はじめに
世の中が値上げだらけの今、気を付けないとお金がどんどん出ていきます。同時に一歩間違えれば、それは貧乏への道へとつながります。
ただし初めに断っておきますが、貧乏そのもの自体は決して悪いことではありません。有名な道元も、「貧乏であるべき」と貧乏を礼賛しています。
ただ、ここでいうところの貧乏とは道元のような厳格な暮らしから生じるあえて求めた貧乏ではありません。
一般庶民が、ゆとりなく暮らさざるを得ない状態を指します。それでは普通の人が普通の貧乏を避けるためにはどうしたらいいかについてのお話をします。
なぜ、貧乏になるのか
そもそもですが、なぜ貧乏は起きてしまうのでしょうか。日本は、最低限の生活が保障されている国です。確かに最低限の生活は貧乏といえる半面、最低限の生活は可能ということから、貧乏ではありません。ぎりぎり普通の状態です。
もちろん貧乏になる要因は根が深く、様々な原因が複雑に絡み合う事例はあります。ここでそのような専門的な話題を挙げるのは控えます。あくまで現在、普通の生活をしている人が貧乏を避けるための話だということをご承知下さい。専門的な話題や相談や言及は専門の方に依頼してください。
さて、貧乏になる要因とはシンプルなところにあります。それは収入以上に多くお金を使ってしまうという、小学生でもわかる理論にあります。
なぜ、収入以上にお金を使うのか
なぜ、収入以上にお金を使ってしまうのでしょうか。その理由はいくつかあります。一つはそもそもの収入が少ないことにあります。
けれどもこの、「収入が少ない」とはどういうことなのか。これもまた根深い問題があります。例えば同じ収入でも、Aさんは豊かに暮らし、Bさんはひっ迫した生活をしていたりします。
この違いはどこから来るのでしょうか。たとえ客観的に、収入が少なくてもAさんのように豊かに暮らすことができれば、Aさんは貧乏ではありません。
一方でBさんのように、お金を収入以上に使ってしまう人のほか、収入は多いのに、お金がなくてヒーヒー言っている人もいます。
例えば年収が一千万越えあっても、家族四人でタワマンに住んだりすれば、それだけで一気に貧乏になります。年収一千万という収入は、到達しない場合は多いと思うかもしれませんが、実際は東京あたりにはそういう人はゴロゴロいます。
なぜお金があるとタワマンに住みたがるのか
人はなぜ、お金があると思うとタワマンに住みたがるのでしょうか。それはひとつに、タワマンがステイタスのシンボルだと思うからです。
私は地方出身なのですが、かつてタワマンが富裕層のシンボルであり、かなり割高な家賃か購入だと知りませんでした。
ですので当時、水辺に立つタワマンを見て嫌味ではなく真面目にこう思ったんです。
「こんな怖いところ(火事の時どうやって逃げるんだろう。水辺の近くなんて水害の時危ないのでは?)に住まなくちゃいけないなんて、きっと家賃が安いから仕方なく住んでいるんだろうな。」
と、大真面目に思っていました。ところがすぐに、タワマンは富裕層が住むところで、買うにも借りるにも高額だということを知り、驚きました。
タワマンのイメージはどこから来るか
ところが以後、タワマンを見る目が変わりました。もちろん住んでいる人はステイタスだけに魅力を感じて住んでいる人ばかりではありません。
設備の充実、同じような富裕層が住んでいるので民度が良いこと、利便性があることなど、資産価値などを総合的に判断して住んでいる人も多くいます。つまり、住むべくしてタワマンに住んでいる富裕層の人たちです。
一方で中には、すでに住んでいる人をはじめ、これから購入を考えている人もいるでしょう。その中には収入的に無理があるのに、ステイタスに魅力を感じて選んでしまう人も一定数はいると思われます。
なぜ、この手の方は、タワマンに住みたがるのでしょうか。冷静に考えれば、不便もあるはずですし、高額なのでかなり思い切った決断が必要です。
それはおそらく、テレビをはじめとしたメディアから受けたイメージが原因です。
テレビは今でもみんなよく見ている
よく若者のテレビ離れなどが話題になります。ミニマリストはテレビを持たない人もいます。一方で実際には、まだまだテレビは多くの人が良く見ています。
その証拠に、コロナが始まって間もなく、どこからともかくみんなが若者をはじめ「ミツ」「ミツ」「ミツ」と口をそろえて言うのを耳にしました。意味は何となく分かるけれど、いったいどこからこの言葉を仕入れたのだろう、と思っていたらそれはテレビに出演した都知事の発言にありました。
それほどに実際は、老若男女の多くが非常にテレビを見ていることがわかりました。私はテレビをあまり見ないので、テレビ発信の言葉はあまり認識していなかったのです。
緊急時のテレビは有用な役割もある
確かにテレビは、緊急時に大事なことを多くの人に伝えるのには有効な手段だと思います。実際に地震、台風、家事、水害などのほかコロナの情報を伝える場合には効力を発揮したと思われます。
テレビは人の本能を刺激する
一方で、通常の場合の多くはテレビで流れる情報は不安をあおったり、虚栄心をくすぐるなどの気持ちを刺激されます。人が持つ本能が刺激されます。
人より優位でいたい、というような欲には多く利用されます。テレビの目的は広告収入を得たり、それを見た人がより多くのお金を使うことを目的とされています。テレビはタダだといいますが、実際はテレビがきっかけで何かを買ったり行動を起こしますから、タダ以上の対価を払っているのです。
NHKでさえも油断できず
受信料が必要で、CMがないNHKは大丈夫かといえば、NOです。たとえば朝の天気予報の前後を見ているとわかりますが、天気が良くなる日は決まって
「お出かけ日和です」
などと連呼します。これを見た人の多くは休日であれば家にいたら「何もしていない」気持ちになるのでどこかに出かけようとします。そして混雑する街中などに出かけ、割高な休日ランチを食べ、ぐったり疲れてお金も使い果たして帰宅するのです。
CMだけではない、刷り込まれる「ほしいイメージ」
CMだけではありません、テレビはあらゆるところから、私たちの欲を刺激します。ドラマの登場人物が住む家、服、食事。きりがないほどに「これが普通の生活ですよ」とささやきます。
そしてそれを手に入れるために、くたくたになるまで働かされるのです。
貧乏になりたくないならテレビを見ないだけ
貧乏になりたくなければ、方法は簡単です。テレビを見なければいいのです。どうしても見たい番組がある場合は、せめて録画してピンポイントで見ます。決してテレビをつけっぱなしにしてはいけません。
テレビを見なければ不安な情報も、余計な「これを買うといい」という情報も入りません。結果として余計なお金を使うこともありません。
無駄に虚栄心を刺激されて無駄な買い物や外出もしなくなります。お金を使うこと、出かけること自体に問題はなく、テレビの影響でそれを目指すことが問題なのです。
さいごに
今回は、
「貧乏にならないために、テレビを見るのをやめようという」
という話をしました。細かな悩みや不安の元凶は、突き詰めるとテレビを見るのが好きな習慣にあります。嘘だと思うなら、せめて一日テレビを見ないでみましょう。
今回の話が参考になればさいわいです。