はじめに
今回は、「新NISA・損切りしない理由。大幅下落するも、旧NISA時からの運用経験を活かす。」という話をします。
新NISA開始後の8月の大幅下落で、マイナスに落胆している人が多くいます。あわてて損切りした人も多くいるそうです。
対して旧NISAから運用している様子と、新NISA運用分の今後についてのお話をします。
※1・記事中で「損切りしない」としているのは筆者が運用している金融商品の場合です。
※2・投資は自己の判断で行ってください。個々の記載した内容は個人の事例であり、特定の投資スタイルを進める意図はありません。
「投資の大幅下落」は避けて通れない道
新NISA開始した投資初心者の方々が、日経平均大幅下落を受けて落胆し、阿鼻叫喚の所感があちこちで消えることがありません。
確かに、新NISA開始の2024年以降に投資を開始した人の多くは、大幅下落を受けて悲嘆に暮れている方が多いでしょう。
けれどもそれは、投資の性格上、避けて通れない道筋です。
下落あり前提なら、なぜ投資を続けるのか
けれども下落前提なら、なぜ投資を続けるかと疑問を抱くことでしょう。理由は筆者のような一般庶民の普通の人が目指すスタイルは、長期を見据えた投資スタイルであるからです。
つみたて投資枠で運用するような、金融商品は(オールカントリーや&P500などのインデックスファンドの場合)上昇と下落を繰り返しながらも、過去の傾向と今後の大まかな見通し上、長い期間を経て成長することを前提にしています。
投資の過程で起きる下落に耐えられない時
ただ、その値動きが下落するタイミングが、まだ投資に不慣れな初期に起きると、ダイレクトに含み益がなくなるどころか、元本割れを目のあたりにします。そのため、
「投資はこわい」
という恐怖心が理性を上回る人が多いのは当然です。ただ、下落は投資を実行している間には必ず出会うものなのです。
ですから、それは想定内として心の準備をしておくべきなのですが、いざそれが現実になると、理性より先に恐怖心が上回り売却して損失の確定をした状態で撤退する人もいます。
もちろん、ここで撤退するか続行するかの判断は各自にゆだねられます。ですから引き留めることは決してしません。
「投資を始める前提」が不可欠
ただ、ここで撤退してしまうと、利益確定の反対の損切で損失の確定がなされてしまいます。
そこであらためて重要になるのが「投資を始める前提が整っていること」です。
投資を開始する条件として
- 制度を理解する
- 猶予資金で行う
- リスク許容範囲で行う
という前提があります。この前提が整っていれば今回の下落で損切りに走らないはずです。今回の下落は踏ん張り時なのです。
長期投資で下落の影響を受けない実例
例えば筆者宅の投資については、旧NISAから開始した分については、ここ最近の下落にも最終的な影響を受けていない利益が出ています。
まだ3年くらいなので長期といえるほどではありませんが、新NISAで年の途中から開始したような運用歴が4~5か月と比較すると、参考にはしていただけるでしょう。
新NISA以後から始めたような、まだ短期の段階ではダイレクトに損失が反映されてしまいます。ですが、長く運用すると今回のような下落があっても総合的には余裕で含み益を維持できる状態になります。
2021年開始旧NISA、運用現状
以下に筆者方が運用している、実際の運用の様子を記したグラフのキャプチャを載せました。(具体的な金額はカットしています)
これを見ると、短期の値動きに一喜一憂することの意味のなさがよくわかります。
これはオールカントリーではありません。値動きが似たような先進国インデックスファンドです。
インデックスファンドであれば、トピックスだろうが、日経225だろうが、S&P500だろうが、アメリカの影響を大きく受けている系のファンドは、どれも似たような値動きをしているはずです。
これは2021年に開始した、旧NISAで運用中の先進国インデックスファンドです。
以下に、拡大して印をつけました。
↓横の赤線は、今回の下落の最低ラインです。この図を見ると下落しているといいますが、2024年1月あたりと比較しても上昇していることがわかると思います。
