はじめに
今回は、「新NISAなどの投資での運用中、暴落にあったらどうするか?」に対するお話をします。
2024年1月に開始した新NISAは、まる1年経過しました。現在も投資を続けている人、やめてしまった人、そもそも投資はしない人、様々です。
投資は人それぞれの考えが優先されます。そのため、「しなければいけない」ものでもなく、「絶対」はありません。
同時に、「未来は誰も読めない」という大前提があります。
※投資をすすめる意図はありません。判断はご自身でお願いします。
1. 投資と暴落は切っても切れない
昨年前半は、新NISAに関するポジティブな情報が多く目につきました。
- もうかる
- プラスになった
- もっと早く投資すればよかった
・・などです。
一方で日経株価が2024年8月に急落したときには、特に投資初心者が多く「ろうばい売り」をしました。
新NISAを活用して投資をスタートしたのはいいけれど、資産が目に見えて減る状況を目の当たりにしたわけです。
また、株価の暴落やニュース、SNS、ユーチューブ、その他ネット情報などで不安あおり情報を目にすると
「今すぐ売ったほうがいいのでは?」
とオロオロします。けれども、
- 投資に暴落はつきもの
- 長期的な視点で乗り越える
ことを前提にすることが大事です。
暴落は繰り返すが、回復して成長している
過去のデータによれば、株式市場は暴落を繰り返しています。けれども長期視点で見れば、市場自体は成長し続けています。暴落があってもそのあと成長しているわけです。
主な暴落の例
2,000年に入ってからの主な暴落は以下の通りです。
- リーマンショック(2008年)・・アメリカ初の金融危機は世界的にも影響
- コロナショック(2020年)・・感染拡大の影響で急落・幸いに半年程度で回復復
- ITバブル崩壊(2000年)・・日本のハイテク株が過熱したが、その後急落
時代が追い付いていなかった名著
時代がまだ、追い付いていなかったというべき名著があります。
リーマンショックの前年、勝間和代さんの下記著書が出版当時話題になりました。→お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践~ (光文社新書)
この書籍の初版は2007年です。筆者は当時、この本を買って読みました。
今になって読み返してみると、今では投資の基本的な情報が満載です。このときに、もっとこの本を真剣に読んで実践すればよかったと思っています。(初版の2007年版には「アクティブファンドをボーナスで買う」というくだりがあり、その件だけは△かな?と思いましたが。その後、お金は銀行に預けるな 2013年度版・・にはアクティブファンドは△である話が掲載されています)
ただ、当時は読んでもピンとこなかったんですね。流し読み程度だったからでしょう。もったいないことしたな~と思っています。
ただ、翌年の2008年に間が悪いというか、筆者は何もしていなかったので良かったというべきかどうか判断は微妙ですが、リーマンショックが起きました。
同時に、残念なことに、この書籍が大きな誤解を生み、少なからず批判を受けたような記憶があります。
でも結果として、その書籍を実践してリーマンショックを耐え抜いた人は、相当な利益を得ているでしょう。
ただ、もし当時の筆者がいきなり初心者ではじめてリーマンショックに数か月後にあったら、ろうばい売りしていたかもしれません。
なぜかというと、暴落に関しては全く無知だったからです。やはり投資を始めるなら暴落の心構えとルールを決めておくことは大事です。
やってはいけない、暴落時にやりがちなこと
誰しも暴落が起きると不安になります。そして大事なお金が全部なくなってしまうのではないかと恐怖さえも感じます。
けれどもそれは、投資を始める時点で決めておくルールや原則を知ることで、乗り越えることができます。
1. 感情的な売却
暴落したときに
「もうダメだ」
と考えて感情的に損切りしてしまうと、その後、回復して利益が出てもそれを逃します。
特に新NISAのように、長期視点の運用をしている場合は、一時的な価格の変動に一喜一憂しないことが大事です。
暴落して株価が下落しているときはもちろんですが、上昇して急騰しているときも、同じスタイルで運用します。
2. ネット情報、テレビ、新聞などからの過度な影響
少し暴落すると、ネットもテレビも新聞も
- 「市場は崩壊」
- 「逃げろ」
- 「だまされるな」
のように過激な言葉が目につきます。けれどもこれらはどれも、短期的な視点です。長期投資を前提にしている人は、また違う視点なので注意しましょう。
3. 一気に全額を投資する
暴落時に「今がチャンスだ!」と一気に資金を投じるのもリスクがあります。積立投資を続けることがリスク分散の基本なので、焦らず計画的に資産を増やしていきましょう。
新NISAで話題になるのは、
一括投資VS積立投資
です。つみたて投資枠でも、ボーナス払いを利用すると実質一括投資が可能です。そのことから、このようなことが話題になります。
長期投資であればどちらでも大差ないようですが、わずかに年初一括投資が有利という情報がネットで拡散されると、それがトレンドになっています。
十分な資金があるならどちらでもよいですが、初心者ほど、積立投資枠は普通に積み立てをするほうが精神的にも落ち着いていられます。
暴落時の行動を想定しておく
暴落が来てからあわてるのではなく、暴落が来た時のルールや行動を決めておきます。
1. 投資目的を自問する
「なぜ投資をしているの?」
と、目的を自問しましょう。新NISAを利用している場合、たいていは「長期的な資産形成」のはずです。
ところが暴落が起きるとテレビも新聞もネットも刺激的な言葉が浮き彫りになります。一方でこのような言葉はたいてい短期的な視点です。細かい価格変動に一喜一憂しないで長い目で見ましょう。
2. 積立投資を続行する
暴落している時こそ、コツコツ・・です。積み立て派ドルコスト平均法のメリットが生かされます。下落したときはたくさんの口数を買えていますし、高騰したときは少ない口数を買います。
これは長期視点になると平均取得単価を下げる効果があります。また、感情に左右されずに自動的に買い付けが続けられるメリットがあります。
3. 資産配分の見直し
下落した時には現在のポートフォリオを再確認する良い機会です。リスク許容度に応じて、資産のバランスを確認して、適切に調整しましょう。
また投資をする際は安全資産確保を並行しましょう。
さいごに
まとめ
暴落時を想定した対策が大事
投資と暴落は切っても切れない関係があります。ただ、暴落は誰にも読めません。もし暴落が読めるという人がいたら、それは「とりあえず暴落する」と言っていればいつかは当たる・・から言っているだけです。投資の未来を読めるという人はそれは詐欺です。
このように投資の暴落は切っても切れない関係がありますが、長期視点で資産を増やすなら計画的な判断が必要です。
✔ 感情的に売却しない
✔ネットやニュースにあおられない
✔ 積立投資を続行する
✔ 長期視点で運用する
✔定期的に資産配分を見直す
新NISAなどを活用した資産形成は、短期的な値動きに一喜一憂しないで、5年、10年、20年などの長い期間で判断しましょう。あおり情報に振り回されず、冷静に投資を判断していきましょう。