
はじめに
新NISAで金融機関口座開設時に誰もが
「これってどっち?」
と悩むのが特定口座の源泉徴収あり/なしです。これって実際に何か選択による損得の違いはあるのでしょうか。
結論を言うと確定申告時に大いに関係があります。今回は筆者の実体験をもとにしながらお話しします。
投資口座での選択一覧と内容の違い
先に結論だけ言うと、特定口座は「源泉徴収あり」が無難です。
投資口座の選択は以下の通り
- 普通徴収
- 特定口座・源泉徴収あり
- 特定口座・源泉徴収なし
- 非課税口座(旧NISA、新NISA)
これを簡単に説明します。
↓
普通徴収
課税口座に使います。普通徴収とは、まず源泉徴収はされません。また、自分で収支も集計しないといけません。改めて確定申告で税金を納めたり収支を計算して計上します。
特定口座・源泉徴収あり
課税口座です。金融機関が年間の取引報告書を作ってくれるので、それを見れば収支などがわかります。集計の手間がいりません。
源泉徴収もされるので(約20%)原則確定申告が不要です。必要ならば確定申告することもできます。
特定口座・源泉徴収なし
課税口座です。金融機関が年間の取引報告書を作ってくれるので、それを見れば収支などがわかります。集計の手間がいりません。
源泉徴収はされないので、原則確定申告が必要です。
非課税口座(旧NISA、新NISA)
非課税口座なので、利益が出ても申告不要です。
体験談・うっかり「特定口座 源泉徴収なし」に設定していてあせった
実は本当にうっかりしていました。特定口座にはしていたのですが、なぜか
「源泉徴収なし」
に設定していたと昨年末に気付きました。
それでも特定口座で売却益がなければ、気付いた時に変更するだけです。ところが昨年は特定口座の売却益がありました。
つまり入金された売却益から、税金がまだ引かれていないわけです。ということは、これから確定申告して、売却益の約20%を今から支払うことになります。(譲渡所得)
昨年の収入は激減していた→確定申告で得するパターン
一瞬、がっくり来ました。これから売却益の税金を払わないといけないからです。
でも、ここでハタと気づきました。
「あれ、これってもしかすると、確定申告で得するパターンになるのでは?」
確定申告を行うと、売却益は「合計所得金額」に含まれます。
ちなみに筆者の譲渡所得以外の昨年の所得は激減。
だから筆者の計算では追加の納税が発生しないはず。
でも、
「本当だろうか。何か見落としてないだろうか?」
と半信半疑なわけです。
でも、e-Taxでスマホでヒョイヒョイ入力してみたら、本当に自分で計算した通りでした。
つまり、当初、これから
「追加で納めないといけないかも」
と覚悟した売却益の20%分の追加の税金分納付が発生しませんでした。
特定口座「源泉徴収あり」だったら気付かなかった
今回、筆者はたまたま数年前に意図せず間違って特定口座「源泉徴収なし」にしていました。
さらに書面は郵送を選択していたのです。だから今回、改めて制度を確認して気付いたのですが、「源泉徴収あり」だったら、たぶん気付かなかったと思います。
税金の納め忘れは回避できますが、「源泉徴収なし」だったから今回はたまたまうまくいきました。
確定申告をせざるを得ない状況でした。それで偶然にもうまい具合に20%の税金を納める必要がなくなりました。その金額は筆者にとっては大きいです。
もう一つの背景は基礎控除の改正
筆者の収入激減以外にもう一つ大きな要因があります。それは基礎控除が増えたことです。
2025年(令和7年)分から、基礎控除額が増えました。住民税は変わりありません。所得が低いほど基礎控除が増えています。
基礎控除額の改正点
合計所得 132万円以下 95万円(改正前48万円)
合計所得 132万円超336万円以下 88万円(令和9年分以後は58万円)(改正前48万円)
合計所得⾦額336万円超489万円以下 68万円(令和9年分以後は58万円)(改正前48万円)
合計所得⾦額489万円超655万円以下 63万円(令和9年分以後は58万円)(改正前48万円)
合計所得⾦額655万円超2,350万円以下 58万円(改正前48万円)
- 132万円以下で基礎控除が95万円にアップ!
- 132万円超336万円以下でも88万円に。
基礎控除額が大幅に増えたこともあり、今回はたまたま難(追加の納付)を逃れました。
住民税と国民健康保険、夫の配偶者控除などの変化に注意
特定口座で源泉徴収「あり」でも「なし」でも、確定申告はできます。今回、筆者は「源泉徴収なし」だったから確定申告するしかない状況でした。最終的にはそれが得する結果となりました。ただしこれは「たまたま」です。
他の方は個別に背景を確認しないと、同じように確定申告することで得するとは限りません。
それは住民税、国民健康保険、配偶者控除、扶養控除、夫の扶養に入っている場合はその要件を出ないかどうか、社会保険に本人が加入している場合については個別に判断が異なるからです。
筆者は現在、夫の扶養に入っておらず国民健康保険です。結果、比較的総合的な損得の判断は簡単でした。たまたま、売却益は確定申告したほうがいいパターンでした。
ですが各自の状況によっては所得税だけ見て判断すると、住民税や社会保険は増えたり扶養を外れることがあります。
判断が難しいと思う場合は、特定口座は「源泉徴収あり」が無難です。この場合、確実に源泉税が約20%引かれますが、確定申告の必要がなく、納税もれにもなりませんし、扶養などの要件に響きません。
自分で詳細に判断できるという場合にのみ、「源泉徴収なし」にしたほうがいいです。「源泉徴収あり」でも、もちろん必要なら確定申告はできますし。
まとめ
- はじめに
- 投資口座での選択一覧と内容の違い
- 体験談・うっかり「特定口座 源泉徴収なし」に設定していてあせった
- 昨年の収入は激減していた→確定申告で得するパターン
- 特定口座「源泉徴収あり」だったら気付かなかった
- もう一つの背景は基礎控除の改正
- 住民税と国民健康保険、夫の配偶者控除などの変化に注意
- まとめ
- さいごに
さいごに
今回は
確定申告・特定口座の「源泉徴収あり/なし」って何?うっかり「なし」設定で申告したら得した話。
・・という話をしました。
ちょっとわかりにくいかと思いますが、筆者は今回、以前うっかり特定口座「源泉徴収なし」にしていたため確定申告は必須の状況になりました。
そのためほかの収入と合わせて集計したわけですが、(もともと確定申告の必要あり)一瞬、「あらたに株式等の売却益の約20%を今から納めないといけないのか・・。」と思いましたが、ほかの収入が少なかったことと、基礎控除額が上がったため最終的に追加の納付は必要ありませんでした。
結果として確定申告することで株式等の売却益に対する税金(分離課税で約20%)を追加で納めなくても良くなりました。
ただし、一般には所得税だけで判断すると、ほかの要因で損するか大差ないこともあります。
そのためよくわからない場合は特定口座「源泉徴収あり」にして、確定申告も不要の状態にするのが無難です。
参考になれば幸いです。