さらには、投資開始の2021年8月と比較すると、2024年8月の下落の影響を受けないほど成長していることを実感できるはずです。
ただ、現在は伸びているファンドも、開始後約1年後くらいに、大幅下落をしています。2022年にアメリカFRBの利上げなどをきっかけにしたものです。
そこからしばらくは小さな上下を繰り返しました。けれども2024年9月現在では、成長をしています。
このファンドも、もし2022年の下落で損切りしていたならば、現在の含み益は全くなかったことになります。
2021年8月に旧NISAで運用開始したファンドですが、グラフが示すように、値動きは上下を繰り返しながらも、少しずつ上昇しています。
次からは下落時の悪い例として、損切りの体験をお話しします。
コロナショックの2020年2月の下落時の行動・損切してしまった(特定口座)
途中、運用を開始してコロナショックが起きたのは2020年2月からで、このとき下落しています。理屈ではわかっていても、コロナという未知の出来事に恐怖をおぼえました。
コロナショックで損切りしてしまった、特定口座の運用商品
このグラフの金融商品とは別の、特定口座で2年ほど運用してきた投資信託をマイナスで売却するという、典型的な「やってはいけない」行動パターンをとってしまいました。
それから間もなく、株価は上昇して、「あーやってしまった」と、意味を身をもって経験したわけです。
上記でグラフとともに示した、2021年からの旧NISAのほうは、この時の苦い経験を生かすことができました。
2022年に株価が下落しても、この時は傍観することができました。その結果、今の含み益があるといえます。
下落を乗り越えさらに成長していく
このように、コロナショックや、FRB利上げでアメリカ株下落の影響を乗り越えたインデックスファンドも、徐々に持ち直します。
少しずつ上昇し続け、最近の下落でも、総合的な利益は下落幅を余裕で越えているため、下落しても全くぐらついていません。
「1」の幅が上昇している利益分です。
「2」は、新NISAが日本で開始した2024年1月です。2024年1月くらいに新NISAを開始した人は、現在、おそらく元本より少し下落しているくらいだと思われます。(ファンドの種類や購入のタイミング、積み立てか一括かなどで変わります)一方で、新NISAを開始した時期が5月のGW前後くらいの人はかなり下落していると思われます。
新NISAで開始分はマイナスでスタート
旧NISAからの運用分は続行で良いとしても、新NISA開始分のファンドは、投資開始初期にマイナスでスタートするという事態になっています。
ここで撤退する方は投資向きではないということです。ある意味、初期に気付いて良いということもあります。
筆者の場合は、
「ここで損切りもできないから、保有しつづけるしかない。」
という消極的な理由で保有するのではありません。
「いずれは上昇するから放置する。」
というこれまでの方針を続行するだけです。
値動きチェックはしない
値動きをこまめにチェックすることに、長期投資を目的としている人にはまったく意味がありません。
といっても家計管理のために月一回ログインして確認していますが、この手の投資スタイルは徹底してズボラになることが大事です。
とはいえ、ネット証券では定期的に、何かの確認の設定を促すボタンや、ID、パスワード設定についてのお知らせが出ていることがあります。それをやらないと、手続きがめんどうになるので、やむなく月一回ログインしています。
まとめ
- はじめに
- 「投資の大幅下落」は避けて通れない道
- 下落あり前提なら、なぜ投資を続けるのか
- 投資の過程で起きる下落に耐えられない時
- 「投資を始める前提」が不可欠
- 長期投資で下落の影響を受けない実例
- 2021年開始旧NISA、運用現状
- 下落を乗り越えさらに成長していく
- 新NISAで開始分はマイナスでスタート
- 値動きチェックはしない
- まとめ
- さいごに
さいごに
今回は「新NISA・損切りしない理由。大幅下落するも、旧NISA時からの運用経験を活かす。」という話をしました。
参考になればさいわいです。