
はじめに
今回は新NISAの「年初一括投資」のメリットについてお話します。
ただし年初一括投資を無条件にすすめる話ではありませんので、ご注意ください。
当然ながら、年初一括投資が向いている人、向いていない人があります。その点を踏まえたうえで読んでもらえれば幸いです。
つみたて投資枠で「年初一括投資」は可能
タイトルを見て「つみたて投資枠」で年初一括投資って?まちがってない?・・と思った方もいると思います。
確かにつみたて投資枠は、毎月1万とか、10万円など、あらかじめ設定した金額を積み立てていく投資枠です。
年間の上限は120万円です。限度額いっぱいを積み立てる場合、ボーナス月の利用をしない場合は毎月10万円が限度です。
ただ、つみたて投資枠でも、1月などの年初に一括して投資することはできます。
年初一括投資の例
金額の内訳は一例ですが、例えば以下のように設定すれば年初の1月などに一括投資できます。
- 月額つみたて 100円 (100円×12か月=1200円)
- ボーナス月設定 (1月などに設定)1,198,800円
年初一括投資をする目的とは
ちまたでは新NISAが開始して以来、
「年初一括投資か、否か」
については様々な見解があります。
一般に言うところの年初一括投資の目的と目指すメリットとは、将来見込める利益にあります。
コツコツ積み立てるよりも、
「年初に一括して投資するほうが将来的により利益が出やすい傾向にある」
・・というわけですね。
利益そのもの以外に隠れたメリットがある(ただし条件付き)
けれどもそのような話は、世の中にたくさん情報が出ています。筆者がここで改めて書く必要はありません。
実は年初一括投資をすることは、利益そのものだけではない、隠れたメリットがあるのです。
ただ、このメリットは状況ではデメリットにひっくり返しますので、注意が必要です。
年初一括投資の隠れたメリット、それは、
- 投資の手間が減る
- つみたてを停止したくなる誘惑に勝てる
- 売却したくなる誘惑に勝てる
・・ことです。
一つ一つ、見ていきましょう。
①投資の手間が減る
つみたて投資枠は、つみたて設定をすれば自動的に毎月買い付けがされます。
確かにそれ自体は手間が不要です。定期積金のように貯金感覚で買い付けされますから手間はいりません。
ただ、現実的に投資を運用すると、まったく何もしなくて良いわけではありません。
第一に投資商品を買い付けるための資金を用意しなくてはなりません。口座振替、クレカ積み立て、現金積み立て(証券口座内に積立資金を入金しておくもの)などがあります。
その入金タイミングを考慮する手間が必要です。それを頭で覚えておけば良いのですが、意外と忘れるものです。
例えば、資金を引き落とし口座や、証券口座内にあらかじめ用意しておいたとします。
ところがこれも、時間が経過すると、何のための資金なのか意外と忘れるんです。
例えば証券口座内に資金を用意したとしましょう。
ところが設定直後は覚えていますが、2~3か月するとわからなくなります。
1年分の積み立て設定のための資金を入金したとして、数か月後、残高を見たときに、
- このお金は何も出先が決まっていないお金?
- それとも何かの積み立て分のお金?
・・と、忘れてしまうんですね。
口座内のお金に名前を書ければ良いのですが、それができないので忘れるたびに確認作業が必要になります。
ところが年初一括設定をして、年初に投資枠を使い切っていれば、そもそも以後年内は追加で投資できないので、資金のことを確認する必要もなくなります。
これは確認の手間もいらなくなるということなんです。
投資において、手間がいらないということは一般の投資家にとっては結構重要です。
②つみたてを停止したくなる誘惑に勝てる
投資の運用中は当然株価が上下します。上昇しているときならまだ良いのですが、問題は下落しているときです。
下落していると怖くなって、損切りしたいという誘惑が起きます。
積立て中は、売却(損切り)とまでいかなくても買い付けを停止したくなるものです。
実際、筆者も投資初期のころ、つみたてを停止したことがあります。
理屈で分かっていても、下落しているときに感情を無視して買い付けるのは意外と難易度が高いのです。
百歩譲って売却しないところでふんばったとします。
それでも新たな買い付けは二の足を踏みがちです。
ところが年初一括をしている場合は、ある種あきらめがつきます。
続いて開き直りの境地になるものです。
結果として、年内に予定通り買い付けが実行され、それが売却も積み立て停止にもあわず、無事に(?)遂行されることになります。
長期投資の最大の敵は、自分の感情です。
理屈で分かっていても、感情が、恐怖がじゃまをします。
結果として当初予定していた買い付けがされず、結果として将来得るはずの利益を減らすことになります。
