はじめに
最近の傾向として、たいてい先送りは良くないとされます。
「すぐに結論を出す価値観が主流」
ですよね。
でも実際は、そうもいかないことがあります。状況によりますが、結論をすぐ出さないほうが良いこともあります。
正解がはっきりしない問題の場合は、いったん問題を保留にするのもひとつの手です。結論を出さずに放置したら、いつの間にか解決していた・・ということもあります。
一方ですぐに問題に着手した場合、いずれ結論がでますので早くスッキリできるメリットがあります。
けれどもときに、トラブルに発展することがあります。うまく解決したらよいのですが「覆水盆に返らず」
になった場合は最悪です。
同様の話は、私が書いた2冊目の本にも書いています。
はてなブログの常時SSL化、実は放置して解決しました
実は現在運営しているブログの常時SSL化ですが、一定期間放置したら勝手に解決していました。
常時SSL化とは、サイトの全てのページを「https」化(常時暗号化)することで利用する人が安心して閲覧できる機能に事です。以前は一般的でなかったのですがある時期から常時SSL化が常識になりました。
ただし私が利用している「はてなブログ」はほかのブログサービスと遅れて導入されました。やっと導入されても以前は自分で設定しなければなりませんでした。その準備と確認に膨大な手間がかかるのでした。
それで当時の私はそれを処理するゆとりがなく、やむなく保留にしていたのです。ところがある時自分のサイトが常時SSL化されていると気付きました。
背景はわかりませんが、ある時期からはてなブログはすべてのサイトを常時SSL化に強制的に移行していたようでした。
余裕がないときに無理に常時SSL化を強行して、サイトがおかしくなったら本末転倒です。
というわけで、いつかはやらなくてはいけないと思っていた常時SSL化は保留にしてたら勝手に変更され解決していたというわけです。
まあ、これは運もあるし「たまたま」でしたが、こういうこともあるんですよね。
はてなブログの常時SSL化については、何か記述に思い違いがあるかもしれませんが、その場合は、あなたが思う方を優先してください。
結論まで30年かかりました
さらに先送りして解決した例があります。先日書いた記事の反響が大きかったようです。ただし、公開にをあたっては誤解を招かないように、十分注意をして書いたつもりです。
とはいえ、読む人がどういう受け止め方をするかはわかりません。もしかすると私たち夫婦が、合理性を重視して短期間に判断したと誤解されているかもしれません。
改めて補足すると、結論を出すのに30年かかりました。
「お墓のことをなんとかしなくてはならない」
と思ったのは、結婚直後のことでした。それから実際に結論を出すまで長い月日が必要でした。
けれどもこの記事では、義母が亡くなってから短期間で行動したようにも見えたかもしれません。
お墓のことは、自分たち夫婦の気持ちだけですぐに結論を出したり、行動を起こせるものではありません。
価値観の違いを認める
お墓のこともそのひとつです。私は当初、
「お金は私たち夫婦が出すから、一刻も早くお墓を立派に立て替えたい」
と考えていました。
けれども義両親が何もしようとしていないところに、明らかに息子の妻の考えで墓の建て替えという行動を起こすことはおそらく、そうとうに角が立ちます。
だからあえて
「白黒はっきりさせない」
ことにしました。そして夫との生活をしていくなかで、十数年経たころに今度は私の価値観に変化が起きました。
「私は、形式にとらわれていた。」
と気が付いたのです。この場合は具体的にお墓の建て替えのことです。実際、義両親はお墓という形式には全くこだわりを持っていませんでした。かといって、思いがないわけではもちろんありません。
お墓のことだけではありません。
「こうでなくてはならない。」
という思いが強かったのは同じだと気が付きました。
結婚を機に精神的縛りがある世界へ入る
このような価値観がぐるりと向きを変えるというとは価値観がまるで違う夫とその家族や親族を目の当たりにしたからこそ経験できたことだと思います。
結婚=しあわせ
の図式を描く人が多い一方で、特に女性は結婚をきっかけにして精神的に縛りが大きい生活になることがあります。
これまでは単にその家の娘として、自由気ままに生きてきたのに、突然自分の意志に関係なく、夫と結婚したら夫の妻ではなく、嫁という立場を意識することを暗黙に強いられることがあります。
このような環境は個人差が大きいですが、私の場合この目に見えない精神的縛りは結婚前の想定以上でした。
それは、どちらも同郷とはいえ義実家は出身がさらに保守的な地域であるために、考えがまるで違っていてめんくらいました。
何も考えずに流れに身を任せる
それで当初はかなり参りましたが、ある時期に考えを変えました。それは何も考えずに流れに身を任せてしまうことでした。
余計なことを一切考えずに心を無にするのです。そして何も考えない。何も意見しない。何も行動しないのです。
つまりは白黒はっきりさせずに流されるのです。川に落ちた木の葉はただ、流れに身を任せています。
すると川に沈むことなく、いつかは川岸にたどり着いたり、河口に流れ出るかもしれません。
ところが川の流れより先に何とか川岸に着こうともがいた場合は下手をすると川に沈んで出られなくなります。
現代はそんな流ちょうなことは言ってられないだろうけれど
いったん、川の流れに乗ってしまった以上、流れに身を任せるしかないのです。正確に言えば選択肢はいろいろあったはずですが、当時の私は事を荒立てない道を選んだというわけです。川の流れから出ることを考えませんでした。
もちろん現代の場合は離婚率が3割前後と言われていますから、流れから脱する方法がないわけでもありません。
けれども現代は、そんな流ちょうなことは言ってられないと思う方が主流だと思います。
時間が解決した
ただ私はその選択をしなかったので、ひたすら流れに身を任せ続けました。そのためにはある程度の時間が必要でした。
結果として、時間が解決しました。長い月日の間には、夫も親と過ごした日よりも私と過ごした月日が長くなり、夫の価値観も変化したといえます。
それは夫だけではありません。私も同じです。夫と私、どっちに主導権があるということはなく、二人が新たな価値観を形成していき、たがいに進んできたようなものです。
「白黒はっきりさせないで流される」もあり
もっと簡単に暮らせの「白黒はっきりさせないで流される」を書いたときはまだ、その後の様子がどうなるかはわかりませんでした。
あれから5~6年経過した結論は、「流される」選択も時には正解になりうるということです。
特に相手がいるような場合は、無理に結論を出さないことも視野に入れることをおすすめします。
さいごに
今回は、「すぐに結論を出す価値観が主流」の今、あえて「白黒はっきりさせないで流される」・・つまり先送りすることもアリです。という話をしました。
はてなブログの常時SSL化もその事例です。よくわからなかったので保留にしていたら勝手に常時SSL化されていました。
ほかには例えば私たち夫婦の場合は、お墓の問題がそれに相当していました。
結論を出すまで30年かかりましたが、先送りしてすぐに結論を出さなかったから、それぞれに無理のない方法を選択できたと思います。
もちろん何が正解かは誰にもわからないことは様々あります。
時代に逆行するようですが、だからこそ急がない選択もあるという話をしました。