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本当に得する主婦の働き方とは?扶養内で働く主婦が知っておきたいなこと



こんにちは ちゃくまです。このブログは暮らしに関することをつづっています。

・ミニマリスト的な暮らし方 ・家事を簡単にする工夫 ・お金に関する管理方法(筆者はFPです) ・世間に惑わされない生き方 ・・など。お役に立てたらうれしいです。

はじめに

さて今回は、扶養内で働く主婦が、将来、

「こんなはずじゃなかった!」

とならないために、知っておきたい大切なことをお話しします。

数十年後に後悔しても遅い

実は正社員&フルタイム勤務vs時短勤務(パート、アルバイト)を選択するにあたり、安易な気持ちで選択すると、数十年後

「こんなはずじゃなじゃった!」

と、青くなることが場合により、想定されます。その時になってももう、過ぎた年月は戻らないのです。

春の進学新級を機に、主婦がパートやアルバイトで働き始める方もいることでしょう。お子さんが幼稚園や学校に行っている間を利用して、夫の扶養範囲で働く人は多いですね。

大勢の主婦がこの働き方を選択しています。つまり、周囲のママ友やご近所さん、友人知人も同じような選択をしている人は多いのではないでしょうか。

周りが同じ選択をしているので、あまりよく考えずに

「正社員勤務はちょっときついから、夫の扶養内でいいや。」

と、割と軽い気持ちで時短勤務を選んではいないでしょうか。

きちんと意味と内容を理解して選んでいるなら良いのです。ですが、何となくの理由で知らずに時短勤務を選択していると、将来後悔することが多々想定できます。

社会保険未加入のデメリットを知っておこう

時短勤務により、夫の扶養に入ったとします。この場合、一見して

「多少なりとも収入を得ることができた上に、社会保険料や税金の負担がゼロか少なくてお得!」

と思うかもしれません。

確かに現状を見ればそうですが、税金はともかく、社会保険料の負担がないということについて、もう少し深堀しましょう。

時短勤務の主婦が、夫の扶養内で働き、社会保険未加入でも、夫勤務の会社の健康保険証を使い、病院で保険証を出し3割負担で病院にかかることができます。

ところが数十年後、自分が年金を受け取るときになり、その事実に改めて気づくことになります。

夫は

  • 老齢基礎年金
  • 老齢厚生年金

と、2種類の年金を受けとることができます。

ところが

時短勤務で、ずっと夫の扶養内で働いてきた妻の年金は

  • 老齢基礎年金

だけとなります。

つまり、現状の手取りだけを考慮して、将来の収入を低く見積もっているために、このような選択をする人が多いという見方もできます。

ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー氏が提案する「双曲割引」

妻も社会保険に加入していれば、年金受け取り時に老齢基礎年金だけではなく、老齢厚生年金を受け取れます。

ところが現在、夫の扶養範囲で働く選択をすると、将来受け取る年金が少なくなるというわけです。

2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー氏が提案する行動経済学のひとつに、「双曲割引」というものがあります。

これは、目の前の価値を高く見積もり、遠い将来の価値を低く見積もる、人間の行動心理をさします。

例えば、

「明日受け取るなら1万円あげるが、3年後に受け取るなら、2万円あげるよ。」

と言われた場合、たいていの人は明日受け取る1万円を選択してしまうそうです。この傾向から、人は遠い先のことを低く見積もる傾向を表すとされています。

(夫の扶養妻+会社員夫)の夫婦vs(会社員妻+会社員夫)の夫婦、受け取る年金額の違い

ここでは「共働き夫婦(夫婦ともに正社員)のケース」と、「妻が専業主婦や時短勤務で夫の扶養に入っていたケース」で年金受取額の目安を参照します。

(夫の扶養妻+会社員夫)の夫婦の事例

夫の扶養妻と会社員夫の夫婦の事例で、夫婦2人分の平均的年金受給額は23万円くらいです。(40年間標準的な収入のある会社員夫と、40年間専業主婦等扶養妻だった妻の夫婦)

