はじめに
今回は、「遺言の種類」についてお話します。
遺言の種類の基本を知っておくことは基本の知識として有用です。
ドラマや小説で遺言書がきっかけとなり、争いや疑惑に展開するストーリーを観たことがあると思います。
でも遺言は、富豪などの特別な人だけのものではありません。
普通の人が作ってももちろんかまいません。今回は、知っておきたい遺言の種類についてお話をします。
もくじ
- はじめに
- もくじ
- 遺言はだれでも作れる
- 遺言には種類がある
- 遺言の作成方法の違いの概要
- 遺言に証人が必要なケース、不要なケース
- 遺言の検認
- 自筆証書遺言は残された人の手間が大変
- 無難な選択は公正証書遺言
- さいごに
遺言はだれでも作れる
遺言って誰でも作れるの??
満15歳以上で、意思能力があればだれでもできるよ。
へー、そうなんだ。ところで遺言の内容を変えたくなったらどうするの?
いつでも変更できるよ。
遺言には種類がある
ふーん、そうなのね。ところで遺言って、種類があるってホント?
うん。
①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言の3種類あるよ。
なんだか、さっぱりわからないんだけど。
それぞれ、何が違うの??。
誰でも今スグに作れるのが①の自筆証書遺言で、ほかの②③は証人が二人以上必要だから「今すぐ」というわけにはいかないちがいがあるよ。
なんだかややこしいわね。
遺言の作成方法の違いの概要
遺言の作成方法の違いの概要はこうだよ。
①自筆証書遺言・・自分で作る(全文、日付氏名を自書して押印)手書き(パソコン等はダメ)、ただし財産目録添付の場合、ページごとに自署、押印すれば目録のパソコン作成はOK
②公正証書遺言・・遺言者が口述して公証人が筆記
③秘密証書遺言・・遺言者が遺言書に署名押印して封印。公証人が日付などを記入。
遺言に証人が必要なケース、不要なケース
①の自筆証書遺言は証人がなくても作れる。それ以外は証人が二人以上必要だよ。
①自筆証書遺言・・証人は不要
②公正証書遺言・・証人は二人以上必要
③秘密証書遺言・・証人は二人以上必要
承認って誰でもいいの?
証人にできない人は・未成年者・推定相続人や受遺者・推定相続人や受遺者の配偶者や直系血族だよ。
遺言の検認
ところで自筆証書遺言って証人がいらないのに、どうやって本物かどうか確認するの??
検認といって、家庭裁判所が遺言書の内容を調べて偽造でないかどうかを防止する手続きをするよ。
自筆証書遺言は残された人の手間が大変
このようにしてみると、もしかしたら「自筆証書遺言」は手軽に作れるから、「今のうちに書いておこうかな。」と考える人もいるかもしれません。実際、以前テレビの主婦向け番組で「遺言書を書こう!」のような番組の企画を観たことがあります。つまりは自筆証書遺言を書くすすめですね。
けれども頭に入れておきたいことがあります。それは遺言を書く人は簡単だけど、自筆証書遺言は紛失や偽造の恐れもあり、残された人がそれを確認したり調べたりする手続きと手間が必要だということです。
書くのは自由ですが、そうしたことも考えておかないと、残された人がかえって混乱することもあります。
無難な選択は公正証書遺言
一方で②公正証書遺言③秘密証書遺言は、作るのは手間が必要ですが、後の確実さでいえばより確かといえます。
3種類のうち、無難な選択は②の公正証書遺言です。理由は、無効になりにくく、公証役場で保管もされるので、紛失や偽造のおそれがないからです。
さいごに
コロナの影響もあり、様々な将来の不安を感じている方は多いことでしょう。このようなときは、ばくぜんとした不安を抱くのではなく、まずは現実的に必要な知識と情報を収集することだと考えます。
例えば今回紹介したような、「遺言書の種類の基本」を知っておくこともそのひとつです。現実的なことを知ればその分、無意味に不安にならずに済みます。
今回は、意外と知られていない遺言書の3つの種類の概要をお話ししました。参考になれば、さいわいです。