はじめに
「実は若い状態がレアで、老いている状態こそがスタンダードだったんだ。」
最近ふと、こんなことに気付いてしまいました。
老いは他人事の時期
自分が40代くらいまでは、こう錯覚するんです。
「自分はいつまでも若い。」
~「おばあちゃん」は生まれた時からおばあちゃんで、
「おばあちゃん」が自分事になるのは1万年後くらいの遠い先のこと。~
かつての筆者は普段、ハイキングに行ったりウォーキングをしたりよく歩いていました。
都心でも、歩いていて追い越されたことはほとんどなく、健康面も根拠のない自信がありました。
ヨタヨタ歩いている初老の女性を見かけても、
「自分には起きえない将来」
と思っていました。
ところが突然、病によりヨタヨタ歩きが現実になったのです。
もちろん、訓練を重ね全く普通に歩けることもあります。
一方で老人よりも、遅いスピードで歩いていることもあります。
とにかく老いが、突如自分事になったのです。
病なのか老いなのか、客観的にはわからない
いや、時期が来れば老いが来るのはわかるけど、ちょっとずつ段階的にやってくるものじゃ?
突然このような状態が起きると、誰しも慌てます。
筆者の客観的様子は、老いからくるものなのか、病によるものなのか客観的にはわかりません。
結果として皮肉にも、高齢者の気持ちが人より早くわかるようになりました。
現在の高齢者も、もとはみんな若かったのです。
人生は老いてからがスタート
具体的に、老いを実感するのは子育てが終わった頃でしょう。
子供が大学を卒業すると、実質的にようやく役割を終えた実感が出ます。
同時に
「やっと自分の時間」
と思うのですが、女性はだいたいこのタイミングで大きな身体的変化が起きます。
その大きな変化が時に、病に発展してしまうこともあります。
老いも慣れるまで5年
筆者の病の後遺症は厄介です。
慣れるのに5年くらいかかりました。
「慣れた」
といっても平行線ではありません。
時に、良くない変化も起きます。
ただ、当初の3年くらいはいちいち不安になっていました。
けれども5サイクル(5年)くらい経過するとある程度の傾向と対策が見えます。
- まあまあ大丈夫なこと
- ちょっとまずいかもしれないこと
この違いがだいたい判別できるので、不安は減ります。
若い時期は序章だったと気づく
病をきっかけに、高齢者と変わりないような症状もあるわけです。
一方で、50代相応の面もあります。
現在の立ち位置に立ってみると
「若い時期(40代くらいまで)は序章だったんだ。」
・・と気づきました。
自由に動くことができて、逆に動かなくても足腰に問題のないこの時代はまさに短い期間なのです。
そして老人に片足突っ込んでいる現状以降が、本当の人生の始まりなのです。
若い時期を名残惜しまない
若い時期を名残惜しんだり、現状を悲嘆にくれるのは愚の骨頂です。
確かに、若い時期は体の自由がきくし、見た目も若い分、人並み(多分)を保てます。
けれども
「若い時期が本当に今より良い時だったのか」
と振り返れば、案外そうでもないことはけっこうあるものです。
例えば若い時期は、ちょっとしたことで不安になりすぐオロオロしていました。
シャキシャキした面もある一方で、内面的にブレが多く不安定でした。
けれども現在は、若い時代よりは自分のあしらいが少しは上手になったと思います。
結果として客観的には決して良くないようでも、自分では今のほうが向上している面が多いと気付くのです
20代の人は30代を老けていると認識する
どの年代の人も、自分が到達していない上の年代を老けてると思っています。
20代は30代を
30代は40代を
40代は50代を
50代は60代を・・
というように、どの年代も自分を基準にしています。
以前、入院したとき70代の女性が80代くらいの女性を、
「あのおばあちゃん・・」
という表現をしていて内心びっくりしたことがありました。
その70代女性も筆者からすれば「おばあちゃん」と思っていたのですが、その女性は自分をおばあちゃん世代だとは、少しも思っていなかったのです。
40代に60代以上の年代は判別できない
40代くらいのころは、60代より上の人の年代の違いがわかりません。
60代以上の人はすべて、高齢者というひとくくりで認識しています。
ところが当の60代以上の人は、おそらくそうは思っていないでしょう。
私は60代で、あの人は70代、この人はなんと90代・・のように年代の違いを意識しているでしょう。
中高年以上は見た目と実年齢の違いは個人差が大きい
確かに、60歳と90歳とでは30歳もの開きがあります。
まあ、さすがに60歳と90歳は差がありますが、70歳と80歳ならどうでしょうか。
または55歳と65歳では?
60歳と72歳では?
見た目に関しては、中高年以上になるとかなり実年齢との差があるものです。
見た目年齢の違いはどこからくるか?
この見た目の差は、どこから来るのでしょうか。
- 健康
- 体力
- 気力
- 表情
- 習慣
- 人柄
- 話し方
- 話す内容
- しぐさ
- 考え方
- 服装、化粧など身だしなみ全般
違いの要素はひとつだけではないでしょう。
けれども一つだけ言えることがあります。
それは生まれ持っての容姿は関係ないことです。
若い年代のころ、特に10代くらいまでのころは生まれ持っての容姿が圧倒的に影響をもたらしたでしょう。
ところが年齢が上がるにつれて、元の容姿はほとんど無意味です。
年齢を重ねてモノをいうこと
では年齢を重ねてからは、何がモノをいうのでしょうか。
それは明るい表情とそうした考え方、発する明るい言葉です。
このような人は口角が上がり見た目も若く本人も幸せでしょう。
年齢を重ねると意識して明るい表情をしたほうがいいですね。
不機嫌そうな顔はそれだけで老けて見えます。
もちろん、年齢が上がると体のあちこちは痛いし、心配事はあるしで、気づけば明るい表情なんてできないかもしれません。
でもだからこそ、表情くらいは明るく保つ必要があります。
筆者も、常にどこかが非常に痛いことが多いので、しかめっ面になりがちです。
それはなるべく軌道修正していきたい。
まとめ
- はじめに
- 老いは他人事の時期
- 病なのか老いなのか、客観的にはわからない
- 人生は老いてからがスタート
- 老いも慣れるまで5年
- 若い時期は序章だったと気づく
- 若い時期を名残惜しまない
- 20代の人は30代を老けていると認識する
- 40代に60代以上の年代は判別できない
- 中高年以上は見た目と実年齢の違いは個人差が大きい
- 見た目年齢の違いはどこからくるか?
- 年齢を重ねてモノをいうこと
- まとめ
- さいごに
さいごに
今回は
人生は老いてからがスタート・「若いはレア」で、「老いがスタンダード」と認識すればコワくない
という話をしました。参考になればさいわいです。