これに対して、会社員として勤務した妻との夫婦の場合は、妻の厚生年金分の収入を見込むことができたはずです。

夫は正社員勤務のため

  • 老齢基礎年金
  • 老齢厚生年金

を受け取れますが、妻は扶養に入っていたと仮定して、

  • 老齢基礎年金

のみのため、受け取る年金が少なくなります。

(会社員妻+会社員夫)の夫婦の事例

次に以下は、会社員妻(夫の扶養に入らないで働いた妻)と会社員夫の夫婦の事例老齢基礎年金、厚生年金、を含む夫婦二人も受給額平均です。

ざっくりですが、会社員夫と会社員妻の夫婦2人の組み合わせの年金受給目安と判断してよいでしょう。

男性 平均年金月額 約16万4千円
女性 平均年金月額 約10万4千円

受け取る年金額の違い

  • 会社員夫+専業主婦妻 の夫婦のは、月額約23万円です。
  • 夫婦で会社員勤務 の夫婦の年金受給額は、約26万8千円です。

結果、月額3万8千円ほどの差が出ます。

月額3万8千円の差は、1年あたり45万6千円もの差が出ます。5年では228万円10年では456万円20年では912万もの差となります。

※実際は、妻が元正社員勤務で、結婚後専業主婦や時短勤務を併用しているケースや、専業主婦から再び正社員勤務をするケース、老齢基礎年金部分に関しては満額支払っており満額支給される、収入の額の違いなどで、平均より前後することは多々あります。

現在の目先の損得にだけ目を向けるのは危険

現在の目先の利益にだけ視点を置くと、妻は仕事の負荷を減らし、夫の仕事の負担を減らした方が、得であるような気がします。

妻は専業主婦や時短勤務でも社会保険料の負担がなく、時短勤務でもいくらかの収入を得られるからです。

けれどもこの時、将来の年金のことまで視野に入れて、専業主婦や時短勤務を選択している人は、いったいのどくらいいるのでしょうか。

おそらく現役世代でしかも、子供が小さい頃は、年金受給をする自分なんて考えたくないし、まだまだ先の話だと思うんです。

だからあまり深く考えないし、調べないで安易に時短勤務や専業主婦を選択してしまうのです。

年老いてから後悔しても遅いことがある

年老いて、いざ年金受給が目の前に差し掛かるときになって、はじめて気づく方は多いかもしれません。

働き方の選択は、若ければいくらでもなんとかなります。ところが年老いてしまうと、体の自由が利きにくくなります。

第一就職するにも、年齢制限などハードルが上がります。体力も減ります。

若くて働けるうちに働いておこう

もちろん、働き方の選択は、個々の事情があります。単に将来受け取る年金を考慮して決められるものでもありません。

ただ、働き方を決定するとき、将来受け取る年金のことをあまり考えずに決めてしまう人も多いのは事実ではないかと思われます。

わかっていて選択することと、知らずに選択することでは意味と結果が大きく変わります。

結論を言うと、現代を生きるにあたっては、女性が家庭に引っ込み男性が代表して働くという方法は、そもそも世界の傾向を見ても時代に合わなくなっているという見方ができます。

まとめ

さいごに

今回は、

「双曲割引」を念頭に・知らないと怖い!扶養内で働く主婦が、将来「こんなはずじゃなかった!」とならないために知っておきたい大切なこと

という話をしました。

ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー氏が提案する「双曲割引」は、「目の前の価値を高く見積もり、遠い将来の価値を低く見積もる、人間の行動心理」を説いています。

例えば主婦が働くときは、夫の扶養内で働き、仕事の負担と社会保険料や税負担を抑えるほうが得であると判断する人が多くいます。

けれども将来の年金受給と段階まで視野に入れると、当時選択した「妻が夫の扶養内で働く選択」は、必ずしも合理的とはいえない面があります。

もっとも女性は妊娠、出産、介護、といった負担が大きくなりがちです。それ以外にも男性と比較して体力の面で不利な面など多々あります。

こうした課題は国単位での取り組みが必要でしょうが、並行して、主婦の働き方を世帯や夫婦単位で判断するだけでなく、自分個人の生き方としての選択基準も加えることが必要です。

若いということは、様々な機会を得るチャンスに恵まれています。また時間の余裕があるという利点があります。

こうした時期に、できるだけのことはやっておく、具体的には働けるうちにできるだけ働いておく、そういうことが、今後はますます必要になってくると考えます。

もちろん、こうした考えは個々に違いがあって当然です。現在必要があり専業主婦や時短勤務を選択している人も、それぞれ精一杯に選んだ結果であると思います。

ただ、知らないで選択しているケースも多いと思われますので、今回は一部を紹介させていただきました。

参考になれば幸いです。