という不安を多くの人が抱きます。
実際、2021年から物の値段が上がり始めました。それは今も続いています。2024年2月には、日本銀行、植田和男総裁が、
「日本経済は今後も物価の上昇が続く」
とし、
「デフレではなく、インフレの状態にあると考えている」
と発言しています。
「インフレ状態」とは、モノの値段が上がりお金の価値が下がることです。例えば今まで110円で買えた物が、3割値上げして143円になったとします。
これは単に値上げという現実だけではなく33円分、お金の値打ちがさがったということです。
さらにこれを預貯金にあてはめます。100万円の貯金を持っていても、世の中の物の値段が3割下がったとしたら実際は30万円減り、70万円しか値打ちがなくなったことを意味します。
インフレが起きていても景気が上向きで、収入が上がっていれば問題はありません。ところが現代日本のインフレは悪いインフレなのです。
お金の値打ちが下がり、収入が増えないのでますます生活が苦しくなるわけです。だから人々の不安は大きくなります。
2・ちゃんと食べられるのか
「ちゃんと食べられるのか」
特に食料が乏しかった時代に生きた高齢者は、こうした不安が特に大きいでしょう。筆者の80代実家の母は、以前から冷蔵庫にパンパンに食品を詰めていないと不安になるとよく言っていました。
米を食べる量を減らす
今回、米を買いにくい状況に遭っています。ですが、筆者宅では米の消費が減り気味だったこともあり、たまたま運よく買えた一袋でけっこうもっています。
糖質過多の食事を見直していたからです。
「おなか一杯白米を食べる」
という食事法は、見直す必要がありますのでそれを取り入れつつ、±ゼロな感じですね。
だから割高ではあるけれど、それほど多大な家計への影響とまでは行っていない感じです。
お菓子などを減らす
その分、お菓子などのし好品をかなり減らしたからです。それで予算はだいたい以前と同じくらいを維持しています。
おかずを適量だけ作る
そのほか、作りすぎていたおかずを適量にするなどでもだいぶ違います。
3・世の中はどうなっていくのか
「世の中はどうなっていくのか」
テレビはほとんど見ないのですが、多分ネガティブ情報が多いでしょう。
筆者はバブル時代に若かりし頃を過ごした世代ですが、その頃も毎年こういわれていたんです。
「今年は景気が悪い」
バブル時代でさえ、ふたを開ければネガティブ情報の嵐でした。ところが実は当時はバブル景気で浮かれていた時代だったのです。
もちろんん、90年代と2024年とでは情報の質が違うでしょう。けれども人の感覚はそう変わりません。
結論を言えば世の中の将来なんて誰にも分りません。「わかる」という人がいたら、それは詐欺です。
新NISAで長期運用を視野に入れ続ける
日本はながらく(1990年代くらいから)物価が下がる年が多くなり、約30年デフレでした。
ところが先ほども言ったように、2024年2月には、日銀の植田総裁が、
「日本経済は今後も物価の上昇が続く」
とし、
「デフレではなく、インフレの状態にあると考えている」
と発言しており、インフレ対策を念頭に入れた行動をとる必要があります。そこで対策の1つとしては2024年に開始した新NISAの活用が相当します。
ところが最近、株価が急落したので、慌てている人が多くいます。
勘違いしている人もいますが、新NISAの根本的な効果とは、突き詰めると儲けることではなくて、インフレ対策にあるといえます。
預貯金ではインフレに対応できず目減りするので、猶予資金を比較的堅実な種類の投資で長期運用することで、対策と準備をするわけです。
ただ、その運用の間には必ず下落するときがあります。そのときに冷静でいられない人は多いので、なかなか続けられる人が少ないというわけです。
また、将来は誰にもわからないので、下落すると怖くなって売却してしまう人がいるため、結局対策にならない現状があるらしいです。
物で幸せになれるわけではないと知る
物は生きるために必要ですが、たくさんの物や高価な物を持ったから幸せになれるわけではありません。
ところが現代においてもまだ、昭和と変わらないような価値観を持つ人はけっこういます。
- 高価なものを持つことがステイタス
- 高価なものはその人の価値
- 高価なものを手に入れて自信をつける
もちろん、高価なもの自体が悪いというのではありません。高価だからこその良質なものはあります。
高価なものを買って長く大事に使うスタイルもあります。ただ、それを持っているかどうかが、その人の価値ではないということです。
このようなことに気づくと、必要なものはたいして多くないと気づきます。するとたくさんのお金も物も必要ないので、収入がそう増えなくてもたいして不安を抱く必要はなくなります。
インフレであることを受け入れて暮らす
とりあえずは、ただ嘆くのではなくて、インフレであることをさっさと認めて方向転換しましょう。
インフレであることを認めずに値上げに悲嘆していても状況は変わりません。それでネガティブになるのは愚の骨頂です。
現状を認めてしまい、それに合った対策をさっさとるが勝ちです。
良い意味での節約をしながら、自分の生きがいにはお金を使うというメリハリがよいでしょう。
まとめ
- はじめに
- 米の値上げは、起こるべくして起きたといえる
- 米は余っている食品ではなかったのか
- 目の当たりにする現実と不安とは
- 1・今の収入で暮らしていけるのか
- 2・ちゃんと食べられるのか
- 3・世の中はどうなっていくのか
- 新NISAで長期運用を視野に入れ続ける
- 物で幸せになれるわけではないと知る
- インフレであることを受け入れて暮らす
- まとめ
- さいごに
さいごに
今回は「米3割値上げは始まりに過ぎない・『悪いインフレ』の現実を早く認めて対策をとる」という話をしました。参考になればさいわいです。