はじめに
今回は「物を減らすことで起きる、7つの根本的な効果」という話をします。
暑い夏のピークを過ぎて、一段落するときになるのは住まいの乱れ具合です。
「何かすっきりしない」
こんな時は季節の変化と同時に自分の変化も求めています。
身の回りをスッキリしたくなる現象は、何か新しいことにチャレンジしたいというシグナルです。
こんなときは物を減らすことを誰しも考えることでしょう。けれども、やみくもに物を減らすというのでは、途中で行き詰りや後悔の念が起きます。
そのためにも、物を減らそうとするときは根本的な目的を意識する必要があります。そうすることで、物を減らす基準がハッキリします。
物を減らすことで起きる、7つの根本的な効果
1・自分が理想とする暮らしがわかる
物を減らそうとするときは、初めに自分が理想とする暮らしを意識しましょう。
このとき、イメージを洗いざらい紙に書きだすのがおすすめです。
このときは既存のイメージにまどわされす、本音の理想を思い描きましょう。この場合、イメージはタダであることを忘れないでください。
誰に遠慮する必要もありません。例えば、場合によっては外国暮らしをイメージしてもかまいません。
一通り理想の暮らしを書き出した後は、そのイメージに沿うものを残し、それ以外を手放すイメージで進めましょう。
2・他者の価値観にまどわされなくなる
持ち物が増えやすい時は、他者の価値観に振り回されている時に起きます。
また、他者からほめられることを無意識にでも目標にしていると、いつも他人の評価が一番になります。
他者の価値観は無数にあります。また、その時々で流行も変わります。そのため、いつまでも満足することがありません。
もちろん、ほめられること自体、悪いことではありません。あなたも身に回りの人を積極的に不自然ではない程度にほめましょう。
ほめられることは、ある種の基準になることは当然あるでしょう。ほめてくれた相手に敬意を払いはしますが、それを第一の基準に据えすぎないことが肝心です。
例えば洋服をほめられた場合、似た傾向が重なったら客観的に好感を与えやすいパターンの目安にはできます。
ただ、それは目安であり、それと自分の志向はまた、別の話です。
3・いきなりミニマリストを目指さない
最近は、物を多く持つ人がいきなりミニマリストを目指す傾向が見られます。結論を言うと、それは無理があります。
世の中には、捨てる方法や片付けの技術は多数存在します。そのなかにはテクニックにとどまらず、内面的な傾向を絡めた情報も存在します。
いずれにしても、持ち物の量が、良い、悪いの両者に分類される傾向はあります。確かに、不用品をため込みすぎてごみ屋敷と化すような現象は、衛生、防犯、管理のキャパを超えていますから、放置していいわけではありません。
一方で、ため込みすぎている状態だった人が、すっきりさせることに方向転換した結果、いきなりミニマリストになってしまうのはムリがあります。(ミニマリストの方の中には、なぜか「もと汚部屋」であった・・と自称する方が少なくはないようです)
なにごとも「ほどほど」というちょうどいい状態ということがあります。汚部屋だった人がいきなりミニマリストをめざすのは、料理をしたことのない人が、いきなりミシュラン三ツ星レストランシェフを目指すようなものです。(星1~3のうち最上が星3つ)
まずは上記「1」「初めに自分が理想とする暮らしを意識する」・・を確認します。次に目指すのは、ミニマリストではありません。「暮らしやすく整った部屋」を目指しましょう。
4・「使うべきお金と貯めるべきお金の違い」がわかる
物を減らす効果として注目されるのは、「お金の貯まりやすさ」です。確かに、物を減らすとお金は貯まりやすくなります。
それは物を減らした結果というよりも、自分の価値感がはっきりできるところにあります。
余計なことにお金を使うのは、自分の価値観がはっきり定まらないからです。
物を減らすという作業は、自分の価値観を白黒はっきりさせることです。結果として、取捨選択がスピーディになるので、余計なことにお金を使わなくなるのです。
ただ、一方では必要と判断することに、お金を多く投じることはあるでしょう。そうした場合でも
- 使うべきお金
- 貯めるべきお金
のバランスと時期を、判断しやすくなるのです。
5・少ない服でもおしゃれを楽しめる
たいていの場合、物を減らそうとする人で、余計な服や服飾小物を多数持たない人はいません。
つまり服と服飾小物は、持ち物の多さのバロメーターとなっています。物を減らしていくと、自分がいかに多すぎる服と服飾小物を持っているかを自覚することになります。
もともと、「人が人生で必要な服は履物をのぞいて86枚」というデータがあります。この出どころでは必要な服の枚数に履物を含めて「149枚」としています。履物をのぞいた数はたったの86枚だそうです。このデータは、イギリスのファッションブランド「Rapanui」が、人生で必要な洋服の数を発表したことで判明した数です。これは18歳で成人となって以後、約63.2年生存すると仮定されています。下着はふくみませんが、それぞれのアイテムの平均寿命を想定して公表しているそうです。
私たちはすでに86枚以上の服を余裕で所有してきたでしょう。いかに多すぎる服を無駄にしているかに気付けば、使い捨て感覚で服を捨て続けることからは遠ざかることが出いるでしょう。
日本人の私たちは、諸外国の人と比較しても、服で他者との違いを表現しようとしすぎています。それはほぼ、同じような顔立ちと体型と肌色の民族のため、違いを意識しすぎるためなのでしょう。
昨今は多くの人がユニクロ、無印、GUなど似たような服を着ています。今更違いを意識しすぎなくても良いのです。
6・運動が好きになる
物を多く持ってしまう人は、空いた時間にレジャーとして買い物をしすぎていることがあります。
こういう場合は軽い運動を日課にしましょう。
買い物をレジャーにしていると、買い物に行くために気後れしない服を買うようになります。
一方で運動を日課にすると、一時的に割高なスポーツウェアを買ったとしても、それは丈夫であまり流行の変化も大きくありません。
運動で爽快になれるため、買い物でエネルギーを発散する必要がなくなります。身の回りを整えていくと最終段階は自己の身体に意識が向きます。
この時、整ったバランスの体型を服や服飾小物のような、マウンティング的評価ととらえるのではありません。
本来の整ったバランスの体型とは、好んで楽しく運動をした偶然の結果であり、贈り物なのです。
7・ムダに太らなくなる
部屋の状態と、体型は不思議に連動します。よく言われるのは「心の中と部屋の状態は同じ」ということです。体型と部屋の状態も、不思議に似た関係があります。
例えば、余分なものが多い部屋に住んでいると、身体のぜい肉も溜めやすくなるでしょう。
物を適切に減らしていくと、ムダに太らなくなる効果が出ます。現在ダイエットにいそしんでも一向に効果が出ないという人は、はじめに余分な物を手放してみるとよいでしょう。
まとめ
さいごに
今回は、「物を減らすことで起きる、7つの根本的な効果」という話をしました。世の中には物を減らすための情報は多数あります。
けれども、テクニックに走る方法では、途中で目的を見失います。根本的な目的を決めてスタートしない場合、捨てることが目的と化してしまうなど、迷走してしまいがちです。
あらかじめ理想とする暮らしを明確にイメージすることで、他者の価値観にとらわれない、自分の理想を実現することができます。
参考になればうれしいです。