年初一括投資で年内の限度額を使い切っていれば、損切りに走らない限り、予定通りに年内の買い付けが維持されることとなります。
③売却したくなる誘惑に勝てる
上記②「つみたてを停止したくなる誘惑に勝てる」と共通することにもなりますが、投資は株価が下落すると損切りに走りたくなる誘惑が起きることがあります。
恐怖がわき起きるわけです。
つみたて投資を設定している場合は、良くも悪くも、投資はじめは投資額がまだ少額です。
そのためこんな気持ちになりがちです。
「今、撤退すれば損は最小限で済む。」
特に年の前半の場合はその傾向が高くなります。
ところが年初一括投資で、すでに年内の資金を投資済みだとしましょう。
そうすると、
「まとまった資金を既に投資済み。今、撤退してもマイナスが確定するだけ。仕方ない。撤退はやめよう。(投資を続行しよう)」
という結果につながります。
撤退をやめた理由は、本来の冷静な選択の結果ではないかもしれません。
けれども理由はどうあれ、撤退をやめて投資を維持することになった事実は残ります。
投資最大の敵は「投資をやめること」
投資をするうえでの最大の敵は、投資をやめることです。
つまりは自分の恐怖と感情です。
理屈ではわかっていても、恐怖がじゃまをして「待った」をかけます。
これが相当に手ごわいのです。
もちろん、デイトレや個別株などの特殊な難易度が高い投資のことではありません。
市場全体に投資する種類の、投資の中でも比較的手堅いインデックス投資におけることです。
淡々と毎月つみたてをできる人は良いのですが、たいていの人は株価が下落すると怖くなります。
「本当につみたてを続けていいのだろうか?」
という疑問とやめる誘惑に勝てません。
年初一括投資は、そのような誘惑を追い払う一定の効果があります。
すでに年内の資金をすべて吐き出しているため、完全に損切りに走らない限りは、買い付けが実行されます。
つまり「投資をやめない」という目的が果たせる効果があります。
投資の手間は意外とめんどう
投資は設定しているときは把握しますが、少し時間が経過すると忘れます。
そして投資の内容を確認したり、資金の段取りをする手間が面倒になりやめてしまうという本末転倒なことが起きます。
けれども年初一括で投資を実行した場合、年内のNISA枠は使い切っているので、年末まで基本的にすることがありません。
つまり投資の手間を減らすことができます。
これは一般の投資家には非常に大事なことです。
多くの人は、証券口座にログインするだけでも面倒に感じます。
なるべく手間をかけずに投資をすることが、ラクに維持できるという大事なことにつながります。
年初一括投資をするうえでの注意点
年初一括投資のメリットを上記で紹介しました。
一般の投資情報では年初一括投資は利益目的です。
ですがここでは利益以前に大事なメリットをお話ししました。
ただし年初一括投資は、誰にでも無条件でおすすめはできません。
年初一括投資をやっていい人の条件
株価が下落しても、売却をしないで済むだけの現預金を確保している
株価が下落しても、投資商品を売却しないで済むだけの円預金などを十分に確保していることが必要です。
「頭と尻尾はくれてやれ」の精神を持つ
世の中には「年初一括投資」vs「つみたて投資」・・のような情報がたくさんあります。
厳密には最終的にどちらかが上回るでしょうが、庶民レベルの投資では誤差でしかありません。
ですので、ここで将来の利益目的にこの議論を重視しすぎることは、あまり意味がありません。
庶民が目指す運用は、「頭と尻尾はくれてやれ」の精神です。
最高位の利益をめざないけれども、最低でもない、ほどほどの利益を求めるスタイルです。
儲けというよりも、インフレリスク対策を視野に置いた運用スタイルとも言えます。
もちろん、結果として利益が出ることは大事ですが、それを求めすぎると欲が出て失敗します。それよりも
- 投資を続けること
- 投資を維持すること
- 手間が少ないこと
が大事です。
まとまった猶予資金がある
当然ですが、年初一括投資は、つみたて投資と違いまとまった資金が必要です。
その資金は、当面使う必要がない猶予資金で行うことが不可欠です。
まとめ
- はじめに
- つみたて投資枠で「年初一括投資」は可能
- 年初一括投資をする目的とは
- 利益そのもの以外に隠れたメリットがある(ただし条件付き)
- ①投資の手間が減る
- ②つみたてを停止したくなる誘惑に勝てる
- ③売却したくなる誘惑に勝てる
- 投資最大の敵は「投資をやめること」
- 投資の手間は意外とめんどう
- 年初一括投資をするうえでの注意点
- まとめ
- さいごに
さいごに
今回は、
新NISA「年初一括投資」の隠れた3つのメリットで、「つみたて投資枠」もOK!
・・という話をしました。
参考になればさいわいです。